
自分が選択したマーケットのニーズを理解するために、時間と集中力をとことん費やすことでそのマーケットが直面している課題や、アプローチを開始すべき時期、または避けるべき時期、業界用語や慣習を理解することができます。
業界の暗黙のルールはその業界を専門にする以上不可欠な知識であり、クライアントに対して業界に詳しいことをアピールできる非常に重要かつ必須のツールです。
ご自身の顧客ベースからニッチマーケットを開拓または特定する方法、そしてたった一つの業界を追求する意味は何でしょう?
まずは以下を自問してください。
- 現在の顧客ベースにニッチマーケットは存在するか?
- 存在しなければ、ゼロからマーケットを作る覚悟はあるか?
- 楽しく仕事ができる業界や相手のタイプは?
- マーケットに提供できる具体的なニーズは?
- マーケットを開拓するためにどれくらいの時間を費やす覚悟があるか?
- どのレベルまで達したいか。その高さまで自力でたどり着くことは可能か?
上記はすべてターゲットを定める前に考えておくべき非常に重要な質問です。成功や現在の能力、目標を達成するために必要となるスキルや人間関係がもたらす影響をよく考えておかなければ、最終的に自分の貴重な時間を無駄にしたり、顧客関係が損なわれたり、多くの業務や商談が発生し愛する人たちと過ごす時間や休日の娯楽を奪われることになりかねません。
ニッチマーケットを追求する価値を評価するための最初のステップは、自分が特定の業界のニーズに応える具体的な商品や解決策に関する知識を提供できるかを判断することです。
私の商品は新任の医師にキャリアを通じて収入を保全できる保証付き保険を提供することに特化しています。私の国の特定のニーズに対応した商品です。
解決策は各国の業界が直面している共通の課題に対応するものでなければいけません。重症疾患、IT企業の従業員向けの任意加入制度、エンジニアリング企業などの従業員の採用とつなぎ留め、といった課題が挙げられます。
その業界においての従業員や役員のための資産保全戦略が訴訟の対象となる場合もあります。業界が抱えている共通の懸念を解消する何かが必要です。
次の質問はニッチマーケットになり得るきっかけが現在の顧客ベースに存在するかを判断することです。見込客に新規で加入いただくことに比べて、既契約者に2件目の保険をお預かりする方がスムーズだということはご存じでしょう。ニッチマーケットの構築においても同じことが言えます。
共通のクライアントを持つことで円滑に信頼関係を築け、紹介や直接勧誘、業界イベントへの参加を通して類似したニーズにアピールすることができます。
仮に、目指すマーケットにクライアントがいなくても安心してください。既存のマーケットがなければ、今のスキルや今後身に付けたいスキルを活用して自由にマーケットを構築すれば良いのです。そうすれば自分に合った人たちと一緒に楽しく仕事ができます。
もう一つの自問するべき重要な質問は「成功とは何か?成功するためにどれくらいの時間をささげる覚悟があるか?そのために喜んで支払える費用はいくらか?」です。
皆さんは「Begin with the end in mind(目的を持って始める)」というフレーズを聞いたことがあるはずです。どのレベルまで登りつめるか、そこに達するにはいくらかかるかを考慮しておくことが大切です。
エベレスト登頂が目標の人もいれば、景色がよく見える高さで十分で家族との時間を大切にしたい人もいます。個人が考え決断する内容です。
間違った選択はありません。成功をどのように定義するかを考えることが必要なだけです。あなたが追求する業界はマーケットシェアの数%で特定の分野、また具体的な収益目標にフォーカスしていますか?
さらに自分の願い通りに成功した場合のことも考えておく必要があります。その成功は家族との時間を削る必要がありますか?獲得したいクライアントをサポートするためにさらに多くの人の協力が必要ですか?営業担当やサービス担当のチームを作り管理したいと思いますか?
私は自分のマーケットである医師たちが教育や仕事でどこかに移動しても、地域性と対応力のある保険アドバイスを提供できる全国規模のプラットフォームを構築することに取り組んでいます。コミッションの問題ではありません。クライアントのニーズと環境に対応したビジネス・モデルの整合性が重要だからです。
この選択により私は自宅に帰れない夜が何日もありました。失った時間は二度と取り戻せませんが、妻と家族のサポートのおかげで仕事をすることができました。家族は私が登る前からどんな山道になるかを分かっていました。
ニッチマーケットを確立するヒント
- クライアントと共にその業界で存在感を確立する。
- 小さい組織の方が協労を受け入れやすい。
- 業界紙を購読してその業界の知識を深める。
- 地域の業界団体に展示ブースを出してベンダーとして参加し会議に出席する。
- クライアントのさらなるニーズを見極め、満たすことで自分の存在価値を高める方法を模索する。
- 時間を要する仕事だと覚悟する。
David Blake、ニューヨーク州の19年間MDRT会員連絡先:dblake@insmedinsurance.com。