
私の役に立っているアイディアを幾つかご紹介したいと思います。またここにいらっしゃる全ての方に自分のビジネスについて考えていただきたいと思います。自己を向上させ、不可能を可能にしようとする意欲を引き起こし、より良いパフォーマンスを達成するために何ができるか考えてください。さらに私の経験、そして143という数がどのように私の人生を変えたかについてもお話します。
このセッションでは、ビジネスを拡大させるための新しいアイディアに注目し考察します。またこれまでほとんど話したことのない、不思議な話を皆さんにシェアします。
本日はFocus Sessionという素晴らしいステージに立てるのはまたとない喜びであり、大変光栄です。
さて、次のような場面を想像してください。オフィスで何ヶ月も取り組んできた500万ドルを複数のファンドに投資するという今年最大の案件があと10分後の面談で署名していただけることになっています。同僚はみな興奮してあなたに注目しています。そこへクライアントから電話がかかってきました。
「Anthony、やめることにしたよ」「ではJohnいつにしましょうか」「実はうちの会計士によるとそのポートフォリオは全然だめで、それよりずっといい投資先があると言う話だ。シベリア近辺に特化したプロパティ・ファンドが大規模なコンドミニアムを建設する計画をしているので、そこで儲けることにするよ。今までありがとう。さようなら」
これほど悲惨ではないにしてもキャリアを重ねると似たような経験をすると思います。ファイナンシャル・アドバイザーであれば落胆することは日常茶飯事です。しかし重要なのはそこから立ち上がり先に進むかであり、GoodからVery goodへ、さらにVery goodからThe very bestの違いにつながります。
MDRTの講演者でもキャリアを通して何度も苦い経験していることは確かですが、それでも素晴らしい成果を挙げているのは失敗や失望への対処の仕方にあります。
数週間前、私はこのことについて考え、どのようにして挫折を乗り越え先に進めるか、と自問しました。答えはとてもシンプルでした。私の周りには信頼できる人が沢山いて、電話でのちょっとした会話やコーヒーを囲みながらの話をすることで基本に戻り、本来の自分やなすべき仕事について思い起こせます。
私達は何故この場にいるのでしょうか。MDRTで数日間を過ごし世界各地から来た講演者の話を聴いて何を得ようとしているのか、と自問するととても有意義な答えが見つかりました。
まず思い浮かべたのはビジネスと自分の考え方を変えたいということでした。これには仲間と時間を過ごし、仲間の話を聞くことがとても助けになります。他のアドバイザーと有効だったことについて語り合うのはとても興味深いでものです。彼らの思い描く5年後の姿、また5年前はどうだったのか、どのようにビジネスを変革したか。それは私にも有効か。仲間と交流し質問をしなければ決してわからないことです。
次に連想した言葉は卓越性でした。やるからには卓越したいと願うのですが、どうすればいいのか。仲間に聞いてアドバイスをもらうことです。今のままだと卓越しそうもないのであれば、私なら卓越していると思う人の元へ行きます。最高水準の仕事をしたいのであれば。
はっきりと頭に浮かんだ言葉は達成でした。誰でも良い結果を出してより良い暮らしを手に入れることを望みます。このようなミーティングが素晴らしいのは、自分は成功したのでこれ以上達成することはないと信じていたとしても、もっと達成したいと気持ちを動かしてくれる誰かが常にいること、さらに達成するためのスキルを伝授してくれることです!
