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ファミリー・ビジネス
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4 25 2022

ファミリー・ビジネス

家族経営のラテン系レストランと食料品店というニッチ市場をMDRT会員の父と娘が築いた道のり。

By Antoinette Tuscano

対象のトピックス

繁栄し充実したキャリアはあまり人が踏み込まないところから始めることができます。さらにニッチ・マーケットとそのニーズを理解し、根気強く信頼を築くことでクライアントとファイナンシャル・アドバイザー、双方にとって世代を超えたキャリアを構築することができます。

アメリカ、ニューヨーク州の23年間MDRT会員José A. Narvaez, LUTCFにとってのニッチ・マーケットはニューヨーク市周辺に店を構える家族経営のラテンアメリカ系レストラン、そして食料品店です。彼はキャリアの早い段階でより大きな可能性に気付き、ターゲットをレストランから食料品店へと移行しました。食料品店は「流動性という点ではレストランよりずっと高く、常に流動している状態と言えます」と、食料品店もまたコロナ禍で繁栄したビジネスのひとつであるとJoséは説明します。

新しいマーケットへの扉を開く

ラテンアメリカ市場はJoséの生い立ちにマッチしていました。彼はエクアドルで生まれ育ち、17歳で渡米、ニューヨークのLong Island大学でファイナンスの学位を取得しました。国ごとに違いはありますが、彼はラテンアメリカの文化的ダイナミクスを理解していました。またそのマーケットには英語が母国語でない見込客が多くいることを知っていました。Joséがキャリアをスタートさせた当時、彼らの母国語であるスペイン語のパンフレットさえありませんでした。彼らが生命保険のような商品とは無縁で育ったことも理解していました。そのため、アドバイザーとしての最初の数年間は最も緊急性の高いニーズである医療保険の訪問販売を行いました。

「当時は言葉の壁もあり、英語が苦手な見込客にアプローチする募集人はあまりいませんでしたし、彼らのビジネスはラテンアメリカのコミュニティを拠点にしていることがほとんどでした。私と同じ頃、つまり1980年代初期に渡米した人たちです。中には1960年後半や1970年代など、もう少し早い時期に渡米し、ゼロからビジネスを立ち上げた人たちもいました。なので、私にとってはチャンスでした」

医療保険はJoséの門戸を開きましたが、クライアントとの信頼関係を築くためにその扉が閉じないよう常に心掛けました。クライアントに何かあればいつでも電話してほしいと伝えました。「たとえ私たちが提供していないサービスでも、提供できる人を紹介することはできます。今でも常にクライアントをサポートしています」とJoséは語ります。

クライアントのビジネスをあらゆる側面から全力で支援するために彼は企業保険など高度なビジネス・コンセプトに関するコースを追加で受講しました。「経営者の方々とのビジネスでは、知識は力となります」

この知識により、彼はクライアントの会計士とIRA(米個人年金制度)などの商品について話ができるまでになりました。またJoséは財務リスクを抑え、資産を守り、家業を次世代に継承する方法など、クライアントにとって最適な選択肢を見つけるためのツールを手に入れました。その一方で家業に興味のないご家族も公平に保障する選択肢を提供しています。

ファミリー・ビジネスの成長

Joséにとってクライアントも自分も家族は全ての基盤と言えます。多くのクライアント同様、彼自身もまた事業を家族に継承する予定です。ニューヨーク州で生まれ、5年間MDRT会員である娘のVanessa Carolina Narvaezは、大学在学中に父のオフィスでアルバイトを始めました。2009年に大学を卒業し、ファイナンスの学位を取得した彼女は、父のオフィスでファイナンシャル・アドバイザーとして就職することを決意しました。最初のクライアントを見つけるため、Joséは当初Vanessaに飛び込み営業を経験させました。

若いうちにアドバイザーとしてキャリアをスタートし、クライアントとお金の話をするのは怖かったとVanessaは言います。しかし父親の例にならい、より高度なビジネス手法に関する教養を身につけたことが彼女に自信と勇気を与え、MDRTの会員資格取得に至りました。

また、JoséはVanessaに信頼関係構築のため、忍耐強くクライアントに接することを教えました。ただし忍耐とは、ただ耐えるという意味ではありません。父娘は毎週月曜日に会って、対応中の案件や目標への進捗具合について話し合っています。時間をかけてクライアントとそのご家族を知ることで、複数世代のクライアントに対応できるアドバイザーとして活動することができるのです。2人はクライアントのご家族と深く関わりを持っているため、ご家族のパーティーやイベントに参加することもあります。

経営者の方々とのビジネスでは、知識は力となります

VanessaとJoséにはそれぞれの注力分野があります。Joséはゴルフを通じて交友関係を広げています。Vanessaはゴルフはしませんが、人脈作りのためにゴルフの後に合流することもあります。

さらにVanessaは最新のデジタル・ツールでクライアントのビジネスに対応するため、テクノロジーとソーシャル・メディア戦略に後れを取らないよう常に意識しています。医療保険に加入している女性、ミレニアル世代、Joséが担当する年配のクライアントの成人したお子さまなど、多くのクライアントを抱えています。彼らにとって、VanessaはJoséの事業継続プランの一部として見なされています。

