出身ハウスメーカーとお客さまのトリプルウィン
大学を卒業後、大手ハウスメーカーに就職した阿部会員は、以来14年余りの歳月をハウスメーカーで過ごしました。20代で店長を任されるなど順調なサラリーマン生活を送っていた阿部会員ですが、ファイナンシャル・アドバイザーという新たな道にチャレンジすることにしました。「当時、住宅購入時のファイナンシャル・アドバイザーという立場に魅力を感じていました。ハウスメーカーと連携してお客さまの資金相談に対応することで、お客さまとハウスメーカー、ファイナンシャル・アドバイザーの私の3者にとって良い結果を生むことができるトリプルウィンの関係づくりを目指しました」。この挑戦は、阿部会員の思惑通りに進捗し、ファイナンシャル・アドバイザー転身後、初年度の成績でMDRTに登録されました。
それって本当に大成功ですか
順調にトリプルウィンの個人向けファイナンシャル・アドバイザーとして実績を積み上げていくなかで、MDRT会合でのトップ・オブ・ザ・テーブル会員との出会いが、阿部会員の変化のきっかけとなりました。あるトップ・オブ・ザ・テーブル会員に「現在の個人向けFPという立場、MDRT会員という立場に満足していますか。それって本当に阿部ちゃんにとって大成功といえますか」と聞かれました。阿部会員は「本心でいうとトップ・オブ・ザ・テーブルになりたい」と何気なく答えました。トップ・オブ・ザ・テーブル会員はその何気ない答えを見逃しませんでした。「阿部ちゃん。そうだよ。あなたにとっての大成功とはトップ・オブ・ザ・テーブルになることだよ」。ファイナンシャル・アドバイザーに転身後、MDRT会員として4年間にわたり安住していた阿部会員に突然火がつきました。大成功するためには、さらなるステップ・アップが必要でした。阿部会員はMDRTのネットワークを使ってトップ・オブ・ザ・テーブル行脚をはじめたといいます。「トップ・オブ・ザ・テーブル会員の方々は、とてもやさしく後輩へアドバイスをいただけます」という阿部会員は、全国のトップ・オブ・ザ・テーブル会員のもとを訪れて、アドバイスを求めるようになりました。
幼少期の辛い経験を糧に
行脚先のトップ・オブ・ザ・テーブル会員のもとで、阿部会員は忘れたくなるような辛い過去の経験について考えさせられました。阿部会員が幼少の頃、建築会社を経営していた父の会社が倒産するという事態を目の当たりにしました。債権者や従業員から「坊やに言っても仕方ないけど、社長(お父さん)のことが憎い」という電話をまだ小学生の阿部会員が受けることもあったといいます。阿部会員は父の会社の倒産によって、一家離散という悲しい事態を受け入れざるを得ませんでした。会社を倒産させることがいかに不幸を生むことか身をもって体験しました。この幼少期の経験をともに語り合った先輩会員は、「阿部ちゃんのやりたいことは、これじゃないか」と語りかけました。中小企業を倒産から守ること。その手助けをすること。これこそが阿部会員の本当にやりたいことだと気がつきました。「自分のミッションが分かった。心に火が付いた。そう心の底から思いました」
中小企業を倒産から守る財務コンサルタントへ
トップ・オブ・ザ・テーブル会員行脚をへて、阿部会員のステップ・アップの方向性は確固たるものになりました。「中小企業の黒字経営を支援する」という自分が本当にやりたいことに取り組み始めました。以前は経営者と顔を合わせると、なんとなく臆する部分があったという阿部会員は、自分のミッションが明確になったことで、自己効力感が高まったといいます。「もともとサラリーマンだったので、経営者に対して位負けするような感覚がありました。しかし、ミッションに対する意識がそうした自分の弱さを払拭してくれました」。ミッションを定めた阿部会員は早速行動を始めます。ハウスメーカー時代に関係のあった下請け会社や地域の経営者向けに、税理士や社労士とともに財務セミナーを実施しました。現在は財務のアドバイスに加えて、相続・事業承継のコンサルティングまで行っているため、稀有な財務コンサルタントとして、大変感謝頂いているといいます。結果として、阿部会員の活躍の場は医療法人まで広がっています。ある時、30億円規模の売上をもつ不動産会社の社長が急逝しました。3人の子供には多額の相続税がかかります。現預金がほとんどなく、資産のほとんどが不動産という厳しい状況で、税理士からは的確なアドバイスがもらえません。阿部会員は、現在この困難な状況に対応する中小企業向け財務コンサルタントとして事態の中核にいます。ある都心の会社は、多方面に分散してしまっている株式への対応で困難を迎えています。株式の分散によって会社の重要事項を決定しにくい状況を解決するための相談を受けています。阿部会員は、個人向けファイナンシャル・アドバイザーからすっかり脱皮し、中小企業の黒字経営を支援し、事業承継をサポートする中小企業向け財務コンサルタントとして活躍するようになりました。「税理士さんもなかなかできない中小企業のサポートは、ファイナンシャル・アドバイザーにとって重要なミッションで唯一無二のものです」。阿部会員は4年間にわたり安住していたMDRTからコート・オブ・ザ・テーブル基準をクリアするようになり、コート・オブ・ザ・テーブルを継続しています。「多くのトップ・オブ・ザ・テーブル会員の方からお教えいただきました。この御恩に応えるためにも早くトップ・オブ・ザ・テーブルになることを心に決めて、お客さまの難題に対応していきます」。阿部会員は今まさに燃え盛る「炎のレール」の上にいます。
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