最後に去来した言葉はモチベーションです。私の講演でひとりでもやる気が起きたなら、私は価値あることを成し遂げたと思います。しかし私もやる気を得たいと思っています。周りの方々、またこの後拝聴する尊敬する講演者の方々からモチベーションを得ることを期待しています。ここで旧友に会い、新しい友人を作ることは、アイルランドに戻ってからビジネスを改革し、仕事に卓越し、よりよい業績をあげ、すべてを意欲的に行うためのモチベーションになります。だから私はここにいるのです。
次にいくつかの言葉を書き留めたのですが、素晴らしい効果があるのでご紹介します。
チーム
チーム一丸となって取り組めば、多くを成し遂げることができます。チームはパートナーや配偶者かもしれません。スタッフ、地域や勉強会で出会った仲間の強固なネットワークかもしれません。良い結果は一人では出せないということは確かです。オリンピックのメダル、世界記録、MDRTのCOTやTOTに該当するようなパフォーマンスは一人で獲得したものではありません。失敗から学び、アドバイスに耳を傾け、仲間と語り合い、自分を助け、動機づけと導きを与えてくれる信頼できるチームを自分の周りに築くことで得られるのです。あなたのチームメンバーは誰か考えてみてください。
ここで皆さんのチームに贈る最初のちょっとしたセールス・アイディアをシェアします。私が最大の資産と呼んでいるもので、生命保険の募集に役立つかもしれません。見たことがある方もいらっしゃるでしょう。
最大の資産
まずノートと紙を使って、見込客または顧客をページの中央に描きます。
次にクライアントのビジネスや収入についてお聞きし、図に書き込みます。例えば会社を経営していて10万ドル稼いでいるとします。次いで従業員の数と離職率について伺い、図に付け足します。ここで、私は生活水準を維持するために収入を何に使うか尋ねます。
そしてこれがそのクライアントならではの図であることを話します。〔視覚映像〕お客様だけの生活水準の輪であり、全く同じ輪を持つ人はいません。すべての事柄を書き込んだか確認し、顧客が同意したら最大の資産の話に移ります。
次の質問はページの中を指して「この中で最も金銭的価値があるのは何ですか?」です。すると90%以上の方は最も価値の高い資産は住宅またはビジネスであると言います。これはさらに話を進めるための、期待したとおりの答えです。
クライアントが最大の資産はおそらく住宅かビジネスだろうと認めたら、それとは違った見方をするよう促さなければなりません。そこでアドバイザーは的確な質問をし、クライアントの答えに応じて図に手を加えます。図の目的は、最大の資産が現在も将来も自分自身であることに顧客自ら気付くことです。自分で考えて悟る必要があるので、こちらから言うことはできません。
そこで私はクライアントの『生活水準の輪』の色々な場所を指しながらひとつずつ質問します。
あなたがいなくてもビジネスは成り立ちますか?いいえ?では✖をつけて消しましょう。
あなたとビジネスがなくても収入はありますか?いいえ?では収入を消します。
あなたがいなくても家の維持と支払いはできますか?いいえ?家を消します。
あなたの経営手腕と収入がなくても年に2回の休暇を取れますか?
ここまで来るとクライアントもわかってきますが、そのまま質問を続けるとほどなくしてリストには子ども以外はすべて消されています!
私は内容をよく飲み込めるよう図を顧客の前に置き、タイミングを見計らって最初の質問を再度聞きます。「最初の質問をもう一度していいですか?この中で最大の金融資産は何ですか?」
答え:「私です!」
「何らかの理由で収入が途絶えたりまたは実際にあなたが亡くなったりしたら、このページをご覧になってどのように思われますか?」クライアントは既に収入が無いとどのような生活が家族を待ち受けているかおのずと理解しています。クライアントは解決策をあなたに求めるでしょう。
皆さんのチームに贈るこのアイディアが上手く行きますように。チームの概念についてはまた後ほどお話します。
ここで私が数年前に取り入れて私のビジネスを変え、私の基準を形づくり、COTとTOTを勝ちとる助けになった皆さんにも役立つアイディアをご紹介します。
私は20年前にファイナンシャル・アドバイザーの資格を取得しました。これまでに私達は多くの変化を経験しており、この変化に適用できるかがとても重要です。
私のビジネス上の関心事をいくつかお話します。新規顧客がもっと欲しいです。営業成績をさらに上げたいと強く思います。営業成績が上がり顧客をもっと見つけたら、もちろん収入アップを期待します。
アイディアに戻りますが、私たちはそれぞれ個別のビジネスを、それぞれ個別のクライアント相手に様々なレベルで行っています。数年前私はこのことを考え、インスピレーションを期待して自分のビジネスをより詳細に分析することにしました。そしてひらめきました!
