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教育者を教育する
教育者を教育する

5 01 2023 / Round the Table Magazine

教育者を教育する

Stiffは人生を教育に捧げる女性に助言する際の成功事例を解説します。

対象のトピックス

PHOTO: Brandon Clifton

Cassandra R. Stiffはよく教師から悩み相談を受けます。「教師達は『もう限界です。事務作業が多過ぎて、生徒に教えることに時間を使えない。もう辞めたい』と訴えます。これは非常に感情的な決断であり、私達は冷静さを欠いた選択が経済状態にどのような影響を及ぼすのかを説明しなければなりません」とジョージア州の3年間MDRT会員は述懐します。彼女の400人のクライアントのうち95%は教師で、その80%は女性です。

多くの教師が過重労働と低賃金に苦しんでいることは周知の事実です。しかし教育者が転職先を考慮するとき、仮にその仕事はフラストレーションが少なく、やりがいがあり、報酬が良くても転職に必要な全ての問い掛けをしていない様子をStiffは見てきました。

Stiffはまず現在と転職先の退職金勘定を調べ、クライアントが教員年金からお金を引き出さないようアドバイスします。もしお金を引き出してしまった後で教師に戻ろうとすると、新規の年金としてゼロから投資しなければならなくなります。一方、既に投資していて引き出すことなく教職に戻った場合、過去の加入期間をそのまま引き継ぐことができます。このような説明無しではクライアントは損得を見過ごしてしまいます。つまり教育機関が提供する年金制度が充実していることを理解しないままだと、一般企業の一見高い給与に惹かれて転職したことを後悔するかもしれません。

学校との連携に多くの時間を費やしているので、退職金や投資のニーズがあると私達がすぐに頭に浮かぶようです

継続的な教育

Stiffの仕事の大きな柱は教師に年金や退職金制度について教育することです。彼女は企業で営業職に就いていましたが、アトランタ地域の公立学校教師の大部分を占める女性を支援することに関心があったため、退職してこのニッチ市場をターゲットにしました。職員会議で校長や教職員と教員用の403(b)プランやRoth IRAなどの個人退職勘定について話し合い、その後さらに深い議論やプランニングを希望する人と面談してフォロー・アップしています。また教員年金制度について知らされていない教員の配偶者にも最新情報を伝えています。

「学校との連携に多くの時間を費やしているので、退職金や投資のニーズがあると私達がすぐに頭に浮かぶようです」と述べました。

専門知識と共感

Stiffはこの手法をまねしたいのであれば、専門知識と共感をもってアプローチするべきだと言います。知識はもちろん教師の退職給付制度を徹底的に理解すること、403(b)プラン(非課税組織および非営利組織の従業員に提供される税控除対象の退職金口座)のプロバイダーやその他の関連商品知識が含まれます。Stiffは多くの教育者が退職金制度について自分で学ぶ時間をとらず、またこのような情報を提供してくれる人もいないことを目の当たりにしてきました。教師がキャリアの終了間際までこういった助言を受けないのであれば、退職準備は成り行き任せになってしまいます。

「キャリアを通じた支援をタイミングに応じて提供することができれば私達は貴重な存在となり、その評判はすぐに広まるでしょう」とStiffは述べます。

共感する上で重要なのは感情による意思決定は孤立したものではなく、経済的な影響を伴うと認識することです。このような話し合いは人を感情的にさせることがあるため、アドバイザーは相手の身になって提案をする一方で積極的に耳を傾ける必要があります。

「クライアントの決断が不適切だと思ったとき、それをどのように伝えるのかにとても気を配ります。思いやりや理解のない話し方はしたくありません」と語りました。

例えば法的に結婚していないパートナーと共同で家を購入したある教員は、パートナーとの関係が終わったとき彼女の財務や不動産の権利がどのような影響を受けるか心配しました。Stiffはそのパートナーが婚姻関係にないので彼女の退職金に対する法的権利は持っていないが、不動産は2人の名義になっているため家を買い取る必要があると説明しました。Stiffは弁護士を紹介し、不動産の法的側面をサポートしてもらいました。

「一緒に暮らしているパートナーと法的な婚姻関係がない場合、資産の共同購入は大きなリスクが伴うことを何度も女性達に伝えています」とStiffは述べました。

もちろん、これはケース・バイ・ケースです。しかし職種に関係なく金融の世界で十分なサービスを受けていない女性達のために働くことで、素晴らしい機会を生み出す場面を数多く見てきました。面談中に涙を流す男性はいませんでしたが、女性クライアントの場合は何度もありました。

一例として、結婚して10歳未満の子どもが2人いる教育者は家族の金銭的な決定や支出を管理していることに誇りを持っていました。しかし退職金口座を開設したくても資金がほとんどなかった彼女はStiffの助けを得て生活費がどこへ行ってしまったのか、どれだけ浪費していたのかを把握していなかったことに気付きました。

「私は彼女を泣かせたことではなく彼女をスキルやリソースで強化し、目標に向かって順調に進み、またそのためのノウハウを持つように支援したことを誇りに思います。彼女にとっては思いがけなく貴重な体験であり、私は自分の仕事が本当に素晴らしいと感じました」とStiffは語りました。

「概して、お金はとても感情的なものなのです」

CONTACT

Cassandra Stiff cassandra.stiff@horacemann.com