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MDRTのアニュアル・ミーティングに出席できて光栄です。今日は一つ問題が発生していることをお伝えするために来ました。それは人身売買です。これは世界的な問題であり、現代の奴隷は国連の国際労働機関の推計で4000万人以上にのぼります。4000万人とは大変な数です!この問題を解決する方法はあるのでしょうか?

この問いに答える前に、人身売買とは何でどのようなことが行われているのかご説明します。それは搾取するため力を用いて騙し抑圧することです。誘拐だと思われるかもしれません。誰でも誘拐について耳にしたことはありますが、人身売買は人を売ることを目的として何度も何度も繰り返される誘拐です。The Exodus Roadの活動で常に目にするのは、貧困にあえぐ人々に嘘をついてだます行為です。国境を超えた所に、あるいは三つ先の町にいい仕事があると言って騙します。疑うことを知らない少年少女また貧困に苦しむ大人は交通費も払えないほどなのにバスや飛行機で約束された職場に着いた後に、だまされたことに気付きますが、もう逃げ道はありません。仕事もお金もなく抜け出す方法は皆無です。現実には約束の賃金を支払わない売春組織、エビ漁船や何かの組織に売られてしまいます。こうしたことは世界各地で、ここアメリカのカリフォルニアでも起きています。

自分がこのような状況に置かれたら、と少し想像してみてください。非常に貧しく家族を養わなければならないのに働き口がないという状況で、夢のような仕事がオファーされたとします。指示通り約束された場所へ行くと全てが嘘であることが判明しますが、言葉が通じなくて誰かに助けを求めることもできず、雇い主は逃げたらひどい目に遭わすと皆さんをまた隣にいる人を脅します。ほとんどの人にとって人生は素晴らしいということ、一方で悲惨な人生を送っている人もいるということを私たちは忘れてしまいがちです。そのため普段の生活では自分のことを考えるのに精一杯で、助けを必要としている人たちに手を貸そうとしません。

2011年私と妻のLauraは10歳、12歳、14歳になる娘二人と息子一人を連れて東南アジアへ引っ越しました。自分の子ども同様全ての子どもに愛情を持っていたので、タイ北部で児童養護施設を運営するつもりでした。施設はミャンマーとの国境に近い貧しい村にあり、48人の少女たちが暮らしていました。その地域で男性の仲介業者が村々を回って、美しい少女だけに仕事を斡旋しているという噂を聞きました。この話に何か違和感がありました。そこで噂の村へ行き村長たちから話を聞きました。「こうしたことは起きていますか?噂は本当ですか?」全員がきっぱりと「はい、いつも起きています」と言いました。

人身売買は組織的に行われていることが分かってきました。仲介業者は村の美しい娘たちを選び、バンコクのレストランやマッサージ店で働けると約束します。素朴な娘たちは危険に気付かずにバンコクへ行き、そこで初めて売春宿に売られてしまうことに気付くのです。そこで私はこの噂について知ったことをシェアするため警察と協力することにし、警察は話し合いに応じてくれました。私は一年かけて東南アジアの人身売買を調査し、法律や規制の有無や法律の有効性、なぜ効果がないのかについて調べました。そして私の人生を変える電話がかかってきました。人身売買の容疑者がバンコクで少女を売っているので、身元を隠して「John」という売春ツーリストに成りすますよう依頼されました。私の仕事は実際に少女たちが売られているのかどうかを調べることでした。私は引き受け、三日後にはバンコクで一番古く規模の大きな歓楽街パッポンに潜入しました。このような場所です。【視覚資料】光、客に群がる人々、薬の売買、女性や少年の売買など、この街の雰囲気は想像を絶する異様なものでした。私は衝撃を受け動揺しました。

私は売春宿に入ってBelleという名の幼い少女の横に座りましたが、その子の着ていたTシャツには番号が書いてありました。言葉が通じなくても指名できるようにです。客は気に入った少女の番号を選び、話をすることもなく40ドル払えば1~2時間その少女に好きなことをしていいのです。少女たちは一日に10人もの男性を相手にしなければなりません。

