9 01 2022 / Round the Table Magazine
生産性向上には質をモニタリングする
対象のトピックス
皆さんはパフォーマンスを測る際どんな指標を使っていますか。何人の方とご面談できたか。何件の契約をお預かりできたか。営業成績や収益はいくらだったか。それとも何件の紹介を得ることができたかで測定していますか。
そうした指標は成長を測るうえで重要ですが、気を付けなければならないのは仕事の量的な側面にこだわり過ぎてしまい同じくらい重要な質的な側面をおろそかにしかねないことです。
私は自分の仕事を振り返るときの視点を紹介しています。
活動量を振り返るときはその週やその月に何件のアポイントメントを獲得できたかに加えて「適切な人に会えているか。自分にとって適切な人とはどのような人だろうか」と自問しています。
お客さまのニーズやその対応方法を確認するときは次のようなことを考えます。
- このお客さまが好きか
- このお客さまは私のことが好きか
- このお客さまと私は共通の価値観を持っているか
- このお客さまはこの先も私に仕事を任せてくれるだろうか
- このお客さまは周囲の方々を紹介してくださるだろうか
- このお客さまは私の理想の顧客だろうか
こうした問い掛けをすることによって理想的なクライアントの特徴を絞り込むことができ、より効果的かつ満足度の高い仕事ができるようになります。
成約に至った案件を振り返るときは案件の大きさだけを見て終わりにするのではなくクライアントにフィードバックを求めるようにしています。「お客さま、私の対応や段取りにおいて良いと思われたところ、逆に悪いと思われたところはありますか。なぜ私を選んでくださったのですか」と問い掛けます。
アドバイザーが重要だと考えることがクライアントにとっても重要であるとは限りません。またクライアントが重要だと考えることが私達にとって重要であるとも限りませんが、クライアントが重要視することに焦点を当てればクライアントはより良い経験をし、満足度も高まるはずです。
お預かりできなかった案件は、単に次の見込客に移るのではなく一度立ち止まって考えるのも良いかもしれません。
- 自分の対応に改善点はないか
- 不適切なことを言わなかったか
- お客さまの話を十分に聞くことができたか
- 適切な質問ができていたか
- ここで学ぶべきことは何か
最後に活動計画を立てるときは「今日はどのお客さまから契約をお預かりできるだろうか」と考える代わりに「今日はどのお客さまのお役に立てるだろうか」と考えるようにしてください。「今日はどのお客さまから紹介をもらえるだろうか」ではなく「今日はお客さまの大切な方のお役に立てるだろうか」と考えるのです。「今日の営業目標は」ではなく「今日はどんな方々の人生に(プラスの)影響を与えることができるだろうか」と問い掛けてください。
活動の質に重きを置くこうした問い掛けに答えることで生産性が向上し、お客さまとより良い関係を築くことができ、双方にとって満足度の高い仕事ができるはずです。
Nadia Wijatnoはシンガポールの8年間MDRT会員、連絡先はnwijatno@gmail.comです。
Wijatnoの2021年MDRTアニュアル・ミーティング・バーチャル大会でのプレゼンテーションはmdrt.orgからご覧いただけます。