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12 23 2021

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これまでで一番の年

今年がベストな年になった6名の会員に秘密をシェアしてもらいました。

金融サービス業に変化はつきものですが2020年の前半にCOVID-19が大流行したとき世界中のMDRT会員はすぐに戦略を変更できるか対応力が試されました。そこでビジネスの運営やクライアントとつながる方法を素早く変更したファイナンシャル・アドバイザーに話を伺うことにしました。この方々は激動の時代に飲み込まれるどころか、新たな成功を見いだしています。6人のMDRT会員は2020年あるいは2021年をこれまでで最も生産的な年にしました。インタビューを通して現状を維持するのがやっとの人々とどのように異なる行動を取ったのかが理解できます。彼らが実践した変革は将来の持続的な成功を約束するものです。

再評価して投資する

パンデミックの初期、経済が混乱し不安が高まる中でファイナンシャル・アドバイザーの役割は一層重要なものとなりました。テキサス州の22年間MDRT会員Mark D. Olson, CFP, MSFSは自身とチームに401(k)のロールオーバー(訳注:資金を別の口座に移す)の依頼が次々と舞い込んでくるようになったとき、通常マーケティング活動に費やしていたエネルギーをお客さまとの関係構築に転換しなければなりませんでした。「COVIDの影響であらゆることが流動的になり、皆が恐怖を感じていたのでファイナンシャル・プランニングのニーズは高まりました。お客さまは自分のプランが間違っていないことを確認したがりました。それを好機と捉え、私達はお客さまに変化を促す機会を得ました」とOlsonは言います。

クライアントが財務や人生設計を見直さなければならなかったように、このパンデミックはファイナンシャル業界の人々が立ち止まって再検討するきっかけとなりました。多くのアドバイザーは世界的なシャットダウンを自分自身とビジネス・事業内容を改善するチャンスと捉えました。

香港の5年間MDRT会員Wong Tsz Ning Zitaはパンデミックが始まったとき多くの同僚が悲観的になったと言います。金融サービス業を辞める人もいました。しかし彼女は前向きでいること、そしてロックダウンを自己啓発の時間にすることが自分にとって最善の道であると判断しました。「状況を変えることはできなくても、受け止め方を変えることはできる」と自分に言い聞かせ、数々のオンライン学習コースに参加し週に一冊のペースで本を読んで創造力と専門性を高めることに専念しました。明るい展望に支えられてWonは2020年にこれまでにない成績を上げ、初めてトップ・オブ・ザ・テーブルの資格を獲得しました。

Laurie A. Leja, CLTCはキャリアを通じて断続的に数人のビジネスコーチと仕事をしてきました。そして2017年前後にアドバイザリーや資産管理の業務をサポートしてもらうために新しいコーチを迎え入れました。「彼女からカードを用いて目標を可視化することを教わりました」とイリノイ州シカゴの19年間MDRT会員Lejaは説明します。どの目標にフォーカスするかを決めて能動態の短い文章にし、それぞれのカードにアイディアを書き込みます。目標に焦点を当て、他人と比較しないようにカードを毎日確認しました。こうして彼女は2020年に過去最高の成績を上げ、2021年はさらに高い数字になると見込んでいます。

過去最高を毎年更新し、ビジネス全体を拡大するには見える化することがとても重要だとLejaは言います。目標を視覚化することは雑音を排除する助けになりました。特に2020年は気を散らすものが少なくて優先したい目標に多くのエネルギーを向けることができました。今後は仕事とプライベートの目標を視覚化したビジョンボードをビジネスプランに取り入れる予定です。

MDRT会員歴7年のAaron Kane, B Bus, AFAは2020年に新しいビジネスコーチを探すことにしました。オーストラリアのメルボルンを拠点とする彼の事業には多くのクライアントがいましたが、その割に収入は多くありませんでした。「変化を求めることやそれをお客さまに知ってもらうことは悪いことではありません。何十年も続けてきたからといって、うまくいかなくなった方法をずっと続ける必要はないと思います」と語りました。

優秀なビジネスコーチに指摘されたKaneは業界標準を大幅に下回る料金を請求していたので値上げが必要であることに気付きました。そこで2020年中に全てのクライアントとの関係をリセットすることにしました。クライアントひとりひとりに金融業界の変化とコストの増加、この仕事に対する情熱を説明しました。その上で新しいビジネスモデルに適合するかどうかはお客さま自身に決めていただきたい、もし合わないなら弊社はお客さまに最適ではないかもしれないがお客さまに合う事業者はたくさんいると丁寧に伝えました。Kaneが理想とするお客さまはそのまま残ったので、非常にやりがいのあるビジネスモデルと顧客関係ができあがりました。

フィーを払っているクライアントは270人から150人に減りました。顧客数の減少によりKaneと9人から成るチームは、より大きな価値を創造し、個々のお客さまに丁寧なサービスを届けられるようになりました。こうした変化のおかげで2021年はKaneにとってこれまでで最高の年になります。「全ての人に良い顔をしようとするのはやめました。今は適切な対価を払ってくださるお客さまのためにビジネスをするようにしています」と語っています。

バーチャル化へ

Olsonは2021年の第3四半期に、今年が30年のキャリアで最も収益が高い年になると推定しました。数年前テキサスに移った直後、直接会えなくなったクライアントとつながるためにバーチャル会議を取り入れ始めました。その当時はテクノロジーの導入がパンデミックによるロックダウンの際、時代を先取りする助けになるとは考えてもみませんでした。

「パンデミックの最初の数ヶ月間、車のヘッドライトを浴びて身動きが取れない鹿のようにならずに済みました。緊急事態にすぐに対応し、ロックダウンの当初から全てのクライアントと話をしました」と言います。

