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3分で顧客の印象に残るインフレの説明
3分で顧客の印象に残るインフレの説明

7 01 2022

3分で顧客の印象に残るインフレの説明

Richard Dobsonは表やグラフや数字を使うより古い郵便切手を見せることでインフレの効果と影響を説明し、インフレの要素をプランニングに盛り込む必要性を理解してもらっています。

By Richard Dobson Jr., CFP

対象のトピックス

インフレは顧客の貯蓄や投資勘定に壊滅的な影 響を与えるので、アドバイザーは顧客になぜコ ア資産の一部を株式に配分するようアドバイス するのか、その奥義を理解してもらう必要があります。

インフレとは物やサービスの価格が全般的に上昇し、貨 幣の購買力が低下することと定義されています。米国で は2022年第1四半期に消費者物価指数が40年ぶりの高 水準となったことから、今後も生活費は景気の実態から離 れた状態を続けるでしょう。欧州連合(EU)では1999年に ユーロが導入されて以来、かつてない速さで物価が上昇 しました。オーストラリアでは史上最高値圏にある燃料価 格によりインフレ率が急上昇、パキスタンでは食料価格の 高騰によりインフレ率が2桁に達しました。1980年代の不 動産バブルの崩壊以降、物価が低迷していた日本でさえ、 日銀は8年ぶりにインフレの見通しを上方修正しました。

インフレの脅威には最大の注意が必要です。ペンシル べニア大学ウォートン・スクールのJeremy Siegel博士 による1802年以降の米国株式の研究によれば、証券はイ ンフレ調整後で6.6%、第二次世界大戦後は11%を超えて います。しかし、2%のインフレ率でさえ、10年から30年の 間に貨幣価値が18%から45%下がる可能性があります。

では、どのようにすれば顧客や見込客にインフレのリス クをうまく伝えることができるでしょうか。

  • シンプルに
  • 印象に残るように
  • 楽しく伝える

グラフやチャートは使ってもつまらないので 使わないでください。お客さまが退屈するだけです。私は時間の経過に従って購買力が低下 することを示すグラフを持っていますが、そのグラフは 現実の世界での応用においては説得力に欠けます。その 代わりに50年前のアメリカの切手をお見せしています。 1972年当時、第一種切手(国内普通郵便)は8セントでし た。現在、郵便料金は58セントです。これは年平均4.2% 上昇したことになり、同時期の平均消費者物価上昇率 3.9%を少し上回っています。この例はインフレが購買 力にどう影響するかを示すシンプルで印象的な方法で あり、誰もが共感できるため、顧客にすぐに受け入れら れました。大企業に投資したポートフォリオのリターンが 6.6%から切手インフレの4.2%を差し引いたシーゲルの 調査結果をつなげると、顧客の長期目標に向けて複利運 用しようとすると、期待実質リターンは2.4%になるという 考え方が完成します。顧客にとっての問題は、50年後に 58セントで何枚の切手を買うことができるのかというこ とです。50年後には郵便料金のほんの一部にしかならな いと思われます。

折れ線グラフの代わりに切手の例を示せばインフレが 預金に及ぼす影響を理解してもらえるで しょう。私は切手が描かれたカー ドを使 い、時 間 の 経 過とともにコストが上昇することを説明することで、目で見て 分かるようにしています。このプレゼンテーションは何年 たっても覚えているものです。

山も谷も市場の平均であり、こうした変動は投資プロセ スの一環です。顧客は本能的に損をするという感覚から逃 れようとするので、切手によるインフレの説明を時々思い 起こしていただきます。データに不信感を抱かせてはいけ ません。

この比較を用いて市場の平均を説明します。片手に雪 玉、もう片方の手に非常に熱いジャガイモを持っている場 合、平均すると普通の感覚であるはずですが、あまり快適 ではないでしょう。要は株式への配分は長期的な平均を追 求するべきだということで、時には心地よくないこともあ るということです。しかし、このような変動が正常であるこ とを顧客に認識してもらうことで、私たちは顧客に最高の 価値を提供することができます。長期的なデータを信じ、 株式への投資の調整や配分の変更は、市場が不安定な時 に無理に行うのではなく、市場が安定している時に行うの が最善であると考えます。

階段は顧客が長期的な視点に注目するために使うこと ができるもう一つのイメージです。階段で長期的な市場 パフォーマンスを表します。次に、ヨーヨーで遊びなが らその階段を上っている人を思い浮かべてくだ さい。ヨーヨーが上下に動くのは、市場の 短期的な変動を表します。私たちはヨーヨーの上下にはほとんど注意を払わず、階段に注目 する必要があります。下げ相場やその時の危機的状況下 で神経質になる顧客がこのイラストを見れば、大局を見る 重要性を思い起こせるのです。

アドバイザーとして私たちは株式市場の長期的な最大 のリスクは下落や調整ではないことを顧客に喚起しなけ ればなりません。なぜなら最大のリスクは株式市場に参加 しないことだからです。

RICHARD DOBSON JR.はアイオワ州Cedar Fallsの20年 間MDRTメンバー。連絡先:rdobson@cfu.net

2021 年 MDRT アニュアル・ミーティング、バーチャル大会の Dobson のプレゼンテーションはmdrt.orgをご参照ください。