
参加メンバー:
Michelle L. Bender, CFPメリーランド州Germantown、12年間MDRT会員
Gerald C. Grant Jr.フロリダ州Miami、18年間MDRT会員
Gerald C. Grant III, CFP, MBAワシントンD.C.、3年間MDRT会員
Donald F. White Jr., CLU, ChFCフロリダ州Palm City、34年間MDRT会員
2021年8月に行われたウェビナーでは後継者育成を成功させるためのいくつかの鍵と、次世代に事業を引き継ぐ際の課題と注意点について討論を行いました。Gerald C. Grant IIIは会社を辞め、父Gerald C. Grant Jr.の跡を継ぎ、アドバイザーになりました。ふたりに事業継承の紆余曲折について語ってもらいました。
Bender: 一緒に仕事をする上で、家族ならではの難しさはありますか。
Grant III(息子):私達父子の関係で素晴らしいことのひとつは、とても似ていて気が合うことです。だから何が起きようとも乗り越える方法を見つけ出してきました。けれども難しかったのは、仕事とプライベートを切り離すことでした。特にマイアミに戻って実家で暮らし始めたころはそう感じました。最初の1年間は仕事のスイッチをオフにするのがとにかく大変でした。家族の夕食の席でもクライアントとの打ち合わせについて話をしているような感じでした。とにかくしょっちゅう仕事の話をしていました。父も私もモチベーションが高く、仕事をやり遂げたいという意識が強いのです。
ひと息ついて、父と息子の関係に戻る時間がありませんでした。フットボールの話など仕事に関係のない話をする時間が無かったように思います。住まいを別にしたこと(Grant IIIは現在バージニア州Falls Churchのオフィスで働き、父はフロリダ州マイアミを拠点としている)が、少し助けてくれたと思います。仕事のスイッチをオフにし、上司と部下という関係ではなく、父と息子に戻ることができるようになりました。
もちろん職場では父と息子の役割をオフにします。父は今でも時々私を仕事の窮地から救いたいと思う瞬間があるようです。しかしビジネスにおいては「彼は同僚だ。息子ではない。だから、彼の成長のために失敗を経験する余地を残して能力を伸ばしてやらなければ」と手放す覚悟が必要です。
Grant Jr.(父):とてもポジティブな関係でした。クライアントの多くは20年、25年の付き合いになりますが、もし私に万が一のことがあっても息子が一緒に仕事をしているという安心感があります。私達はアジェンダ形式でミーティングを行います。息子が担当する部分と、私が担当する部分を決めてあります。チームワークであり、多くのクライアントが気に入ってくれています。クライアントの子ども世代にもビジネスが広がっています。ちょうど今週末、近所の人と話していて、彼の息子と私の息子を会わせようと提案しました。クライアントの子ども世代をクライアントにしただけでもビジネスは20%ほど成長しました。
Bender: 事業継承をするために最も重要なことは何でしょう。
Grant III: 3つのパートに分けて考えました。第一に、意欲的に学ぶ姿勢を持つことです。若いアドバイザー、特にミレニアル世代のアドバイザーは「壊してやろう」という意気込みで入ってくると思います。この業界に入ってさらに価値を高めてスーパースターになりたいはずです。しかし、学ぶ時期があってこそ、壊すべき時期がやって来るのだと思います。特に事業継承についてはそうです。私達は20年、30年とずっと成功し続けてきた大先輩と向き合います。彼らはすでにビジネスを成功させています。ですから、一歩引いてビジネスについて知り、成功の秘訣を学ぶ時期を設けることが重要だと思います。その次に壊し、さらに付加価値を付ける方法を見つけるのです。
第二に、自分が付加価値を提供できる分野を理解することです。なぜならビジネスをただ継承すればいいという訳ではないからです。ビジネスを自分で構築し、継承してさらに大きく成長させなければなりません。
最後に、ビジネスのあらゆる側面を理解することです。私は商品の売り方を学びましたが、事業を継承して経営するなら、もっと多くのことを知らなければなりません。初めて人を雇い、解雇しなければならなかったときのことを覚えています。そのときは「こんなことは職務記述書にはなかった」と途方に暮れましたが、経営者であればビジネス全体の仕組みや損益を理解し、「出張費にいくら使っているか」に至るまで、ビジネスのあらゆる側面に気を配らなければなりません。ビジネスを成長させ、規模を拡大したいのであれば売る方法だけではなく、事業経営を理解しなければなりません。
White: Grant IIIの話に付け足したいと思います。時には後継者に複数の人間を置くことを検討する必要があります。Grantに不得意な分野を押し付けるのはアンフェアです。ですから会社を引き継ぎ、ひとつひとつの具体的な役割を果たすには多くの場合、複数の人間が必要だという事実を強く認識する必要があります。後継者となりうる人が数人いてもおかしくないと考えるべきです。
Bender: お子さん達に家業に加わることを勧めたり、少なくとも考えてもらうためにどのような話をしていますか。
Grant Jr: 医師が実践しているのと同じ方法が一番だと思います。実際にビジネスに加わり、見て感じてもらう必要があります。インターンとして呼び入れてどう感じるかを見てもらうのです。このビジネスには彼らが気に入りそうな側面がいろいろあります。分析的な人であれば分析ができることに喜びを感じるでしょうし、営業にやりがいを感じる人もいるでしょう。ビジネスには複数の役割があるので、さまざまな役割の中から何を気に入るかを知ることができます。人によって性格も違いますが、インターンを経験すれば少なくとも、どんな役割があるかを理解してもらえます。これはビジネスなので、金融についての理解は不可欠だということは知らせてください。簡単な決断もあれば難しい決断もあるでしょうが「アドバイザーは自分がやりたい仕事か」を判断するために仕事全体を知れば知るほど適切な判断ができます。
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