9 01 2022 / Round the Table Magazine
見込客とつながり、お客さまとの面談に備える12のアイディア
By Michael DePilla
対象のトピックス
誕生日祝いの寄付
パンデミック期間中に大事なお客さまが応援しているスポーツ・チーム、お好きなワイン、お気に入りのレストランの記録を整理しました。たくさんの情報を集めたのですが、富裕層のお客さまは私達からのお誕生日プレゼントにはあまり期待していないことに気付きました。そこでお客さまが指定するチャリティーに、誕生日にお客さま名義で寄付をすることにしたところ、富裕層のお客さまから大変喜ばれています。
8時前の8人
後援者 (影響力のある人)も私達と同じく新規ビジネスの機会を探しています。そこで毎月1回、朝8時からのZoom会議に7名の士業の方々をお招きしています。「8時前の8人」という名称で、スピード・デートみたいなイベントです。後援者の中心の立場で私が参加者をつなぐ接着剤の役割を担います。毎回違う方を招待しています。それぞれが自己紹介をしてネットワークを広げ、お互いの見込客探しに貢献し、年間を通して継続しています。実はこれらの方々から紹介される案件が私のビジネスの7割を占めています。
紹介の条件
新規のお客さまから契約をお預かりできたところで次のような話をします。「私は紹介だけで仕事をしています。もしお知り合いの中に今回導入していただいたようなファイナンシャル・プログラムがお役に立ちそうな方がいらしたら、ぜひプログラムについてお知らせして、私についても伝えてください。ただし、あなたがファイナンシャル・プランニングを委託する際に専門家の中から吟味してくださったように、私もお手伝いしたい方にはいくつか条件がありますので、誰でもお客さまになっていただけるというものではありません。私がお役に立てるのはあなたのようにファイナンシャル・ゴールをもっている方。まだ明確なゴールではなく、ぼんやりしたイメージでも問題ありません。そのイメージを整理して、優先順位をつけていただき、実行可能なプランにまとめあげるのは私の仕事です。そして、あなたのように責任感のある方。ファイナンシャル・プランニングは即決で進められるものではありません。お客さまと私との間の長期的な信頼関係が不可欠です。お客さまにコミットしていただくのは、保険契約でもなく、私に対してでもありません。ご自分の将来に対するコミットメントです」とお願いしています。
世帯財産目録ガイド

お客さまが世帯としての包括的な情報をまとめられるような「ファミリーの財産目録ガイドブック」を差し上げています。この資料を利用することで全ての資産や既契約の受取人など現状を把握することができ、資産税対策を考える第1歩になります。万が一のことがあった後には、相続人、遺言執行人、管財人、アドバイザーなどが大いに助かります。
カレンダー
お客さまお一人お一人に私がデザインしたオリジナルの卓上カレンダーを作成して毎年年末にお届けしています。カレンダーには私の名前、会社名、住所、電話番号、そしてメールアドレスが記載してあり、毎月季節に合わせたコメントを添えています。毎年の世相に合わせてデザインを変えて、お客さまがご自宅でもオフィスでもご利用いただけるように工夫しています。お客さまも私もお互いの連絡先を常に把握して、何かあったときにすぐに連絡できることが大切です。
セルフ・カウンセリング
多くの方が「目標」を立てていると思いますが、実は「目標」よりもその土台となる「目的」をしっかりと自分の腹に落とし込むことが大事です。なぜその目標を達成したいのかです。その目的を明確にする技術がセルフ・カウンセリングです。私は何を求めているのか、一番大切なものは何か。そのために「今」何をしているのか。お金と時間の使い方をチェックします。その行動は効果的か、もっと良い方法を考え出し、実行してみよう。このセルフ・カウンセリングを毎朝、毎晩行うことにより、自分の人生の「目標」に沿って行動することを心掛けています。日々チェックすることで良い習慣が身につき、結果的に「目標」を達成することができます。
家族全員
富裕層のお客さまの場合はご家族全員についてできるだけ詳しく教えていただくようにしています。数量的な分析だけではなく、質的な分析、そして感情を理解することが大事だからです。私はできるだけご家族それぞれの信頼をいただき、良い関係を築くように心掛け、世代を超えて必要に応じて多くの方に参加していただきながらプランを検討します。ご家族ぐるみの友達と考えていただけるのは「信頼できる人」と思っていただいているからです。
何を見るか

