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つなぎ留めるか分かれるか
つなぎ留めるか分かれるか

5 01 2023 / Round the Table Magazine

つなぎ留めるか分かれるか

期待値を設定し、後援者(COI)との関係改善の努力に値するかを判断する。

対象のトピックス

会計士、自動車ディーラー、弁護士とのコネクションを確立すれば全ては自動的にうまくいくはずだと思っていませんか。しかし実際はイエスのときもあればノーのときもあります。このMDRT PodcastのエピソードではMDRT会員がCOI(影響力のある人・後援者・インフルエンサー)との関係を確立した後の互恵関係の維持に関する知見を紹介しています。

参加メンバー:

Alessandro M. Forte, FCII, FPFS 25年間MDRT会員(英国ロンドン)
Renee Hanson, CFP, CDFA 11年間MDRT会員(アリゾナ州Phoenix)

Hanson: 私達はよく「COIにどんな価値を提供するか」について話題にします。しかし私達が互恵関係であるならば、COIも私達に何らかの価値を提供してくれなければなりません。私達の疑問に答え価値を提供してくれるのか、私達のビジネス構築に貢献してくれるのか、あるいは知人を紹介してくれるのか。かつてある弁護士がいました。ロースクールを出たばかりの新卒ではなかったのですが、比較的新人でした。彼女と3年間接触しましたが、一度も紹介をくれませんでした。最後の面談では「どうすれば信頼してもらえたのか」という点を具体的に尋ねてみました。彼女の信頼と信用を得て紹介を得るに至らなかった点、改善すべき点を解明しようとしたのです。彼女は私達がいかに素晴らしいか、そして私達を常に最優先に考えているという申し分の無いフィードバックをくれましたが、実現されていませんでした。

彼女は法律事務所で出世したことを雄弁に語りました。とても裕福なお客さまを得たのでワクワクしているという話をたくさんしていました。私達は「公認会計士のお客さまが間もなく退職することになり、自分の顧客リストを売りたいと考えている」と話しました。すると彼女は2人の女性公認会計士を知っているのでその人達を紹介すると言ったのです。私達は1週間待ってフォロー・アップし、さらに1週間待って再度連絡しましたが返事は来ませんでした。私達のことだけでなく、2人の公認会計士の友人のことも気にしていない様子でした。そこで彼女をトップCOIリストから外しました。それ以上の関係を続ける理由が無かったからです。重要な質問をしても返事をくれなかったからです。

結局、その引退する会計士のお客さまを私達が提携している別の公認会計士事務所に紹介したところ、その事務所と良い関係ができて彼女のビジネスを買うという話に発展しています。私達のビジネスやお客さまに目に見える価値を提供できないのであれば、その人物をCOIリストから外すこともやぶさかではありません。

Forte: アドバイザーはそもそもCOIとつながる動機が何なのかを明らかにしておく必要があります。先方に包括的な価値を提供したいのか、それともビジネス・チャンスをうかがっているのか。この2つの目的は大きく異なります。新たな関係を築いたとき、昼の後に夜が来るように、当然のごとくビジネスを持ち込めば、せっかくの関係のほとんどはすぐ死に絶えてしまうでしょう。正しい意図を持ち、自分の考え、行動、仕事、お客さまへのサービスのあり方に合致するプロフェッショナルと信頼関係を構築することが大事です。率直に言って金融のプロとしてまともな仕事をしていれば、そのような理想のCOIにはほとんど巡り合いません。多くのカエルにキスする必要があります。薄っぺらで安請け合いをする人にたくさん出会うことになります。

その人との関係が恩恵をもたらすかは時間と経験だけが教えてくれます。私達が苦労するのはCOIにアプローチするだけでなく、「何かおかしい」と直感的に感じたときに「至らない点があるのか、もっとサービスを改善できるか」と定期的に問い掛けてチェックする習慣を身に付けることだと思います。

ニッチな分野や専門分野を見つけることが重要かもしれない、という説には同感です。全てのチャンスにイエスと言う必要はありません。ビジネスにおける最高のお客さまは信頼関係が最も強固な方であり、最も裕福なお客さまとは限りません。COIと強力な関係を築き、一度だけ紹介を受けたら全力で尽くすべきです。なぜならそれは素晴らしい紹介になるはずだからです。義理から気のない紹介を6件受けるより、本当に良い紹介を1年に1件受けるほうが良いのです。そうでなければビジネスは成長しません。

Hanson: 私はCOIとの関係をデートに例えています。2回目、3回目のデートに進むかどうかを判断するために早い段階で期待値を設定する必要があります。COIに「どのようなお客さまがベストだとお考えですか」と尋ねることによって「私の理想のお客さまと一致します」と同意を示し、専門的知識だけでなく性格の一致も求めていることを率直にCOIに伝えることができます。本物であること、ありのままの自分でいることを恐れないでください。皆さんが得意なことと理想の顧客のプロフィールを伝え、相手の仕事にも理解を示すことで、お互いの関係を築き、2回目、3回目、4回目のデートに発展させられます。

ポッドキャストでこのエピソードのフル・バージョンがご視聴いただけます。mdrt.org/maintaining-coi-relationships

CONTACT

Alessandro Forte sandro@forte-financial.co.uk
Renee Hanson renee.a.hanson@ampf.com