14年間MDRT会員のRudy Setiawanはサービスが行き届いていない農村部と都市部で見込客探しをする際、この2つの地域に共通点があることに気付きました。それは予期せぬ事態が発生した時に保険が家族を経済的に守れることを理解していない点です。
「中流階級から上流階級が多く住む地域を訪れましたが、ファイナンシャル・プランニングに関しては従来の貯蓄や預金という概念しかありませんでした。保障としての保険の概念を説明しようとしたとき、多くの質問が出ました。そこで村役場に交渉して地域住民を集め、保険とは何か、なぜ保険に加入することが重要なのか理解できるまで質疑応答をすることにしました」
保険は万が一の事態に備えるためのもので、商品によっては保険料が必ずしも預金のように利益を生むとは限りません。しかし病気や事故で働けなくなり、収入がなくなったらどうなるかを考えてほしい、と聴衆に訴えました。貯蓄があれば医療費をある程度賄えるかもしれませんが高額な医療費が必要になれば借金は免れません。地域住民の理解を得るために自身の経験をシェアしました。
アドバイザーになる前、Setiawanは自分と妻のために保険に加入しました。2年後、彼女が腹壁がんのステージ4と診断され、手術や通院、そして2年間にわたり複数回の化学療法が必要となりました。残念ながら、彼が加入した保険は入院日額給付のみで、治療費は対象外でした。その結果多額の負債を抱え、最終的には破産に追い込まれました。そして不幸にも彼女は亡くなりました。
「保険に加入しているから万全だとは言い切れません。特に間違った保険を選んだり、内容をきちんと理解していなかったりするとなおさらです。全く保険に入っていない方はさらに危険です。人生のリスクはいつでも誰にでも起こり得ます。病気、事故、後遺障害、死、老いから完全に逃れられる人はいません」と述べます。
村での見込客探し
Setiawanはインドネシアのへき地における見込客探しを通じて、忍耐を学びました。現地に溶け込み農業、漁業、貿易といった地域資源について調査し、住民の購買力を見極めました。商人たちは一般的に教育水準が高く、子どもたちはジャワ島や海外で学んでおり、健康に強い関心がありました。そこで彼らを話しかけやすいターゲットに選びました。また、同地域の病院や保健センターにも注目しました。医師や看護師、医療従事者といった有望なターゲット市場が数多く存在するからです。
「彼らはすでに医療費をカバーする保険の重要性や、老後資金の必要性を理解しているので、保険の利点を説明するのは比較的容易でした」と語ります。
趣味を通じて繋がる
アドバイザーを始めたばかりの頃、Setiawanは店舗経営者をまわり営業していました。「当時はまだ保有契約件数も少なく、私の選択肢も限られていました。この仕事に導いてくださった方から教わった方法を実践していただけでした」と言います。
観賞魚の展示会で出会った方がいました。最初、私はこの趣味に興味がありませんでしたがその方との距離を縮めたい という想いから、観賞魚を飼うことにしました。
—Rudy Setiawan
その後、未開拓市場で見込客探しの戦略を洗練させ、徐々にそのコミュニティに溶け込んでいきました。特に趣味を通じた繋がりが重要なカギとなりました。ゴルファー、魚や鳥の愛好家、そしてスピリチュアルな探求者たちと交流し人間関係を構築しました。
「趣味にお金をかける人が多く、保険営業に最適な市場です。また、スピリチュアル・コミュニティには忠誠心のある寄付者が多くいます。ただし、こうした人々に性急に商品を紹介することはしませんでした。まず信頼関係を築き、適切なタイミングでプレゼンテーションをさせてほしいと依頼しました。私はこの方法を『黄金の橋』を架けるアプローチだと捉えています」と言います。
都市部の市場
都市部の市場には経済的に安定している中・高所得者が多くいますが、保険の重要性に対する理解が不足しているという点ではサービスが行き届いていない市場と言えます。
「多くの人が保険に加入するのはお金の無駄だと考え、自分はいつまでも健康でいられると思い込んでいます。医療費がどれほど高額になり得るか経験したことがない、あるいは認識がないのかもしれません。保険は病気になった時に資産を売却せずに済むよう守るものです。保険があれば予期せぬ出来事で全てを失うことはなく、安心して生活できます」と述べます。
都市部では多忙な見込客が多いため、アポイントメントを取るのが難しいことがあります。そこでSetiawanは趣味を彼らとの交流のきっかけにしました。
「趣味のコミュニティにアプローチしました。忙しい人でも必ず趣味を持っています。観賞魚の展示会で出会った方がいました。最初、私はこの趣味に興味がありませんでしたがその方との距離を縮めたいという想いから、観賞魚を飼うことにしました。そして観賞魚の世話の仕方を教えてほしいと頼みました。それ以来、彼の家を頻繁に訪れ、さらに詳しく学ぶようになりました。私たちはまるで兄弟のように親密になり、彼は私を家族や友人、親戚にも紹介してくれました」と語ります。
さらにお客さまとのコミュニケーションに共感や傾聴する姿勢を示すようにしています。
「お客さまに安心していただければ全てがスムーズに進み、信頼を得やすくなります。ファイナンシャル・アドバイザーとしてさまざまな情報やアドバイスを無理のないペースでわかりやすくお伝えすることで、お客さまのニーズに合った最適な解決策を提供できます。信頼を得た後は、それを維持するために迅速な対応を心掛け、お客さまが必要とするときに常に寄り添い、サービスに満足いただけるよう努めています」と語りました。