金融サービス業界は絶好調なときでも何が起きるか分からないため、皆さんの能力が試されます。
受賞歴のあるレジリエンス(精神的回復力)の専門家Heidi Deningは最近のパンデミックでアドバイザーも今までのやり方を変更しなければなりませんでしたが、もともと金融サービス業界で働くことは絶え間ない市場変動から来る不確実性に満ちていたと言います。「永遠に適応することが求められます。前進するためには勇気とリーダーシップが必要です」と語りました。
毎朝起きて今日はどんな日だろう?何を変えれば良いだろう?どうすれば成功し続けることができるだろう?と考えるにはたくさんの勇気が必要です。恐れて動けなくなったり、難しくてできそうにもないと先延ばしにする方がよほど簡単だからです。
Deningはビジネスにおける勇気には身体的、社会的、知的、道徳的、感情的の5つのタイプがあると述べます。それぞれのタイプを理解することにより、私たちはリーダーシップのスキルと能力をきめ細かく調整することができるようになります。
勇気というとまず思い浮かぶのは身体的な勇気ではないでしょうか。救助隊員や警察などの第1応答者に見られる勇敢な態度です。彼らにとっては自然に湧き出るスキルですが、金融業界で働く人がこのタイプの勇気を発揮する場面はほとんどありません。
社会的勇気を示すとは、社会的に排除されたり仲間から拒絶されたりするリスクを負うことです。ビジネスにおける社会的勇気とは、グループ内の人気者になるためではなく、最善の決断であるという事実に基づいて行動することです。
道徳的勇気とは自分が信じていることのために立ち上がることです。道徳的な勇気を持つ人は言葉より行動の方が雄弁で、しばしばロールモデルと見なされます。このタイプの勇気は人を採用するときにも重要です。技術的には非常に優れていて多くの売り上げを上げてくれることが分かっていても、組織の文化に合わないようなときに発揮したいスキルです。
知的勇気とは既成概念にとらわれず現状を打破することです。今までやってきたことが今後も通用するとは限りません。人を惹きつけ、人間関係を育むにはどうしたら良いか、これまでとは違う観点で考えることが重要です。このスキルは世界が大きく変化し、今後も変化し続ける現代において特に役に立ちます。知的な勇気がなければリーダーの地位に就くことはできません。
感情的勇気とは物事に対して自分がどう感じているかを受け入れ、自分をさらけ出して真実を語りそれに誇りを持つことです。歴史的に世界ではストイックなリーダーが称賛されてきましたが、Deningはより感情的なリーダーシップへのシフトが必要だと考えています。そのような人たちが人間、リーダー、同僚として劣っているわけではありません。勇気が十分にあるので「正直に言います。私はつらい思いをしています」と白状することができます。
それぞれの勇気を把握したら、次はセルフ・リーダーシップ・スキルを身に付けてください。セルフ・リーダーシップとは自分の人生の運転席に座り、自分が信じる明るい未来に向かって日々決定を下すことです。優秀なリーダーになり良いチームに慕われるためには、まず優秀なセルフ・リーダーになる必要があります。セルフ・リーダーシップの戦略を取り入れることで恐怖心から解放され、レジリエンスを高めて直面する問題に本能的に反応するのではなく戦略的に対処することができるようになります。
セルフ・リーダーシップを優先しレジリエンスを高めることでストレスにうまく対処して変化にもっと適応し、楽観的で失敗を恐れない勇気を持つことができます。レジリエンス・プランを構築すれば不確実な金融サービスの世界を乗り切る助けになるでしょう。
レジリエンスのプラン
Heidi Deningのレジリエンス・スコアカード(heididening.com/resilienceで対話式のクイズに挑戦)を使って現在のレジリエンス・レベルを測定してください。それを踏まえてレジリエンス開発プランの5つのステップに挑戦することができます。
1. キャリアを積む上でレジリエンスがなぜ重要か — レジリエンスを高めることで皆さんの創造力と不屈の精神は強化され目標以上のことを達成することができ、また仕事と私生活のさまざまな責任をもっと楽にこなすことができます。
2. 原因を明らかにする — 生活の中でレジリエンス向上のアクティビティを妨げているものはありますか?例として年老いた両親の世話、幼い子どもの世話など。
3. できていることを認める — 既に実践している良い習慣は何ですか?例えば午後の散歩や継続的な学習をしているかもしれません。
4. 盲点を見つける — 無くした方がいい習慣はありますか?深夜までネットを見たり、糖質の高いものを毎日間食していませんか。
5. レジリエンス・リストに従う — 心身ともにベストな状態でないとリーダーシップを発揮するのは難しいものです。レジリエンス・リストを強化するため生活に取り入れるべき5段階の方法をご紹介します。これに従えば困難な状況下でも前進し続ける自信と能力を身に付けることができます。
- 毎日:1日に10分間じっとする。
- 毎週:週一で楽しいことを1時間する。
- 毎月:月一でゆったりとした1日を過ごす。
- 四半期ごと:四半期に一度、長めの週末を利用して好きなことをする。
- 継続的:あなたを笑顔にする人、ハートが温かくなる人、自分を賢くしてくれる人ともっとつながる。
Contact: Heidi Dening heidi@heididening.com