
Illustration by Chun Kim
チームは疲労困憊で私自身もバーンアウト(燃え尽き)状態です。回復できるか分かりません。少なくともチームの大半は1年以上150パーセントの力で仕事に取り組んできました。
変化が必要?本当にそうでしょうか?3ヶ月間で3度の大きな変遷を経ました。皆いら立っています。Susanはたぶん退職すると思います。
チームですか?私たちは同じビルで働いていますが、パソコンを起動して停止するだけの場所です。できれば早くここから出て行きたいです。
ベストな状態の時であっても、チームワークを築き、うまく機能する状態を維持することは大変です。チームが燃え尽きていると非常に難しいです。でも、方法はあります。
STEP ONE
最初のステップは事実をリストアップし、受けとめることです。
- 仕事の許容範囲や目標はひとそれぞれ違い、家庭と職場に求めるものもさまざまです。
- チーム全員が同じバーンアウトを経験しているわけではなく、多くの場合、均等な仕事配分がなされていません。人より疲弊している人もいるはずです。
- リソース不足を優れたチームワームで短期的に補うことはできます。しかし長期間働きすぎのチームは、しばらくすると気力や体力消耗の兆候が現れ始めます。
- リーダーがチームとして何をするべきかに確信が持てない場合や、毎日全力を尽くしていない場合、メンバーはそれに気付きさまざまな反応を示します。その反応は良くても、ニュートラルな姿勢でしょう。
- チームの透明性は重要です。人は秘密にされることを嫌い、嘘をつかれることはもっと嫌います。
- 論理的なフローや変更内容の公平性があり、かつ不必要な混乱や要因がない場合を除いて、一度に複数の変更はたいていうまく行きません。
- やむを得ない場合、対応しづらい問題は放置します。チームが水面下の課題に誠意をもって取り組む準備ができていない場合はチームを守ることは難しいでしょう。
- チームのコンディションについてはメンバーの感覚が真実です。仮に反論するのに十分なデータがあったとしても、メンバーが耳を傾けデータを信じるまでは彼らの主張が事実です。
STEP TWO
最低限の事実をしっかりと把握できたら、次のステップではうまくいっていること、いっていないこと、そしてなぜかをじっくり綿密に検証します。
- 全員がチームのミッションを理解し支持しているか?
- 業務配分は公平か?
- 人によって業務が偏っていたり手が空いていないか?
- チーム内でけんかをしていないか?
- 人間関係のトラブルはあるか?その原因を知っているか?
- チームのバーンアウトは最近生じたか、または長い時間をかけ徐々に進行したか?
- バーンアウトは内的要因によるもの、外的要因によるもの、またはその両方が重なった結果か?
- チームの中でこれまでに上司にだまされたり、嘘をつかれたことがある人はいるか?
これらの質問は氷山の一角であり、調査をスタートするためのアイディアに過ぎません。バーンアウトから回復する過程において、適切な質問をすることは行動を起こすことと同じくらい重要です。
適切な質問をすることで、誤って全く別の症状や病気の治療をする可能性を減らすことができます。
STEP THREE
現状をきちんと把握し他の人と調査内容を検証し、次は何ができるかを考えていきます。現状とは違った良い状態をイメージする近道は、さらに質問を重ねることです。
- チームが組織にとって重要な理由、私たちが提供している価値とは?
- 仕事はどういう存在であってほしいか?
- 仕事で夢中になれることや楽しめることは何か?
- 成果物、作業工程、対人関係にどのような変化が必要か?
- 現状維持すべきことは?
- 各チームメンバーに求めるパフォーマンスのレベルは?
- そのレベルに達していない場合の対応は?
- 追加すべきリソースは?
- 透明性とコミュニケーションを高めるために何ができるか?
- 改善が見られた場合、どのようにたたえるか?
- 成功とはどういう状況か?
STEP FOUR
現状と今後の方向性について明確な考えを持てたら、次のステップでは優先順位を決めます。多くの場合バーンアウトは一晩では起こりません。バーンアウトに至るまでのプロセスは長く、落ち込みや不運、不幸な境遇などが連続して起こることを特徴とします。それゆえ、回復までのプロセスも長期間に及ぶことがほとんどです。
実際にステップ3で特定された要素のいくつかをチームは長い間あるいは今まで自覚していなかったかもしれません。一晩で回復することはほぼありません。ポイントはステップ1で述べられた真実を念頭に置きつつ、ステップ2で明らかにした実態から脱してステップ3でイメージした未来を手に入れるアクションプランの優先順位をつけることです。
STEP FIVE
バーンアウトの回復プロセスにおける最終ステップは、計画的なコミュニケーションプランを立てることです。情報を丁寧過ぎるほど説明し何度も共有することが必要だと認識してください。一度では足りません。
また、すべての回復プロセスが一直線とは限りません。チームの調子が良い日もあれば悪い日もあります。重要なのは時間をかけて良い方向に前進することです。一連の成功を経た後、チームに残っているメンバー全員のバーンアウト状態が和らぎ、以前よりもっと自分の仕事にやる気を持てるはずです。
以上5つのステップをうまく活用すれば、バーンアウトに苦しんでいるチームメンバーのトリアージを瞬時に行えるようになります。バーンアウトは組織全体にまん延する可能性があります。そのため、問題に気付いたらすぐに応急処置キットを取り出し、業務に悪影響が出る前に問題を緩和しましょう。
Kate Zabriskieはメリーランド州を拠点とする人材開発企業Training Works Inc. の代表を務める。詳しくは下記のウェブサイトをご覧ください。businesstrainingworks.com。