
アイルランドは人口約500万人の小さな国です。その少ない人口の国でアイルランド語を話す人はさらに少数です。私はアイルランドの西海岸で育ちました。そこではアイルランド語で生活しています。アイルランド語のsmachtという言葉は英語で「規律なくして成功なし」という意味です。私たちはこの言葉を掲げて、実行に移しました。Smachtの全体的な目的は、大きく構想することを促し、「行動は口ほどにものを言う」を実践し、スコアをつけることです。
Smachtモデルの6つの構成要素をご紹介します。OSとも言えるもので、お気づきかもしれませんがsmachtはその頭字語です。Sはstrategy(戦略)、Mはmetrics(測定基準)、Aはattitude(物事に対する姿勢)、Cはcustomers(顧客)、Hはhumans人間、Tはtime(時間)です。
最初の要素である適切な戦略とは「残酷な現実に対峙すること」です。Jim Collinsの著書に“From Good to Great”という名作があります。彼はアメリカで最も成功している組織を調査し、それらに共通する6つの規律を発見しました。そのひとつが「残酷な現実に対峙すること」です。それには規律が求められます。
実に素晴らしい問い掛けの言葉があり、私はよくお客さまに尋ねてみます。「本当に自分を律することができたら、どんな自分になり、何をし、何を手に入れることができると思いますか」会話の糸口として、非常にパワフルな質問です。人生で自分が何になれるか、何ができるか、何を手に入れられるかという可能性を追求するのに費用はまったくかかりません。strategyの最後の要素は「スピードの問題」です。
私の大親友のRay Collisという男は、大企業の経営コンサルタントの第一人者です。彼は組織に対してちょっとした問い掛けをします。「時速100マイルまでスピードを出せる環境で、今あなたの組織は時速何マイルで走っていると思いますか」すでに時速100マイルでしょうか。どんなに優秀な組織だとしても、ほとんどの組織は時速59マイル、と認めるそうです。このメッセージはとてもシンプルです。もう少しだけ明確で大きな思考を持つことができれば、私たちはもっと速く進めるのです。より速く進むために自分を律することがとても重要です。つまり本当に、本当に、注意深く、自分の戦略を明確にしておかなければなりません。それが規律を維持する最初の要素となります。
最前列にいるアイルランドのAcorn LifeのAnn Tobinと、今日は来られませんでしたがDennis Kellyという素敵な男性に敬意を表したいと思います。この2人からある基準を教わり、私はそれを15年間教えてきました。Frank Bettgerという素晴らしい人物の著書 “How I Raised Myself from Failure to Success in Selling”(私がセールスの失敗から立ち直り成功をつかんだ理由)から得たものです。Bettgerは人生で本当に落ち込んでいた時期のことを詳しく書いています。彼は一流の野球選手でしたが、指の怪我を負ってしまいました。そこで保険のセールスを始めましたが、悲惨な成績でした。5ヶ月間、彼の業績は低迷していました。
ある土曜日、もう仕事を終わりにして、他のことをやってみようと思い、オフィスを片づけているときに幸運にも賢明なメンターに出会い、ある言葉を教わりました。「並の能力を持つ人でも毎日に4、5人に熱心に自分のストーリーを話す人がいれば、成功とはどんな景色かを見せてあげよう」
天才である必要がありますか。いいえ。並の能力があればよいのです。熱意はこのゲームで重要ですか。もちろん。しかし残念ながら熱意には規律が必要です。では見せかけの熱意でもよいでしょうか。もちろんです。今朝、素晴らしいスピーチを聞きました。「勇気とは怯まないこと。勇気とは、恐れを感じながらもなんとか立ち向かうこと」お客さまと一緒にいるとあなたの熱意は倍増します。
あなたの物語には3つの要素があります。あなたはどんな背景があっても、今はどんな状況で、これからどうなるのか。戦略とよく似ています。
1日に4人か5人、それがあなたの基準です。私は今日MDRTの大会に参加している多くの人たちとすでに面識があります。MDRTに参加することは自分を律する方程式です。
事実より「物事に対する姿勢や考え方」が重要です。多くの人は物事に対する姿勢の良し悪しは生まれつきのものだと信じ込んでいます。しかし、物事に対する考え方には規律やsmachtが作用します。私たちは物事に取り組む姿勢の改善が必要です。最低20分の運動を継続的に行えば、たった6週間であなたの心臓は目覚ましく健康になるでしょう。気分も、見た目も、考え方も、収入も良くなるでしょう。私はよく製薬会社の人たちと仕事をし、彼らにこう言います。「私が人々の気分、考え方、見た目、パフォーマンスを向上させる薬をあなた方に売ってあげるとしましょう。その薬は売れると思いますか」「何千ドルでも売れるでしょう」と彼らは言いました。しかし何千ドルも支払う必要はありません。トレーニング・ウェアがあればよいのです。つまり、物事への姿勢を改めるという意味での最初の規律は、自分の心を鍛えることです。
ここから人間関係、つまり人間の話に移りたいと思います。Dale Carnegieの一文をご紹介します。「M-M-F-I。Make me feel important.私を大切な人間だと感じさせて欲しい」もし今これを実行すれば、周囲との人間関係、特にお客さまとの関係が改善されることを保証します。長期コースやMBAは忘れてください。周囲の人に「あなたは大切な人です」と感じさせてください。すぐに実行できます。
最後は時間です。時々「一緒に仕事をする中で、最も時間管理に長けた人は誰ですか」と聞かれます。というのも、私の顧客は富裕層で実に生産性が高いのです。かつてある講座で「皆さんの組織で最も優れた時間管理者として印象に残っている人は誰ですか」と尋ねたことがあります。誰もが同じ人物をあげました。彼の名前はHarry。「Harryは私たちが知る中で最高のタイム・マネージャーです」と言われました。そこで「Harryのことを教えてください」と尋ねました。彼らは答えてくれました。「Harryは釣りに行けば、釣りに集中します。酒を飲みに行けば、酒に集中します。仕事のときは、仕事に集中します」これこそ素晴らしい人生を約束する方程式です。Harryは目の前のことに100%全力を尽くします。
釣りをしているときは「患者の往診にいかなくてよいだろうか」などという心配はしません。酒を飲んでいるときは、二日酔いの心配も、帰宅したら妻に何と言われるかも心配しません。仕事をしているときは100%の力を発揮します。最も優れた時間管理術のひとつだと思います。