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どのアドバイザーにも1日に同じ時間しか与えられていません。時間管理の助言やヒントはたくさんありますが、いずれも一部の仕事を削らなければ実現できません。アドバイザーの時間をコスト分析すると、直接の収益が見込めない仕事が削除の対象となります。これには特定のクライアントが含まれる可能性があります。

しかし、クライアントを切るという行為をためらい、他のソリューションに目を向けるアドバイザーもいます。例えば、セミリタイアしたアドバイザーや仕事を始めたばかりの新人にそうしたクライアントを移管するなど、受け入れ能力がありそうなアドバイザーを探すことです。またテクノロジーを活用した解決方法にたどり着いた方もいます。

クライアントと新人アドバイザー双方にとってのチャンスをつくる

Anthony G. Engrassia, ChFC, LUTCF(ノースカロライナ州、25年間会員)は、一部のクライアントに対してやりがいや情熱を感じることができなくなりました。そこである日、時間をとってクライアントごとに得られる報酬から逆算してどのくらいの価値があるかを計算してみました。その結果、一部のクライアントには不当な低賃金で働かされていて、約半数のクライアントにはこれ以上時間を費やしても金銭的な利益が出ないことが分かりました。

「彼らにとっても、私たちにとってもフェアではありません。情熱を持つことができないので、私独自の能力を発揮することができません。決断を迫られました。彼らとの関係を絶つか、あるいはアソシエイト・アドバイザーに引き継ぐか」とEngrassiaは回想します。

その結果、後者のソリューションを選び、発展性がないクライアントを新人アドバイザーに引き継ぎました。Engrassiaはクライアントの保全を新人に移管して今後の彼の役割をお客さまに説明しました。今後はこの若手アドバイザーが担当者であることをはっきりと認識させることが重要だったと強調しました。

私が初めてのスーツを買ったのはリサイクル・ショップのGoodwillでした。底辺にいる気持ちを知っています。
— Anthony G. Engrassia

というのも、クライアントは質問があると相変わらずEngrassiaに連絡をしてきました。これは最大の難問でした。そこで移行期間をサポートするために、Engrassiaはアソシエイト・アドバイザーを経由して回答し、アソシエイト・アドバイザーが電話で回答を伝えるようにしました。

「私が直接折り返しの電話をすると、2日はかかります。一方、アソシエイトに電話をすればその場で答えを得ることができます。私に電話しても、回答がすぐには得られないという不便さをクライアントに周知徹底させることが必要でした」

これ以外にもクライアントにとってメリットがあります。定期的なコンタクトの回数も増えます。以前はあまり収益の見込めない顧客へのコンタクトは年に1回程度でした。しかし、アソシエイト・アドバイザーは3ヶ月ごとにコンタクトをとります。新規の顧客も直接アソシエイト・アドバイザーに回すことがあります。

このような関係から恩恵を得るのはクライアントだけではありません。アソシエイト・アドバイザーにもメリットがあります。Engrassiaはアソシエイトと毎週会議を開き「今後どの顧客関係を発展させるべきか、どの見込客をフォローすべきか、時期はいつか」などを話し合います。

このような展開はEngrassiaが新人だった頃の状況に由来しているのかもしれません。Engrassiaも最初はあまり展望の見込めないクライアントを担当しましたが、ビジネス・チャンスがどこにあるかを理解するのに役立ちました。

「1990年にこの仕事を始めたとき、私の全財産は$6,000しかありませんでした。初めてのスーツを買ったのはリサイクル・ショップのGoodwillでした。今でもそのときのジャケットを会議室の壁に掛けてあります。底辺にいる気持ちを忘れないように。収益の見込めない顧客のおかげで、今の私がいます」

下から 50% の顧客は、収入の 5% しか生み出しません。
— Adam Rex

またクライアントをブロンズ、シルバー、ゴールドにレベル分けし、ブロンズとシルバーのクライアントの多くをアソシエイトに任せました。(第2オフィスでもアソシエイト・アドバイザーを雇い、同等のクライアントを任せました)これにより時間的に解放され、プラチナやゴールドのクライアントに集中できる時間が倍に増えました。

「クライアントから『以前は2ヶ月待たなければ君に会う時間をとってもらうことができなかった』と言われました。十分な関心を向けてもらっていないと感じていたのです。私は『おっしゃる通りです。だから改善に着手しました。これからはご不自由な思いをさせることはありませんのでご安心ください』とお返事しました」

セミ・リタイアしたアドバイザーと提携

Adam Thomas Rex, CFP, AIF(バージニア州、11年間会員)はCRMを利用してクライアントに対応した平均時間を追跡しました。その結果をコンサルタントと共有し、「収入目標を達成したいなら、顧客リストの選抜を行うべき」との助言を受けました。

「上位20%の顧客から80%の収入がもたらされる、という法則は有名です。この他に『5と50のルール』があるのをご存じでしょうか。下から50%の顧客は、収入の5%しか生まないという法則です。数字を見たとき『これはまずい。時間を浪費するばかりで収入につながらない』と感じました」とRexは回想します。

当初、Rexはテクノロジーの導入によって問題を解決しようとしていました。しかしロボットが完璧なソリューションを提供できるようになるのを待つよりも、人間的な手段を模索しようと決めました。共同でファミリー・ビジネスを営む兄のBryan Rex, CFP, ChFC(19年間会員)と相談して「セミ・リタイアした父親が適任ではないか」と考えました。CFPの資格を持ち、会社の創設者です。ところが、あまりにも深く事業に関わっていたため、逆に理想的なソリューションを提供できる人物ではありませんでした。