パンデミックの最初の数ヶ月間、車のヘッドライトを浴びて身動きが取れない鹿のようにならずに済みました。緊急事態にすぐに対応し、最初から全てのクライアントと話をしました。
— Mark Olson

バーチャル・ミーティングの技術をいつでも使えるようにしていた用意周到な金融のプロは、業界内での優位性を維持しました。Lejaの場合、パンデミックの何年も前からバーチャル会議がビジネスの大部分を担っていたのでやり方を変える必要は全くありませんでした。

「ここはシカゴです。皆忙しいし交通渋滞もあるので、弊社まで車で来たがらないお客さまもいます。そのためパンデミックの5年前からバーチャル会議を行ってきました。必要なものは全てそろっていたので、途切れることなく移行することができました」と述べます。

最先端の技術を積極的に取り入れ設備を整えていた会社も一定数ありましたが、2020年は対面式の面談が初めて選択肢から排除されたため多くのアドバイザーは不意を突かれました。変化から逃れることはもはや不可能で長年のやり方を捨て、テクノロジーをアップグレードすることが本当に必要になりました。

Carla Brown, FPFSはこの業界で24年のキャリアを持つベテランで、10年前に独立しました。その後ビジネスの構築や再設計に力を注ぎ、2021年は過去最高の業績になりました。チームはお客さまのポータルサイトを新たに作り、ビデオ会議、安全を確保したメッセージング、電子署名、書類の管理など全てを1ヶ所にまとめています。

「大きな変化でした。以前よりもっと準備ができるようになりクライアントとの面談はより前向きなものとなっています」と英国で4年間MDRT会員をしているBrownは述べました。

今後は次々と開発されるバーチャル・プラットフォームでコミュニケーションを維持するつもりです。最初のころはバーチャル会議がクライアントとの関係に悪影響を及ぼすのではないかと心配し、移行をためらっていました。しかしBrownも同僚もここ2年間バーチャルを利用してみて人間関係が以前とちっとも変わらないことに気付きました。むしろクライアントは都合の良い場所から参加できるので、以前よりくつろいでいました。「お客さまは他に気を取られることなく、面談に集中していました。おかげで弊社のサービスの良さをもっと際立たせることができました」とBrownは言います。

今後はオフィス内のハードウエアが目的にかなっているか常に確認することにしています。ノートパソコンやモニターは壊れたり使えなくなったりするまで置いておくのではなく、定期的に交換します。変化を受け入れることにもっと積極的になる必要がありますが、最も重要なのは変化を恐れないことだと考えています。

クライアントとの関係を強化する

Chun Ling Hoは紹介による顧客層の拡大を最重要課題にしており、2020年は過去最高の業績を上げ多くの業界賞を受けました。

「特にパンデミックの間は誰もが愛と世話を必要としています」と香港の18年間MDRT会員は言います。ここ2年の成功を振り返ると、お客さまと定期的に関係を維持することがその根幹にありました。パンデミックの間、クライアントとのつながりを強化するためにあいさつ状を送ったりWhatsAppのメッセージでお客さまの健康状態をチェックしたりと小さいながらも意味のある工夫をしてきました。

バーチャル面談はお客さまのためにもっと多くの時間を投資し、強固な人間関係を構築する機会になったと多くのファイナンシャル・アドバイザーは感じています。

Lejaは30年前に医師を対象にビジネスを始め、この業界での地盤を徐々に固めてきたと語ります。彼女は長年にわたり変わることのない信頼を築いてきました。最前線で働く医師達は今でも顧客の大部分を占めており、パンデミックが発生するとこれまでにない注意深いケアが必要とされました。何十年にもわたって築いてきた関係は2020年にさらに強化されました。

「お客さまひとりひとりに連絡をとって無事を確かめ、遺言書や法的書類がそろっていることを確認することは本当に重要でした」とLejaは言います。

この仕事で最も大切なのは信頼を得ることです。ファイナンシャル・アドバイザーを探すのにネット検索をする人はいません。ラジオやテレビの広告で決める人もいないし、図書館に行っても見つかりません。通常は知り合いに信頼できる人はいないか尋ねるはずだとLejaは言います。お客さまからの信頼は多くの紹介を生み、Lejaのクライアントは増え続けています。

助けを受け入れ、休息を取る

在宅勤務が必要になった現在、働き過ぎや自分の許容量を越えていると感じて燃え尽き症候群になる危険性がかつてないほど高まっています。重要なのは立ち止まり助けを求めるタイミングを知ることです。2020年以降はチームにアシスタントを加え、仕事を委任して休みを取ることがプロデューサーの成功にとって必要不可欠になりました。

Kaneは海外を拠点とするバーチャル・アシスタントに投資し、フルタイム契約でチームの一員と見なしています。クライアントとの関わりがない管理業務でKaneをサポートし、国内のチームはお客さまにとってより価値の高い業務に集中します。

Brownもまた2020年にオペレーション・マネージャーを迎え入れました。このメンバーには事業の日々の運営を任せています。これによりBrownはお客さまと緊密に協力し、密接な関係を築くという自分が愛してやまない仕事に多くの時間を使えるようになりました。

Lejaによれば一緒に遊ぶチームは団結します。仕事以外の時間や社員が集まって楽しむ時間を企業文化として大切にするなら、従業員の士気は大いに上がります。

ここで紹介した生産性の高いMDRT会員は仕事のペースを落とさざるを得なかったこの2年間、例年より多くの休暇を取りました。彼らは今後もたくさん休みを取ると決めています。

Contact

Carla Brown carla.brown@sjpp.co.uk

Chun Ling Ho cl_ho@manulife.com.hk

Aaron Kane aaron@ekfinancialgroup.com.au

Laurie Leja laurie.leja@nm.com

Mark Olson mdolson67@gmail.com

Zita Wong zita.wong@pruhk.com