
チームを管理し導くプロセスは手間がかかり、配慮や努力を必要とします。問題を起こしてほしくないからといって職務記述書や業績評価だけに頼り、マネジメントを単純化するべきではありません。チームが活動する社会的な環境にも目を向けるべきです。
人はどこかに属していたいという基本的な欲求を持ち、周りの状況にとても敏感です。脳は脅威を最小化し恩恵を最大化しようとするので、ワーキング・チームなどの社会的グループの中で良い評判を保ち社会的に排除されることを避けたいと思うのは自然なことです。
他者の感情や社会的な欲求を考慮することは、お互いを理解して協力する仕組みを作る上で非常に重要だと言われています。
これはタスク、KPI、締め切りがチーム・パフォーマンスを高めるカギであるという考え方と大きく異なります。
チーム内のメンバーが社会的な排除を経験し苦痛を味わうと争いや逃避的な行動、かたくなな態度を示すようになります。そのようなリアクションは他のチームメンバーに伝わり、結果として危機感を招くかもしれません。
社会的に排除されていると感じる主な原因はどこにあるのか、理解する手がかりとしてSCARFモデルが参考になります。ここで紹介する5つの領域は人間のさまざまな感情に影響するので、SCARFモデルを活用して共通言語を作り自分と他人の行動に対する理解力を深めることができます。
Status(地位、立場): 他の人と比べて重要であるという感覚
Certainty(確実性): 明確さを求める気持ち
Autonomy(自律性): 自分の人生は自分でコントロールするという感覚
Relatedness(つながり): 他者とのつながりや安心感
Fairness(公平性): 人と人との公正で先入観のないやり取り
私たちはリーダーとしてチームメンバーに影響を与える存在なので、彼らを理解するために投資する必要があります。信頼してくれる人たちにプラスの影響を与えることも、マイナスの影響を与えることも私たち次第です。
Susanne Bransgroveは国内外のイベントで講師やパネリストとして活躍しており、家族経営のビジネスなどチームに内在する複雑な問題の解決に熱心に取り組んでいます。連絡先は sb@susannebransgrove.com.
この記事はラウンド・ザ・テーブル誌2021年9/10月号 からの抜粋です。"Managing your 'little monsters'” 邦題は内在する「小さなモンスターを飼いならす」"職場での疎外感を減らす方法を学ぶには click here.