やる気を起こさせるものが何もないどんよりとした雨降りの日を想像してください。突然太陽の光が差し込んできて、自然の奇跡である虹が見えました。それはプリズムに似ています。プリズムに光をあてると突然魔法が起こります。プリズムの魔法の力をビジネスに適用すれば、再び魔法が起こります。
ご説明しましょう。
PRISM
- PはProfile(概要・プロフィール)
- RはRealization(認識)
- IはImplementation(導入)
- SはSegmentation(区分)とSpecialization(専門化)
- MはMaintenance(維持)
最初はProfileです。ビジネスの概要を分析することはPRISM適用の第一歩です。ビジネスの概要を分析するため、毎週欠かさずつけている統計資料を調べました。アポイントメントの数、販売数、取扱い分野。例えばリタイアメント・プランニングが5割、投資が2割、保障が1割、教育資金が2割のように分析します。ここ数年間のリピート客や既存顧客に追加販売した収入が何割で、新規のビジネスや新規顧客による収入が何割なのか。既存顧客と新規顧客とでは、平均的なコミッションや事案の規模はどう違うか。
私が週ごとに記録しているアニュアル・レポートです。〔視覚映像〕外国の聴衆に合わせて少し変えましたが、週ごとの重要なビジネスデータが得られ、ビジネスの概要分析に大いに役立ちました。
ビジネス概要が片付いたら、次はPRISMの2番目の課題であるRealization(認識)です。
分析してみるとビジネスの多くが既存顧客から来ていることがすぐに分かりました。新規顧客にも毎週お会いしますが、利用し続けてくださるのは既存顧客です。私の場合、年間取引の65%は既存顧客で35%が新規顧客です。
次のように考えると辻褄が合います。見込客が顧客になるのは一度きりです。その後は既存顧客です。既存顧客に十分なサービスを適切な頻度で提供するなら、収益をもたらし続けてくれます。さらに踏み込むと、既存顧客による収益の75%はたった20%の既存顧客がもたらしたものであることがわかりました。
そこで認識です。総収益の65%が既存顧客から得ていて、その収益の75%以上が既存顧客の僅か20%から得ているなら、当然その方たちを特別扱いするべきです。
また私が重点的に扱っているのは、リタイアメント・プランニングと投資であることがわかりました。保障型の商品は年間収入の20%です。これは何を意味し、さらに重要なこととしてこの認識に基づきどう行動すればいいのか考える必要がありました。
つぎはImplementation(導入)です。Implementationはビジネスの分析結果を出し、また注意深く分析するとビジネスのあらゆるトレンドが明らかになることを認識した後に行います。私は数年前にsegment(区分する)とspecialize(専門化する)を行うことにしました。その方法をご説明します。
まずビジネスデータと分析結果に基づいて、すべての顧客との取引状況を再度確認しました。次に顧客をプレステージ、ゴールド、シルバー、ブロンズの4つのグループに区分しました。
プレステージ・クライアントは収入の50%を、次いでゴールド・クライアントが25%を占めますが、人数としては顧客数の25%にすぎません。80:20の法則をご存知の方も多いと思いますが、ビジネスを綿密に分析してこれと似たような現象が認められるなら、行動を起こす必要があります。
そこで私はプレステージ・クライアント全員にコンタクトして面談をし、彼らが最高クラスの顧客であることがビジネスを見直した結果わかったので、サービス・レベルを引き上げることにしたとお伝えしました。今は年に3回、プレステージ・クライアントと直接お会いするレビュー・ミーティングを行い、包括的なレポートや新たな提案をお伝えしています。4カ月ごとに行っています。
年に3回の面談があるので、戦略の構築、リタイアメントに向けた積立や投資の増額、リスク管理の再評価の3点について継続的に話す機会があります。
