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ロサンゼルス大会で皆さんとお会いできるのはなんという光栄でしょう。訛りでおわかりだと思いますが、私はダウンアンダーのオーストラリアの会員です。多くの皆さんと同様にここLAからはるか遠くで暮らしています。大自然の美しさに恵まれた素晴らしいビーチ、うっそうとした森林、どこまでも続く自然、そして危険生物もいます。

あまりにも世界から隔離されているのでオーストラリア人は海外旅行が大好きです。というわけで、私は1989年のトロント大会に意気揚々と出席しました。当時は今よりずっと小規模な大会でした。

初参加の方も多くいらっしゃるはずです。当時の初参加者は同じ気持ちで大会に集まっていました。今日の皆さんと同じように世界中で成功している素晴らしい活躍をしている方々に囲まれてわくわくしていました。私は初参加となった1989年大会の後、まだ訪れたことがなかったカナダを旅行してから帰国しました。素晴らしい体験でした!

皆さんと同じように、アニュアル・ミーティングに参加した後の私はたくさんのエネルギーとアイディアと元気を持ち返り、教わったことを実践しました。そして、ずっとこの素晴らしい組織の一員でいたいと強く願いました。それがMDRTです。

次に参加したのは1991年のニューオリンズ大会でその年は新婚だったので妻を同伴しました。この大会後に南米に旅行して、その後でそろそろ子どもが欲しいと考えていました。当然のように素晴らしい大会で、その後は妻とペルーのリマを訪れ、アマゾン川を小さなクルーズ船で川下りをしました。

クルーズ船は桟橋を離れ、トップ・デッキでドリンクを手に夕日が沈む壮大な景色を見てため息をついたものです。素晴らしい人々、美しい景色、なんと感動的な旅でしょう。何て素晴らしいんだ。これ以上は望めない!

その後、乗客たちはダイニングに降りてディナーが始まる予定でした。素晴らしいバケーションの始まりです。着席してから20分ほど経過すると爆発音がして騒がしくなりました。迷彩服を着た男たちがセミオートの銃を手に駆け込んできました。最初はエンターテインメントかと思ったのですが、弾が天井を打ち抜き、クルーがケガをしたのを見て、これは大変なことになったと理解できました。

船が乗っ取られたのです。男たちは私たちに床に伏せろと言い、総額2万ドルを出せと要求しました。金が揃わない場合は10分ごとに男を一人ずつ撃つと言いました。とんでもないことになりました。こんな状況で考えられることは限られています。床に伏せていると、テーブルの向こうに妻がいたので手を繋ごうとしましたが、武装した6人の男たちが要求を怒鳴りながら歩き回っていたので、動くことができませんでした。

当然ですがこちらには武器はなく、アマゾン川のクルーズ中なので警察に助けを求めることも出来ません。緊迫した時間が流れました。皆さんがこんな経験をされないことを切に願います。夫婦が一組ずつ銃を突き付けられた状態でキャビンに戻り、金めのものを出すよう要求されましたが、どう考えても要求額に足りるとは思えない状況でした。男たちはどんどん凶暴になり、今にも発砲しそうな雰囲気でした。

このような状況にいると時間は信じられないくらいゆっくり進みます。何時間も経過したかと思ったのですが、実際は30分くらいでした。自分の命がもう少しで終わるかもしれないと悟った時、私たちはパートナーと深い会話をします。そして自分とも真摯に向き合います。自分たちがここで死んだら家族はどうするだろうと考えました。

次に撃たれるのが自分だったらどうしよう、という話もしました。妻のChrisは私を一人で死なせることはできないと言いました。私が撃たれる番になったら彼女もいっしょに死ぬと言ってくれました。ふたり一緒に撃って欲しいと頼むことにしました。なんと素晴らしいコミットメントでしょう!

