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1 03 2023 / Round the Table Magazine

未来はもうここに

チームの中から後継者を育てる

対象のトピックス

Carla Brown, FPFSは自分のビジネスを大規模な代理店に売却する予定はありません。なぜならば、

  • お客さまは現状と同等のサービスを受けることができないと思われる。
  • 彼女のビジネスの規模の事業に買い手はいないと思う。(クライアントは約850名でほとんどが引退前の経営者)
  • 希望より長期間働き続けることが求められると思われる。
  • 個人事業主として11年間やってきたので、働き方を変えるのは難しいと思われる。

ということで、イギリス、イングランドの5年間MDRT会員のBrownは外部の誰かに事業を任せるのではなく、自分のチーム内から後継者を育成することにしました。現在のチームは彼女以外に2名のアドバイザー、業務担当マネージャー、6人のスタッフです。その一環として新しいアドバイザーを1年半前に採用し、面接の段階で将来的な後継者を探していることを明確にしました。

そのため、一部の候補者は辞退したそうです。今のところまだ学習段階ですがこれから2~3年後には事業の一部を売却し、自分の責任を少し減らしていきたいと考えています。

将来的にビジネスを移管したい考えがあることを明言することで、より強い候補者を得られると Mark B. Coutts, MBA, CFPも述べました。とは言え、カナダ、オンタリオ州トロントで活躍する23年間MDRT会員のCouttsもその人が経営者としての素質があり、ビジネスにふさわしい人材かを判断するには時間がかかると言います。

継続力

期待して採用した人材が仕事や役割へのコミットメントを示すことができずに2人続けて1年以内に退職した経験を持つCouttsですが、現在いる2人は続いています。1人は9年目になるLauraで、もう1人は4年目になるKellyです。2人を採用したときは後継者にとは考えていなかったのですが、成長と共に候補者と思えるようになってきました。まずLauraはお客さまに会いに行くのに夏の暑い日にエアコンのない車で長距離を運転することもいとわず、有意義な解決策にするために何時間もかけてファイナンシャル・プランを組み立てて努力を続けました。

6ヶ月が経過した頃、彼女はCouttsに「Mark、やっと分かってきました」と言ったそうです。そして1年半が経過した頃にシニア・ファイナンシャル・プランナーに昇格しました。

現在3名のアドバイザーと、3名の事務スタッフ、1名のオフィス・マネージャーで500世帯の専門家と経営者のビジネスをお預かりしているCouttsいわく、理想的には事業継承は事業の移管ではなく進化であってほしい考え、バトンタッチのタイミングを熟慮しています。「この数年間で自然な形で穏やかに事業の移管を進めてきたので、私の関わりはだんだん少なくなってきました」とCouttsは述べます。

理想的な事業継承は移管ではなく進化です。
–Mark Coutts

そして、移管後は自分と同じやり方を後継者に求めるのではなく、それぞれの長期目標に向けてふさわしい経営形態を考えるべきだと考えています。ということでLauraとは5年前から事業継承をどうするかの会話を始めています。その一環として、代理店としての経営判断をする際にオブザーブしてもらい、どのような経営状態かを見せています。

次第に多くの責任を任せることにより、Lauraも自覚を持って経営判断ができるようになってきたとCouttsは言います。「この人なら任せたいと思うような人材がチーム内にいるのであれば、ぜひ本人にその気持ちを伝えて準備に取り掛かることをお勧めします。期待されていることが分かると、本人の働き方や考え方が変わり、チームとして最終的に良い結果になります。分かっていると思わないことが大事」とのこと。

違いが補完する

KellyはLauraの産休中の4年前に採用しました。同じような成長パターンをたどりました。LauraよりKellyの方が感情をストレートに表現するタイプで、知性が光る場面が多くみられました。不満を抱えたお客さまからの難しい電話を快く引き受けてくれる面もあります。3年ほど前にCouttsはKellyに将来的な可能性について話をしました。結果的に2人の後継者を得たことに加え、違うタイプのクライアントを抱える3人のアドバイザーがそろったことになります。当初Couttsのクライアントは彼本人が対応することを望んでいましたが、次第に他のアドバイザーやスタッフでも大丈夫になりました。

「すべてのクライアントを私とLauraかKellyの共同保有という形にしたので、既に保有契約については半分移管ができました。今まではすべての楽器を演奏しなければいけなかったのですが、現在は一歩下がって全体像を見渡し、オーケストラの指揮者のような役割を果たせるようになりました。

お客さまのためのプランニングと同じです。アドバイザーとしてお客さまがこの先5年、10年、20年事業を継続していけるようなプランニングをするように、自分のビジネスも現在だけではなく、この先どうするかを見据えたチームでのアプローチが必要であり、それは私達の責任でもあると感じています」と述べました。

こうしたプランニングの成果としてCouttsは今年の夏、初めて4週間をコテージで過ごすことができました。Brownも旅行をする日を楽しみにしています。特に行きたい場所はカンボジア、ベトナム、ラオスで、ストリート・チルドレンの世話をする団体を応援したいと考えています。

現状Brownは後継者候補者(それぞれ200名くらいの顧客を保有)のリーダーシップ・スキル開発、経営管理へのより積極的な参画、お客さま管理、そして人事関係に参加してもらっています。顧客管理の能力を高めてもらう一貫として、タイムリーにメールに返信をすることはもちろんですが、リサーチ、コスト分析などを含めた12ヶ月のマーケティング・プランを策定してもらいました。

まだ経営権の移管についての話し合いをしていませんが、Brownは2人に責任感を持った事業経営を経験してもらっています。その準備プロセスで必要があればトレーニングを受けてもらい、来る日に備えてもらう予定です。

Contact

Carla Brown carla.brown@sjpp.co.uk
Mark Coutts mark.coutts@sunlife.com