
保険金受取人に会いに行く
当初は3カ月全力を尽くしてうまくいかなければやめようと思っていたという福本会員でしたが、努力の結果、生保営業マン人生は好調なスタートを切りました。しかし、ある日の深夜2時、ファミレスでの契約手続きを終えて外に出た同氏はふと空を見上げて考えました。「この先もこれをずっとやっていくのか」―その途端、達成感と同時に強い疲労感が襲ってきたのです。「続けていくためにはやり方を変える必要がある」、そう考えた彼は、昼間の時間を使って保険金受取人に会いに行くことにしました。保険金受取人は契約者の親などであることが多く、リタイアしていたり、会社経営をしていたりと昼間会いやすい人が多いのではないかと考えたためです。この読みが当たり、同氏の効率的な営業活動は軌道に乗りました。ただし、契約者に紹介をお願いすることはありません。あくまで「お父様やお母様にも保険の話をしてあげてもいいですよ」と伝えることで、すんなりアポイントが決まるのだといいます。
最高のサービスは「辞めないこと」
保険会社を退職し、仲間と保険代理店を立ち上げたのは業界に入って15年目のこと。お客さまのニーズに合わせてさまざまな商品を提案できるようになりたいと考えたのが動機でした。また、顧客に生保会社の一社員ではなく、唯一無二の担当者だと認識してもらえることも重要なポイントだったといいます。お客さまには「この仕事に就いた人が提供する最高のサービスは辞めないことなんです」と話しています。
2009年に設立した代理店は、業績の高さから、保険会社の研修に呼ばれる機会も多く、そうした中で改正保険業法の施行で保険代理店も法規制を受けるようになると知りました。メンバーはいずれも生産性の高い精鋭ばかりでしたが、規制に対応するためにはバックオフィスを強化する必要があります。顧客を守りながら仕事を続けるためには、既に出来上がっている組織に合流した方がいいと考え、メンバー全員で大手代理店に入る道を選びました。
アポイントは1日最低3件
「この仕事で重要なことは、どれだけお客さまを訪問できるかだ」と語る福本会員は、1日最低3件の訪問を自らに課しています。もし空いている時間があれば、たとえ少し遠い場所でも「近くに来たのでこれから行ってもいいですか?」と電話を入れるなど、顧客に会うための努力は惜しみません。「ヒットを打って点数を取るためには、バッターボックスに入ってバットを振る必要がある。失敗を恐れる人は多いが、失敗するからこそどうすべきかが分かる。とにかくバッターボックスに入ることだ」と強調します。訪問先となる見込客には、既契約者と同じように暑中見舞い・残暑見舞い・クリスマスカード・年賀状を何年でも送り続けています。1回カードを送るのに10万円以上かかるものの、「自分のCM代だと思えば高くない」といいます。
2カ月でTOT達成
2019年、福本会員は2カ月で12回目となるTOTを達成しました。今回はいろいろな要因が重なってのことだといいますが、彼には毎年TOTを達成するための独自の指標があります。12月から1月初旬までにMDRT基準クリア、3月でCOT基準クリア、10月でTOT基準クリア、というものです。「目標通りにいかないということは、自分が怠けているということ。お客さまに断られることが多いときには、面談回数を増やせばいい」と断言します。
TOTの達成の他に、同氏が日ごろ心掛けていることの1つに土日はしっかり休む、というものがあります。これは休養を取ることで自身を常にベストな状態に保つためで、「仕事のできない営業マンほど顧客の都合に振り回されて疲弊している」といいます。彼にとっては休むこともまた仕事の内なのです。
まとめ
福本会員は日頃から「3つのM」を重視しています。一つ目は「ミッション」。顧客や会社、家族に対する使命感です。二つ目は「メダル」。これは目標を意味します。三つ目は「マネー」。自分のファイナンシャルプランニングができていなければお客さまに説明ができないというのが理由です。この3つのMがバランスすることこそが長く仕事を続けるための秘訣だという福本会員。彼の営業マンとしての生き様は、こうした信念が道を拓くことの体現に他なりません。