私たちは将来についても深い会話をすることができました。助かったら何をしよう。子どもが生まれたらどんな家族にしたいか、家族で何をするかも話しまし合いました。自分自身ともいくつもの約束をし、決意を固めました。

生き延びることができれば将来やりたいことがいくつかあり、一方では変えないことを決意した部分もあります。もっと大事にするべきこと、もっと感謝すべきことが見えました。

おかげさまで本日ここに立っていますので、その日私たちは無事に救出されましたが、その時の会話やコミットメントは決して忘れることはありません。

あれから長い年月が過ぎました。あの経験は忘れることは決してありません。旅行中の出来事として唯一の汚点であり、その後は悪いことは起きていません。

役員会メンバーの特典ともいえることは、世界中の会員にそれぞれの国でお会いすることができます。MDRTを目指す方々や支援してくださる保険会社の皆さんにもお会いします。その国の文化や背景、規制や商品、マーケットや条件などを教えていただき視野が広がります。

グローバルに考えても私たちはかつてないほどの混乱の時代にあり、この専門職の意義が試されています。本当にリノベーションの最中です。国ごとに課題は様々です。監督官庁は我々専門職のありかたに一層関与を強め、イギリス、オーストラリア、カナダそしてアメリカでも確実に規制とコンプライアンスの強化、負担が増えています。

中国、インド、ベトナム、タイなどの新興国では、需要が爆発的に増えているために質の高いアドバイザーの確保が急務です。そうした環境変化の中で、会員の皆さんは対応を迫られていますが、最も難しいのはクライアントの期待値を超える能力が試されているということだと私は感じています。クライアントの知識レベルが高くなったのでロボ・アドバイザー、フィンテック、ダイレクト・マーケティングなどオプションが増えていることも認識しています。

先日「クライアントの無知のおかげで稼ぐ人はひどいことになるだろう」という格言が目に留まり、的を射ていると感じました。

クライアントとマーケットの期待にこれからも応え続けなければ結果は明白です。つまり私たちは今、頭に銃を突きつけられている状態です。プロのアドバイザーとしてMDRT会員は改善・向上を続け、クライアントと深い有意義な会話を交わすことにより、他のアドバイザーとの差別化が必要です。

クライアントにとって本当にベストなものを見極め、クライアントがご自身やご家族に対する約束やコミットメントを守れるように、成功を称え、祝い、困った時には寄り添える存在であり続けることが求められています。

コンプライアンスや規制、教育や資格の要件が厳しくなったということは、いずれもクライアントを守ることが目的であると同時に、我々が一層優れた専門家になるということでありクライアントのために尽力するアドバイザーの妨げにはなりません。

ウィンストン・チャーチルは「悲観者はすべてのチャンスに困難を見つけ、楽観者はすべての困難にチャンスを見つける」と言いました。困難、逆境、変化の中には必ず価値のある何かが潜んでいます。それを見つける目が必要です。

クライアントのニーズを自分のニーズより常に優先することで、人としても専門家としても成長することができます。仲間であるMDRT会員の皆さんにご挨拶できることはこの上ない光栄です。

たくさんの方々にお礼を申し上げなければなりません。自分も気づいていなかったのに、私の可能性を見出してくださった方、自信を失っていた時も私を信じてくれた方々に感謝します。そして誰よりも妻のChrisと子ども達、ScottとBridgetteに感謝しています。

今から30年前、私はMDRTの一員になりたいという夢を持ちました。今、MDRTは私、そして私の家族の一部になっていると言えます。ビジネスで教えられたことはたくさんありますが、それ以上にも良い影響を受けました。

皆さんの会長を務めさせていただけることを誇りに感じています。私を含めて役員会一同はこの素晴らしい組織のメンバーの皆さんの声に耳を傾け、さらに素晴らしい組織にしていきます。厳しい環境にありますが、どうすれば皆さんのお役に立てるかに挑戦し続けます。

深い会話を続け、未来に向けて共に成長していきましょう。

Vanderwolf

Ross Vanderwolf, CFP, MDRT副会長。本拠地はオーストラリアのクィーンズランド州Fortitude Valley。9回のコート・オブ・ザ・テーブルと8回のトップ・オブ・ザ・テーブルを含め、31年 間MDRT会員であり、MDRT Foundationのプラチナの騎士の称号をもつ。MDRTに加え、オーストラリアの金融サービス専門家団体でも数多くのボラン ティアを経験してきた。業界での功績を称える賞を数多く受賞し、オーストラリアで最も信頼されるファイナンシャル・アドバイザーにコンスタントに選ばれている。

Ross Vanderwolf, CFP
Ross Vanderwolf, CFP
2018年10月22日

深い会話

今抱えている問題で頭がいっぱいなのに、未来について考えろと言われたらどうでしょうか。Vanderwolfと妻がアマゾン川のクルーズ旅行を楽しんでいた時に、武装した強盗団に襲われた時がまさにそんな瞬間でした。その恐ろしい経験からの学びをシェアします。
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著者

Ross Vanderwolf, CFP

Ross Vanderwolf, CFP