
2007年の10月。米国アリゾナ州フェニックスで開催されたTOTアニュアル・ミーティングに私は初めて参加しました。トップ・オブ・ザ・テーブル会員が世界中から約200名参加し、私にとってとても素晴らしい経験となりました。
TOTメンバーはとても親切で、ファースト・タイマーである私を歓迎してくれました。そんな素晴らしい経験をしながらも、私はあまり満足していませんでした。何かが足りないのです。みなさん、こんな気持ちになったことはありませんか?参加者に歓迎されていて、楽しく記念写真を撮ったりしながらも、何かが足りないのです。
異なった国々から多くの参加者が集い、高い業績基準達成を続けていく秘訣を聞くことができる機会なのに、話しかけるのに躊躇するのです。何故なら私は英語が得意ではなく、英語で話すことが気持ちよくなかったからです。悪い日本人気質でしょうか、戸惑ったり、避けたりしたのです。
そんな時、ある言葉が頭に浮かびました。いまさら何を失うのでしょうか?確かに私の英語力は拙い・・・でもだから何か悪いのでしょうか?私は意を決して、通訳なしのテーマ別研修に参加することにしました。怖さを感じながらも、気持ちを奮い立たせ、「とにかくやってみよう!」と思ったのです。
私が選んだのは企業の従業員向け福利厚生プランがテーマでした。何故なら自分の取引事例が正しいかを知りたかったですし、改善点を見つけたいと思ったからです。研修室に入るとテーマごとに分かれたテーブルに4人の参加者とコーディネーターのマークさんがいらっしゃいました。マークさんはなんとその年のTOT会長で、その後MDRT会長になられた方です。こともあろうに一番のVIPです。緊張しながら私は自分の取引事例を一生懸命説明しました。
実際のところはほんの数分の時間でしたが、私にとっては何時間にも感じられました。説明が終わり、ドキドキしていると参加者の方々はそれぞれコメントを下さり、マークさんは褒めて下さいました。
遠い異国で手探りで行った自分の取引事例の考え方が、本場アメリカ、しかも会長というトップの方が認めて下さったのです。それはもう素晴らしいことで、「自信」が「確信」に変わった瞬間でした。そしてこのことは「もう一回やってみよう!One More Try」という決意なくしては得られなかったのです。』
それからの私は困難に直面しても、「もうもう一回やってみよう!」という思いでいくことにしました。たとえお客様が商談の約束をキャンセルされても、「もう一回やってみよう!」と改めてアプローチしました。たとえお客様が私の提案を拒んだとしても、「もう一回やってみよう!」と提案し続けました。
「もう一回やってみよう!」との思いを持ち続けて活動し、4年が過ぎた2011年、私はついに所属会社の初代世界チャンピオンになることができたのです。
当然浮かれ気分にもなりかけましたが、それを凌駕する程の新しい夢が生まれました。所属会社の初代世界チャンピオンになった直後、あのマークさんが世界72か国500社のメンバーが集うアニュアル・ミーティングの最高の舞台であるメイン・プラットフォームに登壇されていました。お世話になったあの人のようになりたい!という気持ちが沸き上がりました。
その日以来、「自分もいつかアニュアル・ミーティングのメイン・プラットフォームに登壇し、自分の経験を披露して、『もう一回やってみよう!』というメッセージを世界中の仲間のみなさんに伝えて勇気を与えるスピーチを行いたい!」と思ったのです。
それから8年経ちました。信じられるかどうかは分かりませんが、その夢が今この場所、マイアミで実現したのです。なんと素晴らしいことでしょう!
うまくいってなかったり、動揺したり、不快に思ったりするからといって、一歩踏み出すのを躊躇する人がどのくらい多くいるでしょうか?私たちは頭の中にあるそんな小さな考えをやめてしまう必要があるのです。
私はそんなみなさんを励ましたいと思っています。勇気を出して、「もう一回やってみよう!」という気持ちになって、お客様に会いに行き成長できる秘訣を伝えていきたいのです。
最後になりますが、会場のみなさん、基準達成、本当におめでとうございます。そしてアニュアル・ミーティングへのご参加という素晴らしい決断をされました。更なる成長と飛躍のために、単に記念写真を撮っているだけでなく、どうか参加者同士で会話をして、アドバイスを求めてください。たとえ僅かな時間でもその「シェアリング」があなたの人生を変えることを私が保証します。
そのためのキーワードは「もう一回やってみよう!」です。ご清聴ありがとうございました!
.jpg)
髙久 晃宇は 5回のコート・オブ・ザ・テーブルと2回のトップ・オブ・ザ・テーブルを含め、14年間MDRT会員。融資審査の経験を活かし、プルデンシャル生命で企業の財務戦略の助言を通じ、事業保障・事業承継、リタイアメント・プランを専門とする。CASIOの財団役員として発明家発掘支援活動を行っている。