私は2011年にFernandoと奥さんのJennyに会いました。二人とも弁護士で、Fernandoは州政府の法務部で、Jennyは個人の弁護士事務所で働いていました。お二人のファクト・ファインドをていねいに行い、生命保険、所得補償保険、リタイアメント・プランなどの提案にまとめ、大型案件になる予感がありワクワクしていました。難しい案件なので準備に8-10時間もかけました。ご成約いただければ、少なくとも4000ドルか5000千ドルのコミッションが期待できました。お二人はとても誠実な対応で、私はとても良い感触を得ていたのですが、なんと25万ドルの定期保険、すなわち年間保険料300ドル程度の契約で良いとのご回答でした。10時間も準備に費やした仕事の手数料が150ドルです。時給にすると15ドルです。それも税込み。
あんなにがんばったのに、とガッカリでした。私は客観的な意見を述べましたし、いつも協力的でした。素晴らしいアドバイスを提供したはずです。でも、もっと良いアプローチがあったはずです。これだけの労力を費やすにあたり、クライアントがプランに加入してくださるかどうかを心配しないで済む方法はないかと考えました。それを考えた結果、フィーをいただいてプランニングをするというビジネス・モデルに行きつきました。
本日は、フィーに移行する際の成功事例の3つの重要ポイントについてシェアします。結果的にお客様により多くの価値をお届けすることが出来るようになりました。
- 透明性を維持
- 種を蒔く
- 柔軟である
透明性
そもそもクライアントは皆さんがどのように収入を得ているかを正確に理解していますか?問いかけてみることをお勧めします。オープンに説明すれば良いのです。「私はご契約をお預かりすると手数料を受け取ります。翌年からは少額の継続手数料がありますが、次に何かにご加入いただけるまで、その後の手数料はありません」ここで大事なポイントは、皆さんは毎年保障内容の見直しをしてきたはずです。従って、クライアントにその事実を思い出してもらいましょう。先方から「もう何年も新規の契約に加入していませんよ」と言ってもらいましょう。これはオープニングです。ついては、今後も安定的に優れたサービスの提供を確実にするために、フィーをいただいて契約の管理をするビジネス・モデルに移行することを伝えます。
私の場合は、来年からお客様を分類する予定であると伝えました。フィーをお支払いいただくお客様にはより綿密なプランニングや管理を追加していきます。ファイナンシャル・プランニングのソフトウェアを導入してスタッフも増やします。投資アドバイザーとの提携もします。また、高度な資産税対策のプランニングや、戦略的な節税にも積極的に取り組んでいきます。今まで年間管理費(フィー)をいただいていないのに、私がオフィスの経費もスタッフの給与も負担していたことを説明することで、今後はフィーをいただくという方針に理解を示していただくことが出来ます。
種を蒔く
次の質問は、「追加的なリソースもありますし、今後ともていねいな仕事をさせていただくということで、多少のフィーをご負担いただくということをどう感じますか?」これまでの私のサービスが優れていれば、クライアントは支払うことに同意するはずです。NOであってもガッカリする必要はありません。見込客探しと同じで、NOは「次回」という意味です。
フィーに移行後は金融商品を購入してくださったクライアントには年に一回の見直しにします。これまでのように四半期や半年ごとのコンタクトはなくなります。また担当はジュニア・アドバイザーとなります。最初にこのように説明することで期待値を設定することが出来ます。今までのように、必要な時はすぐに来てもらえない寂しさをじっくり味わっていただきましょう。
柔軟である
自分は必要な免許を得て登録をして事業を行っているので、必要な商品を扱うことが出来ます。「今後はプランニングに注力していきますので、コミッションのみのお客様については、年に一度のコンタクトとさせていただきます。よろしいですね?」と問いかけます。
ここでも期待値を明確にし、プランニングに注力することを強調します。収益性を確保しながら移行を実行するには、時間をかけなければなりません。多くの方がコミッション・ベースの募集をやめられないようです。
私はフィーに移行した結果、追加のスタッフを雇用し、以前より良いサービスを提供しています。そして、今まで以上に時間をかけてフィーのお客様へのサービスに集中できるようになりました。もう一つのメリットは安定的な収入源になるということです。この仕事を始めた当初にあこがれていた、ベース・サラリーのようなものです。
私はキャリアの途中で移行に取り組みました。既に10年の経験があり、とても良いサービスを提供していたと自負しています。クライアントととても良い関係がありました。
フィーをいただくことは、自分にとってはゲームチェンジャーになりました。今まではご加入いただきたいという気持ちが必ずありましたが、現在はひたすらクライアントのために何がベストかという視点と、長期的にお付き合いいただくためにと考えて働くようになりました。
クライアントは客観的な意見を求めているので、そのためにはフィーを払うことにも納得してくださいます。最近フィーに変更したお客様の言葉が忘れられません。彼女はフィーを払うことにしてよかったと言ってくださいました。「むしろ安心だわ。何かを売りつけられるかもしれないという気持ちがなくなったから」とのことです。
フィーに移行するには、そもそもクライアントとの良好な信頼関係が不可欠です。例えば5年前にご加入いただいて以来、年賀状と誕生日カードしか送っていないようなクライアントに対してフィーに移行してくださいとお願いしても、難しいでしょう。コンスタントにプランを見直し、大事な時にはそばにいて、頼れるアドバイザーというポジションを得ている方であれば、フィーに移行する準備が出来ていると言えます。

Barjes R. Angulo, LUTCF, RICP, は1回のコート・オブ・ザ・テーブルを含め、10年間MDRT会員。金融サービス業界の仕事では20年の経験があります。New York Lifeの優績者で構成される同社のCouncil Agentメンバーであり、Angulo Strategiesの経営者。NAIFAおよびSociety of Financial Service Professionalsのメンバー。