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2 23 2022

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レベルアップする

MDRT会員は目標設定を行うことでさまざまな業務分野で成功を収めています。

対象のトピックス

5年前、ギリシャの13年間MDRT会員Sofia Zervoudaki, B.A.は目標を達成できなくてもスタッフはあまり気にしていないことに気付きました。「しょうがないよ。来年はきっと大丈夫」とでも言っているようでした。

そこで彼女は一人ひとりに小さな黒板を買い与えました。紙に書いた目標はデスクの奥底にしまわれて忘れてしまう数字になりがちですが、黒板に書いてそれぞれのデスクに飾り、継続的かつ定期的に更新するリマインダーとして視覚的に表しました。例えば、あるスタッフは単に目標とする数字を書くのではなく、家族の顔や家族を連れて行きたいディズニーランド・パリの絵を描き、目標の背景にある思いを高めました。

結局、数字とその数字のもつ意味を結び付けなければ、クライアントに対しても数字だけの話はできません。老後の資金も単なる計算式から導きだされた金額ではなく、クライアントが払える範囲で積み立て、彼らが希望するライフスタイルを維持するために必要な感情のある金額にしなければなりません。

「目標を書き留め、図や絵を添えて目に付く場所に置き、自分の決意表明として目の前に示されます。その約束を守るのは自分の義務であり、自分自身がした約束を撤回したいと思う人はいないはずです」とZervoudakiは言います。

家族、経営者および企業全体に包括的なファイナンシャル・プランニング(医療保険、自動車保険を含む)を提供する彼女の事業は目標を設定することがリーダーシップやモチベーション、業務全体のパフォーマンスを推進することを示すケーススタディーだと言えます。会社のNo.1チーム(全22チーム中)は4年連続であるトップパフォーマーに奪われましたが、彼女のチームはアドバイザー12名、アシスタント1名、アカウントマネージャー1名のメンバー全員が上を目指しています。

高額な賞品とちょっとしたご褒美

毎年彼女のチームは1週間のインセンティブ旅行の資格を得るためにメンバーが個人とグループの両方で達成すべき目標を設定しています。これまでの旅先はポルトガル、イタリア、アメリカ、イギリス、中国、アラブ首長国連邦などでした。

目標を書き留め、図や絵を添えて目に付く場所に置く、自分の決意表明として目の前に示しました。
— Sofia Zervoudaki

目標は必ずしも長期的なものである必要はありません。チームのクライアント3,500名中Zervoudakiは685人を担当しています。四半期および毎週のミーティングで、チームでうまくいっていることとそうでないことを確認しています。毎週のミーティングの目標は、前週のアイディアをどのように実行し、それが結果にどのような影響を与えたかを全員が共有することです。一方で個々のモメンタムが業務全体に利益を及ぼすことを重視し、各メンバーを生産性でランキングするメールを毎日送信したり、ヘッドホンやディナー、小旅行といった賞品をチームメンバー1人に授与する「月間MVP」コンテストを実施したりします。

各スタッフの目標は毎年2週目までに話し合い、Zervoudakiは毎月追加すべきものがないかを判断します。また、目標の写真を印刷してコラージュし、目指しているものをより視覚的に表現し「一歩前進だね!」といったメールを送り、目標に向かって進んでいる社員を激励しています。

30日区切り

ミネソタ州の27年間MDRT会員Wade A. McFee, CLU, ChFCは、目標を小さく分割する価値を知っています。ファイナンシャル・サービス業界のベテランであるGina Pellegriniの手法を用いて、30日ごとに目標を設定・見直しを行い、毎年30日、60日、90日、180日のスパンで確認しています。

このアプローチは成長と進歩という本来のメリットに加えて、スタッフに与えられた職務内容と乖離していないか、面接時に提示された役割や先入観に基づいて固定化されていないかを確かめることにも役立ちます。McFeeの事務所(オフィス・マネージャー1名、パラプランナー2名、エグゼクティブ・アシスタント1名、事務担当者1名、そして娘でもあるアドバイザー1名が在籍)は、143世帯のウェルス・マネジメントを包括的に行っており、こういった状況が両方向で展開されています。

あるパラプランナーは素晴らしい経歴を持っていましたが、入社28日目になって彼女はプロアクティブな業務(不満が生じる前にクライアントに連絡すること)よりも対応型の業務(かかってきた苦情電話に対応すること)を好むことが分かりました。別のパラプランナーは大学を卒業したばかりでしたが、入社30日目ですでに90日の研修を終えていました。

「スタッフの採用とチームの育成に関する最大の学びは、私たちはどんな問題を解決してくれるような『銀の弾丸(万能薬)』を求めています。何でもできる万能な人間を探し続けるのですが、優秀な人材は見つけるものではなく、育てるものです」とMcFeeは述べました。

それは彼にとって会社全体の目標だけでなく、個人の能力開発目標(例えば会社が授業料を負担し、勉強や試験のために有給を与え、資格の取得を支援)や個人的な目標を設定することを意味します。

30日、60日、90日、180日経過するとMcFeeと社員はその間に学んだこと、目標に向けてどのような努力をするか、そして最も重要な彼らがこの仕事についてどのように感じているかを話し合います。最初の30日間は順調でも90日がたつ頃には仕事内容が嫌になったり、自分がこの会社に合っていないと感じることもあります。「そういった時はスタッフから言われる前に自分から問いかけなければいけません」

もちろん、ミーティングは新人のためだけに行うのではありません。全スタッフが参加し、90日ごとの目標を設定します。以前はMcFeeが1人ですべての面談に対応していましたが、現在は彼のオフィス・マネージャーが主導しています。また、各メンバーが目標に向かって取り組んでいる際のチームワークを確認するために、ピアレビューも行っています。

このような話し合いの結果、目標とアイディア(例えば、30分間のMDRTプレゼンテーションやモチベーションを高める要素を取り入れた「モチベーションアップの月曜日」、チーム全体でひとつのトピックを深堀する「テクニカルな火曜日」など)が継続的に評価され、事業全体とそこで働くスタッフの両方に利益をもたらします。また、新たな発見もありました。顧客対応を担当するスタッフは、バックオフィス業務担当者と情報を共有することで自分の仕事に打ち込めることが分かりました。そのため、McFeeは今後半年から1年以内にもう1名採用し、チームの能力とキャパシティを向上させる予定だといいます。

モチベーションの革新

しかし、目標を持たないスタッフがいる場合はどうしたらいいでしょうか?

以前チームのひとりが、ある程度の生産性に達するとそれ以上の成長は求めないと述べたとき、Zervoudakiは彼のやる気を引き出す新たな方法を見つける必要があると思いました。

その方法とは、チーム(メンバーを2つに分けたチーム)に新たな目標を設定することでした。業務を2つのチームに分けて競わせる(負けたチームは勝ったチームに夕食をごちそうする)ことで、創造性が欠如していた人もチーム全体のレベルアップに貢献できたと感じました。

「他の4人のメンバーが後押ししてモチベーションを引き出すよう働きかけてくれたので、彼はやる気を出してくれました。2チームはかなりの接戦だったため、彼の参加は非常に重要でした。それが彼に目的を与えました。彼が勝敗の決め手となりチームは優勝したので、自分の存在は重要だと実感したはずです」と、Zervoudakiは言いました。

「飲んで食べて、踊って歌えるレストランを選びました。小さなパーティーのようで、絆を深める楽しい会になりました」。

Contact

Wade McFee wade@mcfeefinancial.com
Sofia Zervoudaki sofiazervoudaki@gmail.com