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スイートなアイディア
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7月 01 2024 / Round the Table Magazine

スイートなアイディア

アドバイザーはお客さまへの感謝を甘くお届け

対象のトピックス

Kent Nash, CLU, CFPは無駄なおしゃべりをしません。収益に繋がらず測定可能でも持続可能でもないものには興味を示しません。自分が何を求めているのかが明確で、遠慮なく言葉にします。

率直な物言いのカナダ、ニューファンドランド・ラブラドール州St. Johnsの5年間MDRT会員のNashがSugarwishというお客さまの誕生日をさまざまなアイディアで特別なものにするプログラムを導入した結果、「いろいろ試みた中でナンバーワンの反応を得ました」と心からの称賛を送りました。

仕組み

Nashは年初にSugarwishシステムに各クライアントの誕生日を入力し、自動的に連絡を入れるよう設定します。お客さまは送られてきたプリペイド・コードでクッキーやキャンディーの中から好きなものを選ぶことができます。Nashが価格レベルを選択することで(350件のファイナンシャル・プランニング世帯全て同レベルに設定)1年間誕生日プレゼントのことを考える必要がありません。

「誕生日だということを覚えていないのにお客さまから『ありがとうございます。素晴らしいアイディアですね。クッキーとキャンディーが届くのを楽しみにしています』というメールが来ます。お菓子を注文する人は必ずお礼の気持ちを送ってくれます」とSugarwishを4年間利用しているNashは述べました。

以前は特典のない自動メールで誕生日のメッセージをお客さまに送っていましたが、ありきたりで心がこもっていないと感じていました。広範囲にわたるインターネット調査でSugarwishを見つけ、ありとあらゆる競合他社も調べ、Sugarwishの商品をいくつか試した結果、本格的にこのプログラムを利用することにしました。

もう一つの大きな利点はギフトコードの代金を10%だけ前払いし、残りはお客さまが注文したときに請求されることです。全額を前払いしても使われないかもしれないギフトカードと比べれば気の利いたシステムです。

「プレゼントをつけずにメールを送っていた頃はお礼のメールが年間10件もありませんでした。今では週に1件か2件きます」と退職者・退職直前の方々と若い専門家・若い家族という2種類のマーケットにサービスを提供するNashは言います。

今後はこのプログラムをお客さまのお子さんにも広げたいと考えていますが、子どもの誕生日と両親のメールアドレスの照合など必要な情報がまだ収集できていません。例えば事務的なミスで一人の子どもにプレゼントを贈ったのにもう一人の子どもに贈らなかったとしたら良かれと思ってしたことが喜びどころか問題を引き起こしかねません。

「データを集めてシステムに入力する段階で人的ミスが発生する恐れはあります。しかし自動化できればリスクを低減できます」と述べました。

効率性を追い求める

Nashの現在の課題は独自のCRM(顧客管理)システムを構築することです。アドバイザーにとって効率的でカスタマイズできる仕組みや、世帯が一定の基準を超えるとフィーが下がるなど幅広いデータの追跡が必要です。Nashは先週10種類のCRM候補を試しましたが、結局30時間かけて独自のCRMをエクセルで自作することにしました。

「CRMに関する私の経験では、5分で使い方が分からないものは使い勝手が悪いので私には向いていません。今作っているシステムは自分の見落としを避けるためにできるだけ多くの相互参照チェックを組み入れています」と述べました。

Nashのビジネスにおいて効率と戦略は不変の要素です。これまで4年間正社員のアシスタントに働いてもらっていましたが、フルタイム採用を見直すことにしました。管理の必要な従業員をこれ以上増やしたくなかったからですが、当時の顧客数で手一杯となってしまいました。そしてコストを削減し、より多くの成長する機会を捉え、長期的な取引を重視するプロセスに変えていく必要があることに気付きました。顧客関連の問い合わせや保全を手伝うパートタイムのアシスタントを雇ったところ、5年間で収益が2倍以上に増え顧客維持率と紹介率は急上昇しました。近いうちにクライアントの一部を売却しなければならないかもしれません。

Nashが5年間利用しているMailchimpというプラットフォームも成功に一役買っています。Mailchimpは元々アシスタントが非効率的に電話をかけるのではなく、お客さまのアポイントメントを自動化しサービスを向上させるために導入しました。現在システムによって全てのお客さまは年間少なくとも13通のメール(誕生日のSugarwishメールと12通の月間マーケット情報)を受け取り、追加のサービス・ニーズがそれぞれセグメント化されています。お客さまの資産レベルとキャリア・ステージによりNashがいつ、どれくらいの頻度で面談するかを決めています。プラットフォームをカスタマイズすることで再現性と拡張性に優れたテクノロジーを最大限に利用しています。

「少しの間大変なのは許容範囲です。自ら手を動かさなければ自分が欲しいものを好きな方法で手に入れることができませんから」と述べました。

Nashは自分の価値がプレゼントではなく提供するサービスから生まれることを強調します。管理資産の額でプレゼントのレベルを変えたりプレゼントをいちいち入念に選んだりするようなアドバイザーがお望みなら、自分を選ばないでくださいと言います。

Nashの仕事ぶりはデジタルによる効率的な業務に価値を見いだす人にとっては非常に満足のいくものです。業務とテクノロジーの活用に取り組んでいるとき、お客さまは誰一人離れませんでした。完全デジタルのカレンダー・システムやより多くのバーチャル会議を取り入れ、オフィスのデスクには不定期なオンラインの個別面談のためのスクリーンが最大6つ設置してあります。

「お客さまを自分が望むように動かしたければ訓練するべきです。お客さまはついてきてくれるでしょう」とNashは語りました。

Contact

Kent Nash kent.nash@ashtreefinancial.ca