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お客さまの恐怖心をあおるべきではない
お客さまの恐怖心をあおるべきではない

11 01 2022 / Round the Table Magazine

お客さまの恐怖心をあおるべきではない

Chris George はお客さまの恐怖心をあおるのをやめ、ポジティブな保険販売に転換しました。

対象のトピックス

この仕事を始めた当初、お客さまに「今日あなたがバスにはねられたら、ご家族はどうなりますか」と尋ねるよう訓練されました。そして、自分の死によってご家族がどのような悲劇に見舞われるかを想像してもらったものです。これらの潜在的な悲劇について考えれば、理性がある人なら誰でも最大限の保険に加入しておきたいはずだ、と予想したのです。

このアプローチで成約率は上がりましたが、コミッションの額は減り、紹介者も激減しました。恐怖心から保険に加入した見込客は、遺族の身に起きるかもしれない悲惨な運命を聞かせたくないので、私を友人や家族に紹介しませんでした。見込客が保険に加入したとしても、たいていは遺族が何とか暮らせる程度の必要最低限の保障額でした。その結果、私は新しい見込客を探すために一層働かねばならず、お預かりできるのは小口の契約ばかりでした。

この状況を打開するため一歩引いて考えてみました。その結果、良い紹介や大口の契約をお預かりできたのは、私とのビジネスでポジティブな経験をしたお客さまのおかげだと気が付きました。悪夢のようなシナリオを想像するよう求められたお客さまからではありませんでした。特に配偶者の前でお客さまは怖がったり恥をかかされたりして加入するのは嫌なのです。私自身、自分の死や病気について話すのは楽しくないのに、見込客にそれを期待できるはずはありません。ストレスや不安、ネガティブな経験ばかりを作り出しても、お客さまが友人と共有したいと思うはずがありません。

そこで、もっとポジティブな体験を作り出すために、統計データを反転させ、死亡率や重大な疾病に罹患する率を強調することをやめました。例えば65歳までに死亡する確率は5%、重大な病気にかかる確率は22%であるということは、65歳までの生存率は95%であり、健康に退職を迎えられる確率が78%だということを意味します。なぜこのように説明するべきなのでしょうか。一見、保険は不要だと言っているように聞こえますが、実際は保険をもっとポジティブにとらえています。

お客さまに最も可能性の高いシナリオ、つまり「元気で退職を迎えるシナリオ」に備える必要性を促したのです。退職後の所得、資産税、相続、レガシー・プランニングに取り組む必要があるとアドバイスしたのです。確率が低い事態に備え、最も確率が高い事態に備えないのでは、意味がありません。

そこで私はお客さまに自分の将来像を思い描き、その過程で起こりうるポジティブな事柄について考えてもらうように促しました。お客さまが専門家であれば自分のオフィスを開設するとか、パートナーシップを組むとか、不動産ポートフォリオを構築するとか、退職後の収入を想定以上に増やすとか、家族や好きな慈善団体に財産を残すとか、そのようなポジティブな計画について伺います。このような人生の目標の達成には必ず保険が必要であり、保険から大きな恩恵を受けることになるのです。

今、保険はお客さまに大きな夢を与え、慈善活動を奨励するという積極的な役割を担っています。目標に向かって努力する途中で、65歳を前に最悪の事態が起きたとしても、早死や病気のリスクを保険がカバーします。今お客さまは自分自身とその家族を守ることができるという安心感に包まれ、大きな夢を持ち、明るい気分で私のオフィスを後にされています。私自身はというと売り上げが上がり、成約件数が増え、保障内容も大きくなりました。そしてお客さまは同僚に私を熱心に紹介してくれるようになりました。このようなことを一貫して積み重ね、私はMDRTからコート・オブ・ザ・テーブル、そして最終的にはトップ・オブ・ザ・テーブルへの入会資格を得ることができたのです。

「どうすればMDRTの資格を継続的に得られるのですか」という質問に対して「あなた自身とお客さまのためにできる最善のことは、常に前向きな経験を作り出すことです」とお答えします。万が一の災害に備えるのではなく、より大きな未来と可能性を夢見ることができるようにお客さまを手助けしてください。お客さまが前向きな目標を設定し、希望を語り、前進するための計画を立て、私達は必要な保障を提供します。お客さまの感謝の気持ちは皆さんのビジネスの拡大に貢献するだけでなく、ご家族からも感謝され、その経験をお知り合いにも分かち合いたいと思ってくださるでしょう。

Chris Georgeはカナダ、ブリティッシュコロンビア州の9年間MDRT会員です。連絡先はchris@brsp.ca

Chris Georgeが2021年MDRTアニュアル・ミーティング・バーチャル大会で行ったプレゼンテーションは mdrt.org でご視聴いただけます。