皆さんにも退職まであと7年なのに年に一度のレビュー・ミーティングでしか会わない富裕層の顧客がいるとします。理論上、顧客は退職までの間皆さんと7回しか面談ができません。しかし私は21回面談ができます。退職前の7年間というそれ以前より重要な期間に、素晴らしい機会が与えられます。
得意顧客に頻繁に会うと信頼感が増し、より多くの資産情報を明らかにしてくださったり、これから先は私達のアドバイスだけを受け入れようと決めてより独占的に扱わせてくださったりするかもしれません。私は得意顧客がしばしば複数のビジネスを複数のファイナンシャル・アドバイザーと行っているのを見てきました。得意顧客と年に3回会うことにより私達は彼らに期待以上の、競合アドバイザーよりはるかに優れたサービスを提供し、その結果徐々にすべてのビジネスを任せていただけるようになります。
次にゴールド・クライアントは年に2回、6ヶ月ごとに面談を行います。結果は驚くべきもので、人間関係が強化されたためにプレステージ・クライアントになってくださった顧客もいます。以前は全く知らなかった資産について教えていただき、現在は管理を任されています。
シルバー・クライアントとは年に一度の面談を行い、ブロンズはプランのレビューを書面で送り、リクエストがあれば面談を行うことを伝えます。
年間を通し私はアドバイスする時間の大半を、プレステージ・クライアントおよびゴールド・クライアントに費やします。この戦略を導入した年にはCOT資格を、それ以降毎年TOT資格を獲得しています。初めてTOT会員になった時は12月に資格を得ましたが、この年は7月にTOT資格を達成しました。
PRISMのSにはSpecialize(専門に扱う)の意味もありました。私は変化すると同時に別のことも実行しました。リタイアメントと投資分野のスペシャリストとしてビジネスをすることにしたのです。もちろん生命保険や保障も扱いますが、専門分野はリタイアメントおよび投資です。
ビジネスの概要分析で主な収入源が保障だとわかったら、保障のスペシャリストとしてご自身を売り込んでください。
具合が悪くなって医療が必要な時はまず総合診療医(GP)にかかります。症状が深刻であれば専門医を紹介されます。金融のある分野のスペシャリストになれば競合相手との差異が明らかになり、その道のプロとみなされるようになります。
ここ数年投資と年金のスペシャリストとして活動してきたため、大型年金基金の引き受けもいただくようになり、2017年には地元の企業の年金基金プランを引き受け、その1件だけでCOTの資格を得ました。何年か前には不可能に思える夢でした。
最後のMはMaintenance(維持)のMです。内容は非常にシンプルで既存顧客を維持することです。優れたサービスを提供し必要に応じてランクを上げます。ゴールド・クライアントからプレステージ・クライアントになっていただくのに必要なのは励ましと、この分野のスペシャリストがきちんとサポートするという知識だけかもしれません。もし皆さんがサポートできないなら、他のスタッフが代わりにすると保証してあげてください。
皆さんの中にはプレステージとゴールドをどのように分類しているか説明して欲しいと思うかもしれません。簡単に言えばそれはすべて皆さん次第です。ご自身のビジネス概要やクライアントとのビジネス状況を調べてください。手数料やビジネスにもたらす収入が基準になるかもしれません。管理する基金額、また保険に加入されているお客様なら保障額や保険料を参考にできます。それは個々のビジネスに依存しています。ビジネスは一つひとつ異なります。しかし区分が終了したらそれに見合うサービス・レベルに変える必要があります。
新規顧客を獲得したら区分のひとつに割り振り、そのことをお客様に説明してください。長年多くのゴールド・クライアントから「どうしたらプレステージ・クライアントになれるのか?」と聞かれました。説明すると彼らはなんとかプレステージにふさわしいと思われたくてもっと投資したり、退職積立金を増額したりしました!
ここで皆さんに質問です。ビジネスとクライアントのプロファイルを分析し、クライアントを区分し、金融アドバイスの特定分野を専門に扱っていますか?
また皆さんはCOTかTOTの資格を持っていらっしゃいますか?
