ご近所さんの家庭金融を支えるオールドルーキー ~郵便局から58歳にしてフルコミッションの道へ~
友廣伸司会員(大阪府)は、高校を卒業後すぐに国家公務員として郵便局員になりました。郵便物をバイクに乗って配達する日々から始まった社会人生活。数えきれない多くのご近所さんとのかかわりのなかで、家庭金融を支えるファイナンシャル・アドバイザーとしての資質が備わりました。安定志向からフルコミッションのビジネスへ。友廣会員の地域に根差した活動についてお聞きしました。
高校を卒業して郵便配達員に
昨年60歳の還暦を迎えた友廣会員は、遡ること42年前、高校卒業後に郵便局員として社会人生活をスタートさせました。当時の郵便局員は公務員で、国家公務員試験の合格者が国の機関や郵便局などの国営事業で採用されるという状況でした。「もともと安定志向が強かった」という友廣会員は、多くの同級生が大学へ進学する傍らで、来る日も来る日も朝から晩まで郵便物をバイクで配達するという日々を送っていました。当時の郵便配達員は、配達だけでなく配達先の家庭への商品販売も行っていたといいます。地域の名産品や季節のフルーツなど、現在であればインターネット直販を利用するような特産品の販売です。新人配達員の友廣会員はいつも販売成績が良好でした。母の日のカーネーションの花を贈るという企画があって、これがとても良く売れたといいます。「もともと配達先のご近所さんと話すのが好きで『もし良かったら大切な人へ贈りませんか』と声をかけていました」という友廣会員。販売成績は郵便局のなかで第2位。トップだったのは現在所属する保険代理店の社長でした。当時から仲の良かった二人が出会ったのは、京都のある郵便局でした。
郵便局の金融部門に抜擢
安定志向が強い一方で、「凝る性格」だという友廣会員は郵便配達の傍ら夜間大学に入学し勉強を続けました。家庭が苦しくて郵便局員になった訳でなく、あくまで「安定志向」のなかで選んだ就職でした。しかし大学は卒業しておきたいという強い希望もあり、しっかり大学での勉強にも熱を入れていたといいます。また、友廣会員はこの時期、スキーにも熱中するようになりました。「凝る性格」の友廣会員のスキーの技量はみるみる向上し、なんと大阪代表として国体選手に選ばれるまでになったといいます。当初から特産品の販売で優秀な成績を収め、何事にも着実に取り組む友廣会員を郵便局の上司が見逃すことはありません。友廣会員は、郵便配達員を卒業し貯金や保険を扱う郵便局の金融部門へ抜擢されることになりました。
ガン発病を転機に転職
郵便局の金融部門に異動した友廣会員には、地域に密着して近所を練り歩くような営業が合っていました。「外を出歩いて、ご近所の方々と会話すること自体が好きなのです。日々の会話のなかからお勧めできそうなものがあれば金融商品のお話をしていました」というスタイルで常に好調な成績を収めるようになりました。しかし、こうした長い安定した生活が揺らぎはじめる事態が突然、波のように押し寄せてきました。最初の波は、2019年のかんぽ生命不正問題です。この問題で、それまでのように近所で気軽に会話することが難しくなりました。第2の波は新型コロナウイルス感染症の拡大です。友廣会員が得意なフェイス・トゥー・フェイスのコミュニケーションができなくなるという異常事態が続いてしまいました。さらに第3の波として、友廣会員を病魔が襲いました。これまで安定志向の人生を歩んで着実に成果を挙げてきた友廣会員は、ガン発病という自らの身体の変調で安定を続けることの儚さを痛感することになりました。こうした3つの波に襲われた最中に、20代の頃からともに郵便配達員として切磋琢磨していた保険代理店の社長からファイナンシャル・アドバイザーとしての新たな人生を薦められました。病院のベッドの上で「こんな体調になってしまったが、こんな俺でもパートナーとして迎えてくれるか」と友廣会員は社長に聞きました。「もちろんです。友廣さんの実力は私が一番知っています」とかつてのライバルは明るくはっきりした口調で応えてくれました。
ご近所さんの家庭金融を支える
すでに58歳を迎えていた友廣会員は3つの逆風を受けて、「安定志向」からフルコミッションのファイナンシャル・アドバイザーという新たな道を選択しました。所属した保険代理店は郵便配達員の時代、20代の頃からお互いに励まし合い、時に特産品の販売数を競い合っていた郵便局の同僚配達員が社長です。すでにトップ・オブ・ザ・テーブル(TOT)として活躍する社長の坂本正勝会員のパートナーとして、友廣会員は初年度からMDRT基準を達成し新たな道で着実なスタートを切っています。郵便局員時代もファイナンシャル・アドバイザーとなった今も、友廣会員の営業スタイルは変わっておらず、100世帯前後のお客さまを対象に営業活動を行っています。「外を出歩いて、ご近所の方々と会話すること自体が好きなのです」という友廣会員は、ご近所さんの家庭金融を支えることを大切にしています。もともと農家の家庭で育った第2世代や都市部で働くアッパー層のサラリーマン世帯、地域のお医者さんなど、友廣会員が地盤とする郊外の住宅地ならではのさまざまな人が潜在的なお客さまになっています。ご家庭で保険の話をすると、子どもたちも集まって話をすることがあります。友廣会員は、変額保険や外貨建保険など、注目される保険商品があると、まず自ら加入し試してみます。自分自身の家庭金融の目線で実感を交えて人気のある保険商品のメリットを紹介すると、子どもたちから「これ絶対いいやん」といった声がかかるといいます。郵便配達から始まった長年のご近所さんとの付き合いで、家庭での金融の大切さを伝える術をすでに身につけていました。ご近所さんには、相続の問題で悩む人たちも多くいます。こうした相談にも家庭金融の目線で分かりやすく説明することがとても大切だといいます。郵便配達の時代から培ってきた「お客さまが主人公をモットーに、お客さまに寄り添う」という友廣会員のスタイルで、家庭金融を支えるファイナンシャル・アドバイザーを体現しています。
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