私たちの誰もがストーリーテラーです。人はストーリーで考えます。物事もストーリーが処理します。ストーリーでコミュニケーションを取ります。ご自分を差別化できるスキルとしてすぐに身に着けることができるのがストーリーテリングです。皆さんの説得力を研ぎ澄ます3つのコミュニケーション戦略のひとつです。

本日は差別化を実現し、一歩先を行くための話すスキルを3つ紹介します。時の試練を乗り越えたシンプルな戦略ばかりです。どんなに優れたアイディアもそのままでは売れないのでツールが必要です。その思考を推奨する人が必要であり、それが皆さんの役割になります。

説得力を持ってアイディアを相手に伝えるスキルこそ皆さんがライバルとの差別化をするシンプルかつ最強の技です。こうしてくださいとお願いしても、優れたアドバイスをしても、そのまま実行していただけることはあまり期待できません。相手が納得するための行動が必要です。アドバイザーとして皆さんは価値のある知識や情報を提供します。価値のある内容であっても相手の心に届かず、行動を起こしてもらえなければその情報はあまり有益ではありません。

ストーリーにはいくつものタイプがあります。そのひとつは “me story” と呼ばれています。個人として経験したストーリーです。もうひとつは “they story” でケーススタディーや他のクライアントの例です。次に “we story” があり「私たち」が一緒にあなたのご家族を守るための保険プランを設計することにつながります。

全ての偉大なストーリーに基本構造があります。第一幕は背景設定です。つまりお客さまが現在置かれている状況です。現状を説明し把握していただく場面です。第二幕は矛盾です。お客さまの保険が不十分な状態、もしくはファイナンシャル・プランがない状態で万が一のことがあったらどうなるでしょうか。第三幕は解決策。皆さんの提案するファイナンシャル・プランは第二幕で提示なさった問題をどう解決し、安心して末永く幸せに暮らせる状態にできるでしょうか。

ストーリーテリングと言うコンセプトを紹介しましたのであと2つコミュニケーション・ツールを紹介します。具体的、実行可能、かつ効果的です。

詳細を説明する前に全体像を伝えると言うことが一つです。神経科学の文献に有名な例があります。全体像から始めると理解が早く、覚えやすいということが確認できます。例えば、ランダムにいくつかの単語を言って、覚えてくださいとお願いしたとします。皆さんの脳は与えられた単語を組み合わせて何を表しているかを把握しようとします。

ランダムな単語というのは、例えば、[視覚資料] こんな単語を覚えてくださいと言われたらどうしますか。レインコートと傘次の単語はサンダル。それにブーツと言う単語もあります。ではサンダルから始めましょう。サンダル、次にブーツです。その他の単語は？レインコートと傘何が起こっていると思いますか。脳はそれらの単語からパターンを見つけようとしています。

ではまったく違う方向から見るとどうなるでしょうか。最初に階層的な構造を示します。そして、雨具から始めます。傘、レインコート、ブーツとなります。次にビーチに必要な道具として、サングラス、水着、サンダルと続きます。最初に全体像を把握できると単語も覚えやすくなります。全体像や構造を理解していると、ランダムな単語でも比較的スムーズに情報を受け入れ、覚えることができます。

ではお客さまに全体像を伝える手法を紹介します。ログラインというものです。ハリウッドでアイディアのコンペが開催される場合、脚本家はプロデューサーや映画会社の重役に映画のアイディアをプレゼンテーションします。その際に求められるのがログラインです。その映画を一行で表現すると、ということです。

最高の出来栄えだったログラインを紹介します。スティーブン・スピルバーグは1975年に映画会社の役員に「アイディアがあります。これは海に病的な恐怖心をもつ警察署長がボートの船長や泳いでいる人々に異常な食欲をもつ巨大なサメと戦うという映画です」どんな映画か皆さんにはすぐわかりますね。そう「ジョーズ」です。