「何を成し遂げるべきかを考えた結果、『ファイナンシャル・プランニングにしっかり関与することが重要だ』と判明しました。うまい言葉が見つかりませんが、時間の枠に値札を付けるという施策が導きだされました。クライアントはX時間に対してXドルを支払い、ファイナンシャル・プランニングというサービスを手に入れます」

Rexと兄は最初若手アドバイザーを採用することを計画しましたが、実際は正反対の候補者に注目しました。すでにキャリアを成功させて今はセミ・リタイア中の別のCFPでした。彼の望みは自分のペースで仕事をすることでした。兄弟はスタディ・グループでこのCFPに接触し、ファイナンシャル・プランニングとコーチングに興味があるかどうかを尋ねました。答えはイエスでした。彼はブローカー・ディーラーを介してRexの会社と合同の免許コードを取得しました。

その後、Rexと兄に発見がありました。彼らの理想的な顧客のプロフィールは、投資可能な資金が約500万ドル以上ある経営者ですが、多くの顧客は「自分の子どもに基本的な保険を準備する手助けをしてほしい」と希望していました。401(k)、IRA、所得補償保険、生命保険などです。

これらのクライアントには、先のCFPを紹介してコーチングを依頼しました。CFPが年に4回の会議もしくはチェックインを行い、データ収集から始まって情報提供、コーチングへと移行します。契約期間は1年ですが、クライアントが希望すればコーチングを継続し、翌年も新たなファイナンシャル・プランニング契約を結ぶ場合もあります。

「まだ2年しかたっていないのでデータは十分ではありませんが、このソリューションに対して予想以上の紹介が集まっています」とRexは言います。

コーチング・プログラム導入後の最大の成功事例は、あるトップ・クライアントから娘さんへのコーチングを依頼されたことです。お母さまから連絡をいただき「娘の経済観念がすっかり変わった」と大喜びされました。人生で初めて自分で請求書を支払い、お金をため、親から金を無心することを止め、退職後のプランを持ったそうです。

半分の時間で生産性が維持できることを知り開眼しました。
— Jonathan Peter Kestle

これに対しRexは「短期的な達成目標と責任を持つことが秘訣だ」と分析します。「CFPと3ヶ月に一度面談し『そう言えば、前回個人退職金勘定を開設するというお約束でした。もう実行されましたか』と確認されるのです。やらないわけにはいきません」

このプログラムではRexの会社もコーチも、資産をお預かりしたり、運用することはしません。その方が客観的にコーチとしてのアドバイスに専念できます。父親がほぼ仕事からリタイアした今、Rexはベストなクライアントと過ごせる時間がいかに貴重かを痛感しています。Rexはクライアントを1A、A、B、Cの4カテゴリーに分類しました。「1AとAのお客さまに対しては面談や電話で直接応対したいと考えています。今年立てた目標はこれらのお客さまへの対応を10%増やすことです。今のところ順調に目標に向かっています」

デジタル・アシスタンス

クライアントをカテゴリー別に分ける場合、収益の見込めない顧客と距離を置くことによって時間の不足を解決したいという意図があります。しかしJonathan Peter Kestle, CLU, B Com(カナダ、7年間会員)を始めとする一部のアドバイザーは、クライアントを分類するという選択を止めました。その代わり全クライアントを対象として、時間のかかる作業を自動化することにしました。

「昔から言われている基本に立ち返るようにしています。つまり『問題にはプロセスで対処せよ』です。お客さまがファイナンスという旅程のどの辺りにいるかを特定し、探るためのプロセスを開発しました」とKestleは言います。

このプロセスは時間の有効活用につながる一方、改善をもたらす一歩を発見するきっかけにもなりました。Kestleの会社は「確実なリターンが見込めるならビジネスに再投資すべき」という信念を持っています。その一例が大学生を対象とした夏のインターンシップです。夏休みで帰省していたある学生は、数学を専攻していました。彼には明確に定義されたプロセス、もしくは意思決定のフレームワークに基づいたプロセスをエクセル化してもらいました。この試みは成功し、他のアドバイザーや会社からも反響がありました。そこでKestleは投資を行い、ソフトウエア・ツールとして開発することにしました。「インターフェース上で情報を収集して入力すると、大きなエクセルのシートに一括で表示され、予測値を計算します。レポートも自動作成します」とKesleは説明します。これまでは1件の退職プランの予測を文書化する作業に4、5日かかっていましたが、わずか1時間で作成可能となりました。このようなプロセスを確立したことにより、半分の時間で同等の生産性が達成できるようになりました。節約した半分の時間を使って、Kestleは新たなソフトウエアの開発に着手しています。「半分の時間で生産性が維持できることを知り開眼しました。自分の時間を今まで通り100%使えば、200%の生産性を達成できることになるのですから」とKestleは自信をのぞかせます。

Kestleのソリューションはクライアントをチームの誰かに移管したり、外部のコーチを雇う方法ではありませんが、「時間を節約して生産性を向上させる」という目的においては同じです。皆さんも時間の使い方を見直し、それに従ってタスクをシフトしてください。

CONTACT

Anthony Engrassia tony@wmsnc.com

Jonathan Kestle ejonathan@ianmoyer.com

Adam Rex arex@cfspro.com

Sarah Steimer
Sarah Steimer
2021年6月25日

荷物を軽くする

アドバイザーとして収益の多いクライアントとタスクにシフトする3つの方法
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著者

Sarah Steimer