
中島歩夢会員が生保営業と出会ったのは6年前。大学卒業後入社した損保会社で法人営業や研修生の育成などを担当したのち、出向先の銀行系代理店で本格的な生保営業に触れたことがきっかけでした。当初は戸惑いを感じていたものの、生保ならではのやりがいを感じるうちに、2年の予定だった出向が5年に延び、いよいよ本社からの異動の話が来たことを機に、誘いのあったコンサルティング会社への転職を決意。2020年3月、51歳での決断でした。これまでのMDRT登録回数は5回のうちCOTが1回、TOTが3回を保有し、神奈川ブロックに属しています。輝かしい業績を持つ中島会員ですが、これまでの契約は全て以前の職場に置いてきたため、ゼロからのスタートとなりました。コロナ禍という想定外の事態も前向きに捉え、YouTubeを使い新たな顧客ネットワークの創出にも積極的に取り組む中島会員に、生保営業に対する思いと今後のビジョンについて聞きました。
損保会社社員だからこそ感じた生保の魅力
20年以上損保に携わってきた中島会員にとって、生保営業のスタートは決してスムーズなものではありませんでした。母体の銀行の融資先を回る営業ということで、行けばすぐに契約がまとまるのかと思っていたら、実際には銀行が融資をお願いしている先ということで、当然のように訪問先の方が上の立場にありました。最初から生保の話ができるわけもなく、中島会員は試行錯誤の結果、得意な損保の話で顧客の信頼を得た上で生保の話を聞いてもらうというスタイルを編み出し、少しずつ業績を重ねていったといいます。厳しい船出ではあったものの、生保の仕事を始めて気付いたことがありました。それは、企業訪問時にかなり高い確率で社長に会えるということ。損保の場合には総務部長が対応するケースがほとんどだったため、新鮮な驚きでした。さらに、契約をお預かりした際に、その社長に「ありがとう」と感謝されることにも驚きとともに大きなやりがいを感じたと言います。生保営業の醍醐味を感じるようになると同時に業績は伸び、ついにMDRTの入会基準を達成した中島会員は、イベントなどを通じて出会ったMDRT会員が放つ輝きに魅せられ、生保営業という仕事により強く魅力を感じるようになっていきました。
「どうすればTOTになれますか?」
MDRT会員となった中島会員は、初めて参加したMDRTの大会の会場で、一人、独自の活動を始めました。それは、参加者の中に「TOT」のタグを付けた人を見つけては、駆け寄っていって「どうすればTOTになれますか?」と訊いてまわる、というものでした。唐突な質問にも関わらず、鷹揚な態度で質問に答えてくれるTOTメンバーの姿に、中島会員は大いに惹き付けられたといいます。最初の大会で教えてもらった「TOTの世界大会では参加者が配偶者と共に参加し、夜な夜なダンスパーティーを楽しむ」という話は、その後の大きなモチベーションとなりました。業務の中でも、TOTメンバーの言葉は常に中島会員の背中を押してくれました。例えば、世界大会でのトニー・ゴードン氏の講演で「外科医は手術の時、自分で患者を運んだり、器具を準備したりはせず、全て準備されたところに登場して手術をする。あなたも事務処理は人に任せて、あなたでなければできない仕事に集中すべきだ」という話を聞き、さらに「講演でどんなに良い話を聞いても、24時間以内に実践しない人は永遠に実践しない」と畳みかけられたことから、その日のうちに米国から会社へ国際電話を掛け、他の人に事務を任せる体制を整えたといいます。「今日の自分があるのは、尊敬する先輩方の教えを聞き、実践する、というサイクルを繰り返してきたからこそ。MDRTの大会では、あえて一人で行動することでたくさんの方からアイデアを教えてもらえるので、若い人たちにもぜひおすすめしたい」と笑顔で語ります。
「YouTube始めました」
新天地での活動はコロナ禍によって、取引先へのあいさつ回りさえままならない環境でのスタートとなりましたが、大きく環境が変わった今だからこそ営業手法も刷新する必要があると考えた中島会員は、12月からYouTubeに動画の投稿を始めました。動画は1本あたり約5分。企業向けに、保険についての考え方やアイデアを紹介しています。法人マーケットを持っていても、法人向けの生命保険についてはカバーしていない保険代理店と提携し、この動画を紹介してもらうことで、共同募集につなげていくといいます。これまでは1軒1軒への訪問で話していたことを動画にすることで、事前に中島会員のことをある程度知ってもらい、その上で面談につながれば、中島会員・提携先・顧客の3者にメリットがあるのでは、というのが中島会員の目論見です。動画は会社の休憩室で、動画制作経験のある同僚に撮影してもらっているという中島会員。これまでに何十回と講演を経験してきたものの、カメラの前で一人で話すことの難しさは想像以上だったと苦笑いしながらも、「今後は発信力を高めることで、お客さまの方から手を挙げてもらえるような状態にしていきたい」と語るその目は新たな挑戦に燃えています。
まとめ
「転職後はコロナ禍ということもあり、以前のようなペースで業績が伸びない中、焦りから「数字が欲しい」と思うこともあるが、そう考えて行動すると必ず悪い方向に行く。そんな時はその人が自分の家族だったらと考えて行動を修正するんです」という中島会員。「常に顧客に寄り添う姿勢」こそが成功への唯一の道であることを身をもって知っている中島会員は今、先輩たちの教えと誇りを胸に、新たなステージへの一歩を踏み出しています。