私のお客さまは韓国ドラマがお好きな方が多いので、人生の困難を乗り越える方法を教えてくれるテレビシリーズの“Itaewon Class(梨泰院クラス。日本では「六本木クラス」として人気)”をお勧めしています。主人公が無一文から苦労しながら成功を目指して奮闘するストーリーです。父親の保険金を元手にして会社を立ち上げ、保険金が役立った事例として紹介されています。主人公の会社が成功すると、ライバル企業の株式を買い占めます。梨泰院クラスはネバーギブアップの精神と努力すれば不可能なことはないと示してくれます。ドラマを見たお客さまや見込客は、将来のために備える重要性を理解してくださいます。だから説得する必要がなくなります。韓国ドラマで保険の威力を感じてもらえるのです。
お客さまに本を勧める

お客さまとの緩やかなつながりを維持するためにニュースレターを配信するようになってからもう17年になります。世の中には情報が氾濫し人は食傷気味になっているので簡単なトピックスの後に自分が読んだ書物を紹介しています。心理学・健康関連・国際関係・税務関連および料理など毎月5冊をさまざまなジャンルから抽出してきました。年間60冊、延べ1,000冊を超えました。そうすることでニュースレターの内容に興味を示してもらえなくても、私の興味と視点をそれとなく示すことができ、相互理解に不可欠な関心を持っていただけると感じています。一部のお客さまはリストとして保存しているそうです。時間が貴重な時代において、時間の制約を受けずにご参照いただけるニュースレターこそ信頼関係構築の基礎となる「ラポール」を築く契機となっていると思います。

ホットボタン(やる気スイッチ)
ファイナンシャル・プランニングに取り掛かる以前に、いつもファクト・ファインディングをしてお客さまをよく理解できるように努めています。お仕事、趣味、ご家族、ペット、夢、野望などについてたくさん質問をします。十分な情報を得たところで、ホットボタンは何か、何を一番大事にしているかに照準を合わせます。私のお気に入りのファクト・ファインディングの問い掛けは「今後3-5年くらいの期間に予想される転機は何ですか」この問い掛けで、お客さまの短期ゴールが分かります。多くの方の答えは、結婚する、子どもを持つ、家を買うなどです。そうした答えが出ると、財政的な準備をしていますかという問い掛けができます。人生の転機には財政的なコミットメントが必要になるからです。
解約返戻金のある生命保険の例
JimとMaryはふたりとも21歳です。ふたりとも車を買う計画があります。Jimは金利0%で$25,000の融資を受けて5年間で返済しました。返済後、Jimは古い車の所有者になり、負債はなし、しかし次の車を買う資金はありません。一方、Maryは加入していた終身保険から年利4%で$25,000の契約者貸し付けを受けて車を買いました。5年間で返済し、解約返戻金はその間も増えたので、次に車を買い替えるときにも十分な資金があります。その上、有配当の生命保険であれば配当金で買い増しをすれば積立金はさらに増えます。このように役立つ貯蓄性のキチンとした終身保険をお子さんやお孫さんにお勧めしてはいかがでしょうか。
大事なのはアロケーション
お客さまのファイナンシャル・プランを設計したり見直す際は資産配分の重要性を指導するようにしています。リスク許容度によりますが、株式と負債の適正バランスが非常に大事です。私達はお客さまに投資信託のポートフォリオからの収益を生命保険に活用したリタイアメント・プランに投資することをお勧めしています。どんなメリットがあるかというと、(インドでは)長期的に毎年確実に非課税の収入があり、保険料支払期間には生命保険の保障があり、利率リスクをヘッジできます。