区分することと専門に扱うことは、MDRT資格からCOTやTOTの資格ヘ移行するための重要な要素です。皆さんがPRISMに胸を躍らせ、それぞれの国に戻ってご自身のビジネスに意欲的にあてはめられることを期待します。
先程も述べましたが私は20年前にファイナンシャル・アドバイザーになりました。これまで多くの変化をくぐり抜け、変化への適応力が非常に重要であることを知っています。
私が関心を持つビジネス上の事柄をお話します。
関心事
新規顧客を増やしたい、もっと成績を上げたい。成績が上がり顧客が増えたら収入アップも期待できます。いよいよ収入が増えたら、私も皆さんと同様、もっと楽しむ時間が欲しいです。ゴルフをしたり家族と過ごしたりするのが王道でしょうか。
前に私のチームのことをお話ししました。チームはビジネスの他にもあります。アドバイザーとして変化に対処し、自分を改善するための人生で最も重要なのは他者からの助けです。そのためこの10年間私はスタディ・グループに参加してきました。
初めに参加したのは8人のアイルランドのファイナンシャル・アドバイザーのグループでした。年に4回4時間の会合を開き、体系的な議題に沿ってアイディアを分かち合い、互いに助け合う機会を持ちます。
自分にとって有益だったことを話し合います。今直面している問題は何か、素晴らしいセールス・アイディアをシェアできないか、コンプライアンスや規制などの変化にどう対処すれば良いか。顧客ファイルを管理する方法や顧客管理システム、スタッフ・トレーニングの最善の方法、アドバイザーや管理部門のスタッフ採用、新規顧客を開拓し同時に既存顧客へのサービスをどのように改善するのか。
スタディ・グループの一員になったことは成功するためのレベルアップにつながり、ビジネスが思わしくない時に私を助けてくれました。そのような時に肩を叩き電話で励ましの言葉をかけてくれるだけで、軌道に戻ることができました。
アイディアを分かち合い、気軽に電話して良い時も悪い時も話し合える気の合うアドバイザー仲間を、ぜひ地域で見つけてほしいと思います。互いにサポートし助け合うことでビジネスが発展していきます。そしてグループに名前を付けてください。私が所属するグループのひとつはダイバーシティ・グループと言います。私達は多様なアドバイザーたちの集まりですが共通の目的があります。互いにサポートし高め合い、仕事にプロ意識を持って成功することです。
私は2つのスタディ・グループに属しています。ダイバーシティ・グループのことは申し上げました。2つ目のグループはもう少し大きいです。
メンバーは合計63,000人以上だったと思います。年に2回集まり、情報と資料を含む膨大な量のデータベースに24時間365日アクセスできます。ファイナンシャル・アドバイザーにとっては、成功をおさめた世界最大の名誉あるスタディ・グループです。2つ目のグループはMDRTと呼ばれています。聞いたことがあると思います!
