
錢谷敦会員は今年初めてTOT基準を達成しました。生保営業の世界に入って20年、所属会社にとっても記録となる大型契約によってCOT基準を飛び越えての快挙です。近畿ブロックに所属し、これまでのMDRT登録回数は17回。前職の生協で学んだ相互扶助の精神を胸に、出会った人とのご縁を大切に育ててきた錢谷会員にとって、TOTの達成ははるかに上の目標だったと言いますが、実際に契約をお預かりした後には不思議なほど冷静に受け止めている自分がいたと振り返ります。TOT達成までの道のりやこの仕事に掛ける思いについて聞きました。
親の死で進学を諦める子どものいない世界を目指して
錢谷会員の前職は、ならコープという市民生活協同組合の職員です。社会貢献度の高い仕事に誇りとやりがいを感じていた錢谷会員は、保険会社からスカウトの電話が来たときにも、転職する気は全く無かったと言います。それでも一度話を聞いてほしいというリクルート担当者の求めに応じて向かった先で、錢谷会員は人生の転機を迎えます。「世の中には早くに親を亡くし、進学の夢を絶たれてしまう子どもたちがたくさんいます。そういう子どもたちを一人でも減らすためには、正しく生命保険を販売できるプロフェッショナルが必要です。錢谷さんが生協で培った力を生保営業の世界で使ってみませんか?」という担当者の言葉に錢谷会員の心は強く揺さぶられました。前職への愛着やフルコミッションセールスへの不安はあったものの、当時新婚だった妻の「一度しかない人生、やりたいことをやったらいいんじゃない」という言葉に背中を押される形で転職を決意。入社後1年でMDRT会員となって以降、現在まで毎年入会基準を達成してきました。今では法人・個人ともに多くの顧客を抱える錢谷会員ですが、「親の死で進学を諦める子どもを減らしたい」という活動の原点は今も変わりません。
紹介は「逆指名」で
錢谷会員の顧客の多くは税理社や弁護士、司法書士、公認会計士等、いわゆる士業の方々です。2005年に紹介で知り合った税理士の方をきっかけに、人脈を広げてきたと言います。顧客の法人から税理士を紹介してほしいという依頼も多く、紹介が紹介を呼ぶ形でマーケットは広がっていきました。士業の方は多忙な人が多く、担当企業に対しては「社長の生命保険をちゃんと準備してください」と指摘している公認会計士も、いざ自分の事となると後回しにしているケースが多いため、人間関係を築いた上で、「ここで一度ご自身のことをしっかり考えましょう」というと高確率で応じてくれるといいます。
多忙な士業の方への提案では効率性が求められます。基本的には契約までの面談は3回、数値をベースに理論的に説明することを心掛けていれば、もともと人生のリスクについて造詣が深く、頭の回転も決断も早い人ばかりなので、契約までスムーズに進むそうです。
士業の方と深く関わることには、企業等の紹介が増えるというメリットもありますが、銭谷会員は「ゴマをすって紹介をもらうという関係ではなく、あくまで対等な関係でありたい」と言います。また、紹介を依頼するときには、下調べをして、紹介してほしい企業を逆指名するなど、具体的に依頼することで成功率が高まる、とそのポイントを語ります。
TOT達成で見えた次の目標
TOTを達成するきっかけになった大企業の大型契約も、士業の方からの紹介がきっかけでした。ただその時は士業の方に財務担当者につないでもらったところで話が止まってしまったそうですが、その後、東京で事業を興した前職時代の上司が偶然その会社の顧問を務めていることが分かり、つないでもらうことが出来ました。プレゼンには公認会計士に同席してもらい、提案の裏打ちをしてもらうことで、すんなり納得してもらえたと振り返ります。5年分で数億円に及ぶ保険料の契約です。プレゼン前には「契約がまとまったらお祝いしよう」と考えていたそうですが、いざ契約が決まってみると、これまでの契約をお預かりした時と変わらない、不思議なほど冷静な自分がいることに気付きました。「昔読んだ矢沢永吉の本に、“プロの歌手は日本武道館でも地方の公民館でも同じ汗をかく人でなければならない”という趣旨の言葉があって感銘を受けたが、今回の契約でその意味を実感した。TOTになれたのは、地道にやるべきことをやってきた結果だと思う」と真摯に語ります。TOT基準を達成したことで、1度のTOTが目標の達成ではないということにも気付くことが出来ました。錢谷会員は、来年もまたTOT基準を達成するために、今回の契約を契機としたマーケットの拡大に着手しています。
まとめ
「僕が本心で思うのは、子どもたちが笑顔でいられる社会のために貢献したいということ。子どもが不幸な出来事に直面した時、この世にウルトラマンもタイガーマスクもいないなら、僕がその助けになりたい。この気持ちが途切れたら、それが仕事の辞め時だと思っている」錢谷会員は、この仕事への思いをそう語ります。社会貢献への強い気持ちをバネに、錢谷会員はさらなる高みを目指して動き始めています。