継続プランの機会

「クライアントから『今加入しているこの保険は20年後どうなりますか?』や『私が死んだらどうなるのですか?妻をどう助けてくれるのですか?』と聞かれることがあります」とVanessaは言います。

クライアントはVanessaがこれからもそばにいてくれると知って安心します。

パンデミックが始まって以来、退職後のプランニングを始め、退職金勘定に最大限貯蓄したいと考える20代のクライアントと話す機会がさらに増えたとVanessaは語ります。「時代は変わりました」

しかし、パンデミックが全てを変えたということではありません。一部の家業がそうであるように、家族全員が同等に関与しているわけではありません。クライアントの多くは、起業して家業に携わっている20代のお子さまがいます。しかしその一方で、家業を継ぎたくないという成人のお子さまもいます。実際ご両親からすると、そういったお子さまはどんな仕事にも興味がないように見えるものです。関与の度合いに関わらず、全てのお子さまが平等に家業を継ぐことを期待している場合もあります。そこでJoséとVanessaは相続専門の弁護士を雇って、継承計画をサポートしてもらっています。「弁護士がクライアントに税金問題やプランニングの大切さを説明してくれるので、非常に助かっています」とJoséは語ります。

「遺産計画はビジネスの継続や退職後の生活設計など、多くの可能性を広げてくれます。保険、事業コンセプト、遺産計画に積極的な弁護士数人と提携して仕事をすることです。そうすればいつでもどこでも仕事の会話ができます」相続専門の弁護士との協力関係は、クライアントの信頼を得ることにもつながります。

現在、サービスを受けるラテンアメリカの人々にとって、保険の全体像は理解しやすいものになっています。パンフレットなどの資料は多言語に翻訳され、企業もラテンアメリカ市場の価値を理解しています。

「国勢調査の結果により、2050年までにラテン系の人口が増加することがわかりました。そのため保険会社は私たちが既に手にしている購買力をチャンスと見なしたのです」とVanessaは言います。

ラテンアメリカ市場の拡大

「ヒスパニック系人口はここ数十年間で最も増加率の高い人口のひとつです。1970年以来、ヒスパニック系人口はほぼ6倍に増加しています。国勢調査局の予測によると、ヒスパニック系人口は2015年から2050年の間に86%増加すると見込まれています」と、米調査機関のPew Research Centerは述べています。

国勢調査によると外国生まれのアメリカ人の人口は2060年までに7800万人に達し、アメリカ総人口の18.8%を占めると予想されています。同Pew Research Centerは「これは外国生まれの割合としては新記録となり、過去最高の1890年の14.8%を早ければ2025年にも上回ると国勢調査局は予想しています」と述べます。アジア系とヒスパニック系の移民は、今後もアメリカの移民人口増加の主要因であり続けると予想されています。

世界の移民に関する現状

ブラジル

伝統的に移民を受け入れてきた国です。近年の移民は主にアルゼンチン、チリ、アンデス諸国や、ブラジルへの帰国者。1980年のブラジルの景気低迷以降、アメリカ、ヨーロッパ、日本への移民が増加傾向にありましたが、ブラジルの全人口と比較するとごくわずかです。これらの移住者の大半は高学歴の中産階級です。(出典:CIA World Factbook)

カナダ

2011年現在の外国生まれの人口は約680万人。カナダの統計によると、これは総人口の20.6%に相当し、G8諸国の中でも最も高い割合となります。

エクアドル

推定200~300万人のエクアドル人が海外で生活していますが、スペイン、アメリカ、イタリアなど主要な受け入れ国の失業率増加により海外移民が停滞しています。エクアドル人の最初の移住は1980年から2000年にかけて発生し、1990年代後半には2度目の世界的な移民の波が到来しました。エクアドルは面積こそ小さいものの、ラテンアメリカ諸国の中で最も多くの難民を受け入れており、その98%が隣国コロンビアからの難民です。(出典:CIA World Factbook)

フィリピン

海外フィリピン人労働者(Overseas Filipino Workers、以下OFW)と呼ばれ法的に認められた臨時労働者から成る世界最多の移民の出身国のひとつ。2019年時点のOFW数は220万人。主な移住先は中東諸国、中国・香港、シンガポールの他、船での仕事を求める人もいます。(出典:CIA World Factbook)

シンガポール

外国生まれの人口が急増しており、2015年時点で全人口の46%を占めています。人口の内訳は、中国系が74.3%、マレー系が13.5%、インド系が9%、その他が3.2%です。(出典:CIA World Factbook)

アラブ首長国連邦(UAE)

2019年半ば時点での総人口は推定980万人、うち移民の割合は87.9%であると国連データが示しています。2015年の推定人口は、エミラティ(UAE国民)が11.6%、南アジア系が59.4%(インド系38.2%、バングラデシュ系9.5%、パキスタン系9.4%、その他2.3%を含む)、エジプト系が10.2%、フィリピン系が6.1%、その他が12.8%です。(出典:CIA World Factbook)

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José Narvaez jnarvaez@ft.newyorklife.com

Vanessa Narvaez vnarvaez@ft.newyorklife.com