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True Tales: 死亡保険も手を抜かない
True Tales: 死亡保険も手を抜かない

5 01 2023 / Round the Table Magazine

True Tales: 死亡保険も手を抜かない

Brian Keaneが初めて経験した死亡保険金の案件は大事な学びとなりました。

対象のトピックス

私がまだ仕事を始めて間もない頃、会社のコンテストに挑戦していました。入社から半年以内に生命保険の契約を50件お預かりすると表彰されるというもので、新米アドバイザーが最初の3年を乗り越えられるかどうか会社が見極めるためのイベントでした。

人脈作りや見込客探しに奮闘していたある日、先輩が仕事の調子はどうかと声をかけてくれました。「絶好調です。来月あと2件お預かりできれば、コンテストに入賞できます」と答えました。

その頃ネットワーキング・イベントで知り合った女性が生命保険は必要ないけれど私の力になりたいと言ってくれて「夫に一番少額の保険を勧めてはどうか」と提案してくれました。その方のご自宅に行き、私は保障額が25万ドルで5年間の定期保険を提案しました。最終的に10万ドルの保険契約をお預かりすることになりました。それは当時定期保険でお預かりできる最低額でした。本当はもっと高額な保障が必要だと思いましたが、彼女が好意でしてくれたことなので保障額についてはおっしゃる通りにしました。このご契約により私は新人賞をいただくことができました。

その数年後、その女性のご主人は眠っている間に亡くなりました。皆さんは保険金請求の体験談や家族から感謝された話、問題が解決したという話を何度も聞いたことがあると思います。初めての死亡保険金をお届けするときに、この仕事の重要性と真価が分かるとも言われます。私はこの仕事の2つの大事な局面を体験し、生命保険の価値をより深く理解しました。

興奮と不安、そして緊張の中、保険金請求の書類を持って彼女の家に行きました。当時は仕事を始めてまだ数年目で保険金請求は初めてでした。「正しいことをした。請求書ではなく、お金を持って現れるのだから私はヒーローだ」と思っていました。

玄関でご主人の兄が私を出迎えました。他の人は誰も私に話しかけようとしません。彼は家の外に出るとドアを閉め、保険を販売したアドバイザーは私かと尋ねました。

「はい、そうです」

「お前の仕事は何だ? なぜたった10万ドルの保険に加入させたのだ。弟は大黒柱なのだからもっと大きい保障額が必要だった。妹の人生は台無しだ」

このぶっきらぼうな叱責は私が思い描いていた対応とは違っていました。ご夫婦は保険に入りたいとも思っておらず、コンテストのために私を助けてくれただけです。ご加入後、保障額の増額を勧めましたが断られました。前年のレビューでも再度増額を提案しましたが、今の保障内容で十分、それ以上は必要ないとおっしゃいました。

保険会社が保険金を支払い、加入していたからこそ得られた10万ドルを彼女は手にしました。しかしその後、彼女からの連絡はありませんでした。

今では、死亡保障の金額を下げようとする人がいると、この話をして必ず適正な保障額を確保することにしています。申し込みの時点では大金だと思っても、実際に保険金を受け取るときには頼りなく感じるものだとお伝えします。私が初めて対応したご家族が保険金を手にしたことを誇りに思う一方で、大きな問題を解決するには不十分だったことを申し訳なく思っています。この死亡保険のケースは、今でも私の仕事の戒めとなっています。あのような思いはもう二度としたくありません。

Brian Keane はニューハンプシャー州Manchesterの11年間会員です。連絡先は bkeane@pandkfinancial.com