Log in to access resources reserved for MDRT members.
  • 学ぶ
  • >
  • 乗車をお楽しみください
乗車をお楽しみください
乗車をお楽しみください

11 01 2022 / Round the Table Magazine

乗車をお楽しみください

Yeoh はシニアのための活動をしている団体にMDRT Foundation のグラントを申請しました。

対象のトピックス

パンデミックを経験した私達は気楽に外出し、人と話をするということが当たり前ではないことに気付きました。外の空気を吸うことは気持ちが良いですし、人との交流は大切です。

そこで会員のCheng Huann Yeoh, ChFC, CLUはCycling Without Age Singapore (CWAS)の活動を支援してその両方を実現しようと行動を起こしました。10年間MDRT会員でシンガポールで活動するYeohは2022年度のMDRT Foundation Global GrantにCWASを推薦し、$9,500のグラントを獲得しました。彼はチーム・メンバーと共に高齢者施設で暮らし、外出の機会がなくなってしまった高齢者のために20~90分の trishaw(三輪自転車)での散歩を提供しています。

第三の車輪

Trishawという英語は人力車 (rickshaw) に自転車を付けた三輪の乗り物で、運転者は乗客の後ろでペダルをこぎます。乗客は高齢者施設でお過ごしのお年寄りで、時にはもうひとり横に乗っておしゃべりを楽しみます。Yeohは毎年自分がボランティアをする新たなチャリティーを探しています。この団体を支援するようになったのは、単に高齢者を屋外に連れ出すことだけが目的ではなく、人と人のつながりを大事にする活動をしているからです。

パイロット(運転者)は座席の後ろにいて、乗客が気持ちよい風を感じる中で会話を楽しみます。このプログラムでは恵まれない家庭環境で育った青少年にやりがいを与えることもミッションとしているので、彼らに思いやりを教え、感謝される感動を与えることも大事にしています。高齢者との会話から人とのつながりや共感すること、思いやりを学ぶことができます。

危機管理

2020年初旬に世界中がパンデミックで停止した際、この活動も中止を余儀なくされました。しかし、多くの団体と同様にCWASは諦めることなく継続する方法を模索しました。例えばバーチャルtrishawを取り入れることで高齢者は施設を出ることなく景色を楽しむことができました。またこの時期にパイロットの育成に努め、彼らのコミュニケーション・スキルを向上させました。そんな彼らをYeohがボランティアとして支援し、CWASスタッフと協議した結果、グラントに応募することにしました。

CWASの「50 Faces Project」は乗ってくださった高齢のお客さんから聞いた話を記録し、データとして残す活動です。記録を残すことで、その方が次に乗ったときにパイロットが変わっても思い出話の続きを聞かせていただくことができます。記録を残すことにより、パイロットは乗客の話に興味を持ちながら耳を傾け、分かりやすい記録を取る練習にもなりました。

Yeohもtrishawのパイロットになったことがありますが、彼にとっては話を聞いたり、記録に残すことよりも周りの車に注意しながら自転車をこぐことが体力的に難しかったそうです。「でもずっと室内に閉じこもっていた方々がtrishawに乗って外出したときの解放されたような気持ちを理解できるようになりました」と語りました。だからこそCWASの活動を以前よりさらに応援しています。

こうした活動は注目を集めることが少ないのですが、努力をしている方々や感謝している方々の存在を取り上げることも重要だとYeohは実感しています。あるとき、Yeohが乗客となって乗っていたtrishawのパイロットは話をやめてYeohの話に聞き入っていました。これもデジタル世界で生きる若者にとって大事な経験だったことでしょう。

「静かな自分だけの時間も大事ですし、自分が恵まれていることに感謝することも大事です。ストーリーテリングで人と人がつながることによる精神的な貢献も大事ですし、自分に与えられているものに感謝する静かな時間も大切です」とYeohは語りました。

MDRT Foundationのグラントの行方

MDRT FoundationのグラントはCWASがtrishawを購入し、駐車する場所を確保する資金として活用されています。また資金の一部はバーチャルtrishawとして施設を出ることができない方々に国立公園など遠くに旅をすることを実現する活動に生かされています。さらにCWASはリスクのある青少年の参加を促し、パイロットとして育成しています。

CONTACT: Cheng Huann Yeoh ch.yeoh.mdrt@gmail.com