「未熟でいる間は成長できる。成熟した途端、腐敗が始まる。」(レイ・クロック)
私たちはこの助言を様々な形で聞いてきました。
私たちは生まれてから死ぬまで学び続けます。成長し続けること、未熟であり続けることが重要です。
そして、人生では逆境と戦わなければならない時こそ、この金言が意味を持ちます。
私たちは皆それぞれ苦労してきました。私も例外ではありません。
- 「もっと利口になれ。」
- 「このスポーツをするには利口すぎる。」
- 「誰でも君よりはましだ。」
- 「君は一生販売では成功しない。」
だれもが仕事でも苦労してきました。逆境と言えば、どれも克服するのが難しかった3つのエピソードがすぐ脳裏に浮かびます。
これは厳しい現実です。私がMDRTの会員になっていなければ、この職業でこのレベルまで到達できなかったでしょう。それは今日ご出席の多くの方々にも当てはまると思います。
最初の逆境の教訓は、私が生命保険業界に入った1982年4月のことでした。当時私は25歳でした。250人の訪問先リストをもらいましたが、(アルコールと薬物に溺れた)前任者が数週間後に姿を消してしまったため、ほぼ何も研修を受けられませんでした。当時はオイルショックの真っただ中で景気は最悪でした。私はお客様に電話をかけるのが怖かったのを覚えています。
ただ時々話せる先輩はいました。ほとんどがMDRTの会員でした。皆さんに「MDRTの会員になれなければ二流で終わるよ」と言われ、私は最高の募集人の仲間に入りたいと思うようになりました。
何をしたら良いのかわからなくて非常に焦りましたが、とにかくたくさんの本を読み、素晴らしいファクト・ファインドの方法を学び、紹介して頂けるようお願いするためのセリフを作りました。
こうして私は初めて1年間フルに働いた1983年にMDRTに入会できました。そして1984年には(今回を含め)33回出席してきた大会に初参加しました。長時間働き、多くの失敗を重ね、十分多くの契約を得たので会員になれたのです。
最初からこの仕事が好きだったので失敗などあり得ないと思っていました。初めて参加したアニュアル・ミーティングからも非常に多くのことを学びました。私のように実業家として成功したい人々との出会いもありました。
第2の教訓は最初の会社が経営破綻した1991年のことでした。私は一社専属の営業社員でしたし、9年間にわたりクライアント基盤を作り、信頼関係を築き、この世界で存在感を高めてきたところでしたが、急に社会ののけ者になってしまいました。
再び、失敗への恐れがまさに現実のものになりました。その時には養うべき家族もいました。加盟する新たな会社を探すべく、私は同僚と行動計画の作戦を練りましたが、同時に生き残るための独自の計画も立てました。
私はMDRTの会員だったので、(5か月に及ぶ)大変なピンチを切り抜けるために参考になる話を他の会員から聞いていました。そこで有効な習慣を付けたのです:毎週10-15回のアポイントを取り付ける、「成功するには何でもやる」態度を身に付ける、長時間働く、クライアント(お客様ではなく、クライアント)と信頼関係を築く。
第3の教訓は自然災害でした。2005年8月のハリケーン・カトリーナです。ここにいらっしゃる会員の皆さんの多くも自然災害への対応を余儀なくされてきたと思います。そして皆さんの多くが「どうすればこれを乗り越えられるのか?」と悩まれたことでしょう。
私たちの町ではそれまであのような甚大な災害を経験したことがなかったので、誰も対処の方法が分かりませんでした。ニューオーリンズの80%が水没してしまったのです。私の家は3週間にわたり1.5メートルの水に漬かりました。
住むアパートが見つかるまで、私たち家族は4か月間別の町で暮らしました。3か月近く経ってようやく事務所の建物に入りラップトップPC、経営用の小切手帳、重要記録などを取り出せました。事務所が再開できたのは2006年1月でした。
事業を再開できるのかわかりませんでした。社員は姿を消しました。携帯電話の基地局は全て被害を受けたので、クライアントに連絡するにもどうしたらよいのかわかりませんでした。私は何とか続けましたが、皆さんはそれがどんなに重要かお分かりになると思います。私たちは生き残り、再び成功を目指して前進し始めたのです。
逆境の時の取り組みで大切なこと。それは次のようにまとめられるでしょう。
- 行動計画を立て、実行し、やり遂げる。しかし途中で変更できるように柔軟性を持たせる。人生にまっすぐな道などない。
- 辛いとき、失敗への恐れは、別の方向から考える勇気を与え、一見不可能な状況を乗り越えさせてくれる。
- それまでのあらゆる経験、成功例、失敗例を駆使して強みにする。一度困難な状況を乗り越えられれば、何度でも乗り越えられる。人間には驚くほどの回復力がある。
- ポジティブ・シンキングの力を利用する。できると思えば絶対できる。
- 今、仕事で起こっている変化を見逃すな。他の人が始める前に変化に対応できるよう準備し、ビジネスに取り入れよう。皆さんはどのような変化が生じつつあるかどうやって把握していますか。
- 国内、そして世界中の国々の規制機関の動向について常に最新情報を入手し、把握する。
- MDRTのアニュアル・ミーティングなどプロの会合に参加する。
- まだやっていなければ、スタディ・グループを作る、あるいはメンバーになる。
- セールスマンではなく、実業家として考える。少なくとも月に1度、じっくりと自分のビジネスについて考える。
私たちはMDRT の会員です。全力を傾ければできないことなどありません。私たちは皆逆境に遭遇してきました。これからも遭遇するでしょう。そして逆境に会うたび、私たちはそれを乗り越える方法を探し出せます。なぜか?それは私たちが一流中の一流だからです。
「未熟でいる間は成長できる。成熟した途端、腐敗が始まる」まさに、その通りなのです。

Julian H. Good Jr., CLU, ChFC, は9回のコート・オブ・ザ・テーブルと4回のトップ・オブ・ザ・テーブルを含め35年間MDRT会員。本拠地はルイジアナ州Metairie。2011年度のMDRT会長。Good Financial Groupの創立社長としてクライアントの個別のニーズに基づいた多様なリタイアメント・プランを提供しています。NAIFA–Greater New Orleansの会長経験者でありメンバー。Society of Financial Service Professionalsであり、Greater New Orleans Estate Planning Councilの会長経験者。