
2020年は誰にとっても異常な年でした。アドバイザーは創造力を発揮し、新たなクライアント・サービスを模索することが求められました。その結果、昨年は「お金以上に大切なもの」に関する話題に発展する機会が多々ありました。日常茶飯事だったことが経験したことがないレベルで奪われると、人は恐怖にとらわれます。恐怖や不安を感じると本当に価値を感じる人や物にすがりたくなります。MDRTはホール・パーソン・コンセプトと呼ばれるコア・バリューを提唱しています。昨年私たちを支えてくれたのはまさにこのコンセプトでした。
さかのぼること2019年。私たちのチームは翌年度に向けたテーマを話し合っていました。まだ2020年に何が待ち構えているかを知る由もありませんでしたが「ホール・パーソン・コンセプトをクライアントに届けよう」と決めました。それが具体的にどのような形になるかは誰にも想像できませんでしたが、協力してやり遂げることを誓いました。当時は分かりませんでしたが、それは本当に正しい選択でした。通常クライアントとの面談では、お金の話に多くの時間が割かれます。ところがお客さまはお金とは違う問題で打撃を受け、幸福が破壊されかねない状況に発展することもあります。そこで私たちは「満足度調査」を実施してお客さまに「ホール・パーソンとしてどのレベルに相当するか」を測定していただきました。この調査は、お客さまとの絆を深めるのに役立っています。調査項目のいくつかをご紹介します。
「人間関係」に関する満足度
- 配偶者、子ども、両親、兄弟姉妹とどれぐらい充実した時間を過ごしていますか。
- 経済的な問題が原因で、自分にとって大事な人との関係にストレスや緊張が生じていますか。
「健康」に関する満足度
- 全体的な健康状態。
- 経済状態はどの程度心理的に影響しますか。
「精神的状態」に関する質問
- 毎日、祈りや瞑想をする穏やかな時間がとれているか。
「サービス」に関する満足度
- 金銭以外の寄付(時間的な貢献)
- チャリティへの寄付
「教育」に関する満足度
- 自分の教育レベル、継続的な勉強
- 金融に関する教育レベル
「キャリア」に関する満足度
- 現在の仕事もしくは経歴。
- 現在の仕事やキャリアが将来的に成長する可能性。
- 従業員として受け取る福利厚生のレベル。
「財務」に関する満足度
- 自分の財産に関する遺言書の有無
- 個人的な会計簿や出納記録の管理方法
多くの場合、これらの分野はお金に関連しますが、お客さまとの面談では「お金以上に大切なもの」に通じるドアを開く鍵にもなります。お客さまの個人的な経済状況だけにフォーカスするのではなく、暮らし全般に関する本音を測定することができました。思いもかけないことでしたが、新たに設定したテーマはまさに完璧でした。今後もこのアンケートを続けるつもりです。
より強力で永続的な人間関係を構築し、私たちはお客さまの信頼に足るアドバイザーになることを目指しています。不確実な時代だからこそ、皆さんにはクライアントとの信頼間に一層深い絆を感じていただきたいと願っています。これまで以上に私たちの存在が求められています。

Juli Y. McNeely, CFP, CLUは卒業後コーチングをしていましたが、1996年にファミリー・ビジネスであるMcNeely Financial Servicesに参入しました。2016年には“No Necktie Needed: A Woman’s Guide to Success in Financial Services(ネクタイは不要。女性がファイナンシャル・サービスで成功するためのガイド)”を出版し、より多くの女性が金融サービスの仕事で活躍することを願い、応援しています。