TEDトークではスピーチをする方にひとつのアイディアについて話していただくことになっています。どんなに長いプレゼンテーションでもそうですが、普通は18分以下です。そのひとつのアイディアは具体的で覚えやすい内容でなければなりません。講師はひとつのビッグ・アイディアに注力し、そのアイディアをワンセンテンスで説明できなければなりません。皆さんにも良い練習になります。例えば、皆さんは他のファイナンシャル・アドバイザーとどこが違いますか。それを1行か2行の文章で説明できますか。皆さんが提案する商品についても、1行か2行で概要を説明できるようにしてください。どういう機能があり、なぜお客さまにとって必要なのかを説明できますか。それがログラインで、お客さまにとって理解しやすく、それに続くディスカッションに納得を得られるはずです。

最後にバーチャルでプレゼンテーションをする際のコツを紹介しましょう。スクリーン上のテキストはログラインを強化してくれるはずです。つまり、ひとつのキーメッセージを選び、それを説明している間の画面にはそのメッセージを表示するということです。そうすれば目からも耳からも学習することができます。記憶に残りますし、後で配偶者やパートナーに説明する時にも伝えやすくなります。

ここで注意が必要なのは、表示するのはキーメッセージに限り、プレゼンテーション全体を字で伝えようとしない事です。では書ききれなかったメッセージはどうしましょう。覚えやすくて使いやすくて非常に効果的なツールをひとつ紹介します。The rule of three（３のルール）と呼ばれるもので、文章を書く、講演をする、プレゼンテーションをする時に威力を発揮します。全てのストーリーには始まり、中身、終わりが必要です。物語の多くは「３匹の子豚」、「三銃士」、それに3つの願いをかなえてくれる魔法使いのジーニーのように3が鍵を握っています。3のルールは普遍で世界共通です。

人間が記憶していられるアイディアは３つか4つまでだと言われています。従ってお客さまが情報過多にならないように気を付けてください。伝えたい事は3つまでにしてください。保険プランであれば、主な保障内容を3種類、もしくは皆さんのファイナンシャル・アドバイスを導入するべき理由を3つ挙げます。複雑な情報もシンプルなコミュニケーションが有効なので、3つまでと自分にシンプルなルールを決めておくのも大切です。私がお役に立てる3つは何だろうと自問してください。ひとつのメインとなるアイディアがログラインで、その中に3つか4つ補完するメッセージ、例えばなぜあなたにお勧めしたいのか、3つのメリットなどを述べてください。

ではまとめましょう。行動を起こして欲しい相手には3つのポイントに絞り込んで説明する。

No. 1は自分についてやバックグラウンド、経験などのストーリー。これは ”me story”です。No. 2は「they story」で、お客さまやお会いした方のストーリーで相手が共感を抱くストーリー。最後が「we story」でお客さまとご一緒にあなたの夢を実現していきましょうというストーリーです。どのストーリーを選ぶにしてもすべて三幕構成にしてください。まずは覚えておいていただきたいツールです。ストーリーテラーになってください。

次のツールはログラインを編み出すこと。一文でお客さまに知っていいただきたいことを説明できるようにしてください。

最後のツールがビッグ・アイディアを補完する３つのメッセージをまとめる。情報過多や詳細過多でお客さまを砲撃しないでください。3つのルール厳守です。

皆さんのアイディアが大事です。皆さんのコミュニケーション力を高めれば皆さんのアイディアはきっと際立ちます。

Carmine Galloは著書3冊がウォールストリート・ジャーナルのベストセラーになった作家であり、国際的に講演活動を行っています。ハーバードでのインストラクターおよび世界的に有名なブランドのコミュニケーション・アドバイザーを務めています。国際的なベストセラーとなった著書の内容に照らし、高度にカスタマイズし、つながり、インスピレーションあふれるアクションに移せるマルチメディアの基調講演をお届けします。Galloは現代世界で際立つためにブランドも個人も古典的な説得術をマスターする必要があると述べます。

検索結果

検索結果

説得力を磨く3つのツール

説得力を磨こう