世界中にいるMDRT会員は助け合いの精神に強い誇りを持っています。私達はポッドキャスト、セミナー、フォーカス・セッション、ウェブ・アーカイブ、出版物、セールス・アイディアなど様々な方法でお互いに支援しています。
MDRTには懸念事項があったり、もっと売れるツールを探したりしている時、実績のある方法を教えてくれる人が必ずいます。
私はカリスマ投機家、億万長者、最先端技術を持つIT専門家、コンプライアンス・スペシャリストと毎日アクセスしています。ここまでお話したことはオフィスにいながらできることで、私は自分や他の人から聞いたアイディアを望む人全てとシェアすることを大いに楽しんでいます。
突き詰めるとMDRTは志を同じくする人々の宝庫で、ビジネスの内容は違っても同じように行動し、互いに助け合いながら自分が考える以上の素晴らしい人間になることを目指します。
今年もまた肩を落として「何もかも上手く行かない、状況は厳しい。次のクライアントどうやって探そう」とつぶやく前に自問してください。自分を救うため何か別の行動を起こしただろうか?「同じことを繰り返すなら、結果も同じになる」という名言を思い起こしてください。
私は2008年に2つ目のスタディ・グループであるMDRTに入会し、それ以来ずっとメンバーを続けています。スキルを磨きビジネスを成功させたおかげでMDRTの会員資格を誉れ高いTOT資格に格上げすることができました。スキルを磨き続けるために、引き続きTOTを目標にします。
これまで達成した事柄はMDRTを通して体験したアイディア、プラクティス・マネジメント、友情なしには得られなかったと思います。MDRTはより多くを達成するよう日々私を奮い立たせ、また世界に目を向けさせてくれました。
最初の方で私の人生と143という数字の話をしました。この話を国際的な聴衆にするのは初めてですが、ぜひお付き合いください。143は世界で最も力のある数字のひとつで、その秘密を知った者は永久に感動します。これから皆さんに分かち合います。
私の母方の祖父母は3歳違いでそれぞれ1915年と1918年に生まれました。ふたりとも1995年に3ヶ月違いで亡くなりました。ふたりは信心深く、本当に愛し合っていました。互いへの手紙やカードの最後にはいつも143の数字が書かれていました。
亡くなって3カ月した頃、私は初めてふたりの墓参りに行ったのですが、墓地の外に車が一台停まっていました。車のナンバープレートにはたった3つの数字143が描かれていました。私はきっと上手くいく、祖父母は見守ってくれていることを知りました。
2年後の1997年スコットランドで小売業をしていた時に、プルデンシャル(イギリス)のトレイニー・ファイナンシャル・アドバイザーに応募しました。合格し、その年の9月から働き始めることになりました。素晴らしいキャリアが始まる予感がしました。
初出勤日の2週間前に、47歳の母が脳内出血を起こし生命維持装置につながれるというショッキングな知らせを受けました。母の闘病は3カ月におよび、手術を受けて何とか助かりました。
新しい仕事が始まるはずだった日に、私は家族と共に母が手術を受けて目を覚ますのを待っていました。母が目覚めると同時に心臓モニターのアラームが消えました。母が誤って指についていた脈拍計を外したのです。心拍数の最後の数値は143でした。新しいキャリアは失いましたが、意味あることだったと思いました。
1999年相変わらずアイルランドで小売業者をしている時に、友人が銀行との面接を設定してくれました。Ark Life Assurance Companyの専属ファイナンシャル・アドバイザー募集の面接でした。
今回は10人に一人しか合格しないと聞いていたので非常に緊張しました。面接が行われるホテルに入った時は手足が震えました。廊下の先で呼ばれるのを待つように言われました。外で待つようにと言われた部屋の番号は143でした。一気に緊張がほぐれました。どんなこともあり得る、不可能に思える夢も勝ちとることができるかもしれないと思いました。そして仕事をゲットしました!
2001年Canada Life Assuranceから働かないかと誘われました。転職には早すぎるのではないかと迷い、先方のマネージャーと面接するために車を走らせていると見通しの悪いカーブで大型トラックに衝突しそうになりました。間一髪で衝突をまぬがれましたが、大型トラックについていた番号が143でした。私は仕事をゲットしました!
2008年Irish Lifeの代理店をしている時に、私はJim Rogersが2月のMDRTコンファレンスで講演をするのを聞きました。彼はMDRTがいかに自分に影響を与えたかを話しました。私は会員資格を得るだけのビジネスをしていると思いましたが確信を持てませんでした。その晩家に帰ると、募集でき時に必ずつけている記録の2007年のデータを調べました。トロントへ行くための飛行機代、ホテル代、食費そしてMDRT会員の登録費に4000ドルも使うべきか。使うべきではないと思いましたが、好奇心が勝って調べていました。エクセルの販売件数欄を下にスクロールし合計数を確認すると、2007年の販売件数は143件でした。その晩MDRTに登録し、トロント大会への参加を決意しました!
