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十人十色の“顧客を大切にする”営業スタイル
十人十色の“顧客を大切にする”営業スタイル

6 29 2022

十人十色の“顧客を大切にする”営業スタイル

どの素晴らしいアドバイザーにも、各々なりの顧客を大切にする思いがあるものです。2人のMDRT会員それぞれが大切にしている異なる営業スタイルをご紹介。

対象のトピックス

新規の顧客や、見込み客の獲得のためのアプローチ方法は、十人十色でしょう。しかし根底に「顧客を大切に」という思いがあるという点は、どの素晴らしいアドバイザーにも通ずるものです。 

現在20年以上のキャリアを持つ生保営業の道には、スカウトがきっかけで入ったという山口会員。入社当初から熱心に取り組んだ結果、氏の業績は伸び、2年目には社内表彰もされ、MDRT入会にもつながった。ところが2年目の終わり頃から業績に陰りが見え始め、3年目には社内表彰もMDRTも逃してしまった。氏は「こんなはずはない、俺はすごいんだ」と自分に言い聞かせるが、数字は落ちる一方だった。そんなある日、支社長室に呼ばれた氏は「一生懸命話しても、お客さまが分かってくれない」と業績の伸び悩みの理由を答えた。そしてそれを聞いた支社長は、山口氏に怒ったという。 

「業績が悪いのは相手のせいだというのか。お前は口では丁寧な話し方をしていても、顧客に対して〝教えてやる″という態度を取っているんだ。それが伝わるから伸びないんだ。俺たちの仕事は上手く話をする仕事じゃない。お客さまの夢や不安、家族や仕事への思いを聴く仕事だ!」 

支社長のその言葉は、氏にとって頭を殴られたようなショックだったといいます。 

その後、支社長の指示を受けて活動を見直した氏は、ある日自分なりの答えに辿り着いた。「保障の追加はないか、紹介は出ないか。面談理由が全部自分の都合だからだ」。そこで山口氏は、既契約者への保障の見直しとして「おさらいチェックリスト」で現在の加入状況の他、家族構成や受取人変更の有無、法定相続人の確認など、質問に沿って話を聞いていく方法を思いたという。新たに契約を結んでから3~4年は毎年会うが、その間隔は2年に1度になり、3年に1度になっていくという。これは顧客からの拒絶ではなく、信頼が醸成されたことを意味し、その証拠にどの顧客も、指定されたタイミングで連絡すると喜んで会ってくれるという。そしてこれこそが、山口氏の辿り着いた顧客本位の対応だった。 

保険業界に入って16年、現在はマーケティングはせず、既存顧客からの紹介や追加・見直し契約のみの活動をしているという松本会員。2013年の初登録以降MDRTの基準もクリアし続け、「きちんとしたフォローさえしていれば、個人顧客からは定期的にご紹介の連絡をいただける」というが、それだけの顧客基盤を築くことができた背景には37歳の時の肺がんの経験による気づきがある。 

「もう二度と目が覚めないかもしれない」と覚悟の上で手術に臨み、無事に退院を果たした松本会員だが、その後の意識は大きく変わった。とにかく家族との時間を最優先に、仕事上の無駄な時間を省くことを心掛けることにしたという。するとその翌年には、入社以来6年ぶりに社長杯の基準を達成し、MDRTにも初入会を果たした。そんな氏は、「具体的に何かしたということはありません。家族との時間を最優先にして、残った時間で仕事をすることに決めたことで自然と効率が良くなったのです」と軽やかな笑顔を見せた。 

「私はMDRTのスーパースター達とは違い、なんとかMDRTの基準をクリアできているというだけなんですよ」と、松本会員は謙遜するが、顧客に全身全霊を懸けて向き合う姿勢は信頼を生んでおり、その証として生まれる紹介や追加契約で業績を上げ続けているのだ。 

銀行時代に培った知識を買われ、経営者から決算に関する相談を受けることも多いと語る松本会員。大切にしているのは、クライアントに最後まで寄り添うこと。「不測の事態が起きても経済的に困らないようにすることが私の役割。不測の事態が起きたときには残された方々が困らないように。長生きした場合にも先々まで楽しく暮らせるように最近では経済に関する知識をお伝えする中で、変額保険や積立NISAについても紹介しています」。 

 

Contact: MDRTeditorial@teamlewis.com