オフィス内の良い行いはすべてあなたから始まります。このキャリアを選んだ者にとって、すべては自分の行動が示すと言えます。望ましい行動は自らが率先して示してください。倫理観もあなたの行動が示します。MDRTの倫理綱領は職業的な倫理にとどまらず、生きる上でも大事な指針と言えます。
また、私たちの倫理観は人にも伝わります。ほとんどの方がスタッフを採用し、アシスタントを得ることになるので自分の倫理観のみならず、チーム全体の倫理にも責任を持つことが求められます。自然に倫理のロール・モデルになります。自分の行動がドミノ倒しのようにスタッフにも伝わることを自覚してください。
クライアントに対する守秘義務の遵守は倫理観を示す大事な指標になります。MDRT倫理綱領の3番目に「顧客の事業上および個人的情報を他に漏らすことなく、秘密を厳守する」とあります。当然ながら、スタッフもクライアントに対する守秘義務があるということです。
Vanessa Y. Bucklin, MBA, CLUはモンタナ州の人口2,500人という小さな町で活動しています。小さな町では特に難しい点があります。町中の人がお互いを知っているようなものだからです。5年間会員のBucklinも「あるとき、地元のレストランでクライアントとスタッフと食事をしていたときに、その新人がレストランに当社のお客さまが来ていると言ってしまいました」
翌週月曜日のスタッフ会議でBucklinは早速お客さまに対する守秘義務は、どなたが当社とビジネスがあるということを外で話すことも含まれるとリマインドしました。
当然ながらその方の契約内容などを語ったわけではありませんが、それでも慎重になるべきだと考えています。そこで3ヶ月ごとにクライアントに対する守秘義務についてスタッフ会議で話し合うことにしています。それは小さな町だからこその気配りです。お互いをよく知る人たちだからこそ、プライベートな付き合いと仕事としての付き合いにはプロとして明確な線引きが必要だと感じています。そうした努力を含めてクライアントとの良い関係を維持しなければいけないと考えるからであり、それこそがプロ意識です。
Bucklinのスタッフは「あの方は当社のクライアント」といった漠然としたコメントですら守秘義務を犯す可能性があることを自覚し、慎重になっています。そして、間違ってもゴシップに関わらないように注意しています。マイナスのドミノ・エネルギーは膨大なので大けがをするからです。
リーダーにとっての倫理
200人以上のファイナンシャル・アドバイザー・チームのリーダーであるNilo Matunogもメンターとして、良い影響を与え、倫理的な行動をするプロになるように指導に尽力しています。この仕事を始めた当初は、尊敬できるロール・モデルを探し、自分の目標と考えて目指していました。
「最初から完璧に倫理的だったとは言えませんし、失敗から学んだことも少なくありません。失敗もしましたが、失敗のおかげでむしろ良い関係になったクライアントもいますし、プロとしての自信も生まれました」とフィリピンのTalisay Cityで活動する5年間会員は言います。自分のチームを作ろうと思ったときに、一番重視したのが倫理観でした。
MDRTの倫理綱領が最も有効なガイドラインだと感じました。新人全員に倫理綱領を配り、トレーニングの際にもたびたび引用しています。
— Nilo Matunog
「MDRTの倫理綱領が最も有効なガイドラインだと感じました。新人全員に倫理綱領を配り、トレーニングの際にもたびたび引用しています。また、リーダーになっていく人たちも同じように倫理綱領を常に参照しながら活動し、後輩を育成しているので、私のチーム全体に根付いていると感じます。ビジネスの成長を目指すだけではなく、生き方として倫理を重視しているといえます」と語りました。
2019年度倫理委員会のメンバーはJohn F. Nicholas, MSM, CLU; John R. Benton Jr., CLTC; Vanessa Y. Bucklin, MBA, CLU; H. Larry Fortenberry, CLU, ChFC; Bryon A. Holtz, CLU, ChFC; Travis D. Manning, CFP, CLU; Jean M. Mathieu, CLU; and Nilo Matunog.
What I wish I could tell my younger self
By Bryon A. Holz, CLU, ChFC
- ショートカットが長期的に有効な事例はほとんどない。
- 自分のミスを認める。ミスから学び、その結果を受け入れる。
- 付き合う相手も倫理的で優れたプロのみに限る。価値を認めない人やズルをする人と付き合わない。
- 難しい判断を迫られたときは、深呼吸をし、信頼できる人に相談し、長期と短期でそれぞれどういう将来になるかを検討する。
- クライアントをよく見て、よく聞く。自分が話をしている間は聞くことができないし、自分のことを考えていると観察できない。
- 常にクライアント・ファーストで考える。優れた取引は関わった人すべてにメリットがあるはず。
- 最初は、正直者は損をすると感じるかもしれないが、時がたつにつれて倫理的であることの価値は必ず評価され、良い結果に導かれる。
- 正しいことをすれば必ず良い結果に至る。倫理的な活動は必ず素晴らしい成功に繋がる。
- 若い人も、あなたの活躍を見ていて、いずれあなたのまねをする人が現れる。そのときに良い見本になれる人間になっておく必要がある。
- 常に明るい場所で仕事をすること。影やグレー・エリアで活動しないこと。
- 自分の家を近所で一番良い家にする方法は2つある。周りの家を全部崩壊させる方法と、自分の家を含めて近所をよくする方法。
- プロとして倫理的な行動をすることは、クライアントと家族だけに影響するのではなく、社会全体にも良い影響を及ぼすことができる。いつまでも続けられる倫理的なビジネスを築くことが大事。We need you!
- クライアントに対する守秘義務を厳守する。クライアント自慢をしないこと。クライアントに自分を自慢してもらおう。
Bryon Holzはフロリダ州の22年間MDRT会員。
