
6年間で4人の子どもに恵まれたDaniel O'Connell Sr.,MBAは、家族が急に増えて仕事が大忙しだったと笑ってその頃を振り返りました。「子だくさんになったおかげで非常に意欲的なセールスマンになれました」と語ります。
しかし米国テキサス州Addisonの16年間MDRT会員のO'ConnellがTOT資格を13回も獲得し、今年度TOT担当グローバル・カウンシル・メンバー(GCM)兼諮問委員会チェアとなるまでに歩んだ道のりは、家族が増えたというモチベーションだけに支えられたものではありません。2001年に投資業界に就職しましたが、2006年に家族から従業員福利厚生に専念するよう勧められました。この分野に特化することでO'Connellは野心的な目標を達成し、人々に大きな影響を与えることができるようになりました。
「子どもの頃、長い間病気に苦しんでいる家族がいました。保険会社と1時間も電話をしたあげく、間違った答えが返ってきたり、最悪の場合は電話を切られたりするのを見ていました(訳注:米国には国民皆保険制度がないため、個人が加入している医療保険の給付を申請しなければならない)。もっと人助けになるサービスを提供できるはずだと感じていました」と語ります。
O'Connellは1日に4回(午前9時、午前11時、午後1時、午後3時)アポイントメントを入れ、毎晩家族と夕食を共にした後、夜も仕事をしました。「2週間後に電話して、と言われたら10日後に電話しています。待っていないでセールスのサイクルを早めるのです」
それでもサービス重視に変わりはありません。中小企業の顧客に提供するサービスの質は業界の常識を上回っている、と何度か言われたことがきっかけで好機をつかみました。多くの法人が十分なサービスを受けていないことに気付いてもらい、ベネフィットの選択肢やアドバイスの質は企業規模に左右されるべきでないことを伝えたいと思いました。
ベネフィットのベネフィット
そのためにもターゲット市場のニーズを把握し、自分の情熱と知識を周囲に伝える必要がありました。2009年にブローカー・ディーラーを変えたタイミングを別のアドバイザーと連携する絶好のチャンスと捉え、早速仕事に取り掛かりました。朝の勉強会で従業員福利厚生制度は企業と従業員に価値をもたらすことや、この分野で仕事をすべき理由を教え始めました。やがてO'Connellに信頼を寄せる人が増え、複数のアドバイザーと長期的な関係を築き、そのうち退職金は扱うが従業員制度を扱わない数人と組んで仕事をするようになりました。
「私には14年以上一緒に仕事をしているアドバイザーがいます。従業員数50人の企業で加入率もあまり高くなかったある法人顧客は、今では従業員数500人を超える会社に成長しました。私たちはそのような会社に積極的にアプローチし、パートナーと収益を分け合ってきました。私を信じ一緒に仕事をしてくれる人がいなければ、こんな経験はできなかったでしょう」
会員数を増やすには年間を通じてミーティング以外の付加価値も必要です。
— Daniel O’Connell
自分を売り込むといえば、 O'Connellは7年前に妻とアカウント・マネージャーのサポートで起業しました。パンデミックが起きるずっと前から、効率化と顧客数増加のためにオンライン面談をしています。現在、O'Connellと11人のチームメンバー(全員が6ヶ月間の専門能力開発研修および自己啓発プランに従って目標と成長をトラッキングしている)は、従来十分なサービスを享受していなかった全米約325の企業を対象にサポートしています。
O'Connellはフィー型とコミッション型を組み合わせることで、大手の競合他社よりも低コストかつより良い商品を法人顧客に提供しています。また価値と顧客体験に重点を置いているため、価格だけが全てではないとも述べています。(インタビューの直前に担当の代理店に従業員保障の管理を自分でするようにと言われたお客さまから相談を受けました) O'Connellは保障内容の管理や給与計算との同期などをテクノロジーとリソースを使って行い、研修ビデオや従業員ハンドブック、複数チャネルで情報提供を行う全米規模の人事コンサルティング会社のサポートを利用して成功を収めています。
競合他社より数ヶ月早く手続きを開始することで、加入、更新、保障内容の調整に関する交渉を有利に進めることができます。彼のチームは自分たちの強みを理解し、クライアントの予想を超える成果を達成することも少なくありません。経営幹部レベルの人材と比べ、中小企業の従業員は比較的入れ替わりが少ないので長期的な関係を築きやすいと言います。チームで顧客により良いサービスを提供し着実に成果を上げています。
「誰にでも万能ということではなく、私たちは顧客企業にとって万能でありたい」とO'Connellは語りました。
数字のマジック
O'ConnellはTOT担当GCM兼諮問委員会チェアとして、TOTとCOT会員を対象に毎年実施しているベンチマーク調査の恩恵を受ける会員を増やしたいと考えています。そのために(TOT会議のフォーカス・セッションを含めて)追加的な議論や、事業経営委員会で調査結果を会員に還元する取り組みを行います。
「多くのアドバイザーがアンケートの回答に時間がかかると思ったり、よく分からないから面倒と感じたりするようです。私も最初自分でアンケートに答えましたが、最近はCFOに任せていますし、モジュールに分割して答えることもできます。経理、事務、その他どんな部署の担当者にも、ビジネスの成長に必要な知識をTOTの事例から学べる非常に効果的な方法です」
TOTの委員会組織の再編成によりTOT会員の関心事に積極的に対応する取り組みも継続します。今年度の役職に就任したO'Connellは、TOTの戦略憲章を見直し、日本、韓国、台湾、香港でTOTの価値を高めるプランを実施します。
「会員数を増やすには、年間を通じてミーティング以外の付加価値も必要です。過去10年間の世界各地の市場を参考にすればTOTを発展させるヒントが見つかります」と述べました。
O'Connellは確かな優れたアイディアを成功につなげる資質を備えています。それはTOTに至る過程で重要な資質のひとつ、成長志向だと言います。
「立ち上がり、差別化を図り、誇りを持って仕事に取り組み、成長したいという強い意志を持つこと。人のまね事はしません。同じことをしていては決してTOTにはなれません」と語りました。
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Daniel O’Connell doconnell@nextlevel.agency