このこと自体大変な違法行為ですが、本当の問題はこれが単純な売春ではないことです。少女たちは望んでやっているのではありません。貧しい子どもが騙されて売られ、お金も純潔も尊厳も失ってしまうということです。私は初めての秘密調査を経験したあと妻のLauraと共に苦しみました。Belleをあの売春宿に置いていくことは、これまでした中で一番辛いことだったと妻に話しました。Belleの手を取ったとき少女がこの仕事を心底嫌っていること、しかし貧しくて抜け出せないでいることが分かりました。私はLauraに言いました。「このようなことが命より大事なうちの子ども達に起きたら、子どもを守るためにどんなことでもするだろう。仮に私が北部の村の貧しい農民で5人の子ども達を満足に食べさせることができない状況で、子どもの一人を首都のバンコクへやってもっといい仕事に就かせようとしたかもしれない。親として悪くない判断だ。しかし、私がその騙された父親でバンコクへ送り出した幼い娘が金儲けのため一日に10回もひどい目に遭わされていると知ったら、彼女を連れ戻すために何でもすると思わないか?」

貧しい農民はiPhoneを持っていません。車も持っていません。誰かが来て助けてくれることなど期待できないのです。私はLauraを見て言いました。「私たちが動くしかないようだ。人が売られるような世界には住みたくないし、そんな世の中に子ども達に送り出したくない。自分で何とかしなければ」妻は同意してくれました。そこで私は人身売買の秘密調査員になり、7年の間に4大陸で2000件以上の売春宿を調べました。しかしヒーロー扱いされることは絶対にいやだったのでThe Exodus Roadという組織を立ち上げました。

現在私たちは63人の捜査員を雇い6ヶ国で活動しています。そして1000人弱の人身売買の犠牲者たち、男性、女性、少年、少女を救出しました。今日ここに来たのは人身売買の問題を解決できるのはMatt Parkerではないことをお伝えするためです。The Exodus Road だけで解決することはできません。解決方法はこの会場にいらっしゃる皆さんです。皆さんには素晴らしい力があります。皆さんには資金があるだけでなく、発言力も影響力もあります。私たちは一丸となってこの時代に人身売買の現状を徹底的に変えるため沢山のことができます。

The Exodus Roadではこのような石を集めます。これは普通の川石です。【視覚資料】女の子、男の子、女性、男性を救い出す度に一つの石に名前が書かれます。オープニング・ビデオでもお見せしました。石にはその人の名前と救出された日付、助け出した捜査チーム名を書きます。何故と思われるかもしれません。4000万人という被害者数は圧倒されるほど多く、理解することが難しいからです。そしてこれほど蔓延している悪に対し人は無感覚になってしまいがちです。問題が大きすぎるので何もしなくなってしまうのです。しかし一人の女の子、男の子の問題としてとらえるなら、どの命も大切であることを感じることができます。全ての子どもは誰かの息子か娘、兄弟姉妹であり、将来は夫、妻、母になるかもしれないのです。全ての子どもにはそれだけの価値があります。

奴隷を容認する世界にさせないという選択を一人一人の方にお願いしたいと思います。それではどのように闘うことができるのか?一人ずつ救い一つの案件ごとに取り組み、それを毎日繰り返すことによってです。

忘れてならないのは人身売買が世界的な問題であることです。アジアだけで起きているのではありません。私が取り組んだきっかけはアジアでしたが、The Exodus Roadはここアメリカでも活動しています。私たちは世界中の子ども達を救出しており、この活動を続けこの活動をさらに拡大するための助けを必要としています。

そこで今日是非MDRT Foundationのブースにお立ち寄りいただき、The Exodus Roadに寄付してもっと多くの人を救出する私たちの活動に加わってください。また後ほど行われるOperation Traffic Watchセッションでは、皆さんの身近なところでどのように人身売買とその犠牲者を見つけ出すことができるかをご説明しますので参加をお待ちしています。 皆さんが関わり経済的な支援をしてくだされば、必ず自由になる人がいることをお約束します。

Parker

Matt Parker, は妻Lauraと子ども達と共に、タイにある貧困層の少女達のホームの改善に取り組むために2010年にタイに引っ越しました。現地で働くうちに、地元警察の知り合いも増え、人身売買という大きな問題の存在を知ることになりました。2012年、MattとLauraは The Exodus Roadを設立しました。これまでに200万ドルの募金により、850名もの被害者を人身売買から救い出し、300人以上の逮捕を実現しました。この団体は複数の国で活動し、地元の人々を教育訓練し、高度なテクノロジーを駆使して現代の奴隷制度を撲滅するために戦っています。

Matt Parker
Matt Parker
2018年10月23日

あなたの子どもだったらどうしますか

東南アジアに移住後、身の回りで頻発する人身売買の多さに危機感を募らせたMattとLaura Parker夫妻はThe Exodus Roadを設立し、Matt Parkerは人身売買を止めるための秘密調査員として活動するようになりました。これまでに4大陸で通算2,000回以上にわたり行ってきた覆面調査により、1,000名以上を人身売買の被害から救出してきた経験を紹介します。
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著者

Matt Parker