初めてのMDRTミーティングに深い感銘を受け、次からは見逃さないと心に決めました。メイン・プラットフォームの講演を聞き、その週にあり得ないような夢を持ちました。10年以内にMDRTミーティングのメイン・プラットフォームで講演して自分のアイディアをシェアし、本を書くという夢です。
始まりは2010年にUK MDRT Dayで話すよう招待された時でした。2012年にはカリフォルニア州Anaheimで初めてFocus Sessionでの講演を行いました。2014年にはあり得ない夢が現実になり、マレーシアのクアラルンプールで開かれたMDRTエクスペリエンス・メイン・プラットフォームで国際デビューを果たしました。次いで2015年にニューオーリンズのMDRTメイン・プラットフォームで、1万人の聴衆を前に話しました。
私はThe Advisor’s Advisorという本を出版しました。本は完売し、第2版が出ています。私は11年間MDRT会員で、2018年には6度目のTOTを獲得し、COT会員には4回なりました。不可能に思える夢は達成可能で実現するのです。
143という数字は今回お伝えできなかった話を含め、人生の重要な局面で私の前に現れてきました。それはいつも私に自信を与え、何でもできるという気持ちにさせてくれました。どんな夢でも一生懸命取り組み、その努力の見返りとして少しばかりの運をもらえれば勝ち取ることができます。
143が不可能な夢を実現する助けになったもうひとつの例は、2017年8月に肺感染症で1週間の入院をした時のことです。診察室で体重を測ったら体重計の表示は143キロでした。私にやる気がうまれました。
これは2017年9月の143キロの私です。〔視覚映像〕ここにいるのが30キロ減量した今日の私です。不可能な夢を実現することはできます。
そこで143の意味ですが、すでにご存知の方もいらっしゃると思います。いったんその意味を知ると、この数字は絶え間なく皆さんの人生に現れるはずです。テレビ画面、街路、車の上、書類の中、本当にどこにでもです。なぜなら143は「I Love You」という意味だからです。(1,4,3はそれぞれの言葉のアルファベットの数です。)
祖父母は、物事はきっとうまく運ぶだろうと確信するための秘密を私に教えてくれました。どんなことも可能であり、自分を見守り愛してくれる人が必ずどこかにいます。自分は何かを達成できると信じれば、それはきっと起きます。
ビジネスや健康、人生を変え改善する決意をしましょう。今日下すひとつの決断は、不可能な夢をすべて達成する助けになるかもしれません。最後にMitch Leigh とJoe Darionの歌を朗読します。歌詞はファイナンシャル・アドバイザーのあるべき姿を表現していると思います。気に入っていただければ嬉しいです。
誰でも手が届かないような大きな夢が必要です。私達は逆境と心痛に耐えまた大きな喜びや成功を経験しますが、何より私達の行動が他の人の人生を変えます。
私は自分の行いの大切さを決して忘れず、培った知恵を友人、家族、見込客、クライアントに伝えるために奮闘します。
私達は素晴らしい仕事に携わっています。スキルを改善すれば自分自身、クライアント、そのお子さん、そのお孫さんに影響を及ぼします。
アイディアをスタディ・グループやMDRTのような組織を通して分かち合うことでより良いアドバイザー、より良い人になると信じています。私達はちょうどいい時に、ちょうどいい場所にいるのです。さらなる高みに自分を引き上げましょう。
アニュアル・ミーティングを最大限に活用し、人生を永久に変えてしまうかもしれない決意を今日ここでしてください。私達はMDRTのチームです。ここロサンゼルスで今が行動を起こす時です!
全ての人が不可能な夢を達成できますように。

Anthony Matthews Jones, BSc(Hons), QFA, は4回のコート・オブ・ザ・テーブルと6回のトップ・オブ・ザ・テーブルを含め、11年間MDRT会員。俳優、歌手としても成功したスキルをクリエイティブなプレゼンテーションで活かしています。これまでにメイン・プラットフォーム、MDRTエクスペリエンス&グローバル・コンファレンス大会で講演をした経験があります。今年度はアイルランド担当のMCC チェア。