極めて高収入なのに高度な教育を必要とせず、年間わずか5カ月の勤務でよい仕事があります。しかし、Ryan Jake Perkins, CFPには興味がありません。
もう少し掘り下げましょう。
実は7年間MDRT会員のPerkinsは以前、カナダのオンタリオ州北部最大の産業であり、北米で最も危険な職業のひとつである金鉱山業で5年間働いた経験があります。10年以上経った今でも、地下1,500mでの初日のことを鮮明に覚えています。アンモニア、水、泥、そして油の臭いが鼻を突き、中にはその匂いで気を失う人もいました。鉱山で働いていた頃からいつか指導的な立場に就きたいと思っていました。
現在は鉱山労働者として働くのではなく、かつての同僚を支援しています。なぜなら彼らの多くはレジャー用の車やスノーモービル、その他のローン返済に苦労しているからです。
今年末までに2,800人の顧客を扱うまで拡大する予定の会社(代理店)で500世帯の顧客を担当するPerkinsは「鉱山労働者は多額の収入がありますが、貯蓄は好きではありません」と述べます。きちんと計画を立てて収入の範囲内で生活するように指導するのは難しい課題です。
より深く
例えば3年前、高級車とスノーモービルだけでなく、それらを牽引するためのトラック、各車両用のトレーラー、キャンピングカー、水上バイク、そしてそれらのおもちゃに必要な燃料やメンテナンス費まで、過剰な支出をしている方を紹介されて面談しました。なぜこんなにたくさん購入したのか、全てを必要としているのか、そしてこれからもこのペースで購入したいのかを尋ねました。
お客さまは友人があれこれ買っているので対抗心で買ってしまっただけで、こんなに稼いでいるのにいつもお金がないのはなぜなのか理解できない、と答えました。Perkinsの積極的な債務返済計画により、その方は月額500ドルの資金の余裕が生まれました。さらに最近、月額2,500ドルの貯蓄計画を開始できました。
鉱業ではワイリー・コヨーテのようにいつも爆破が起きていると誤解している保険会社が多いようです。
つまり収入の大部分が返済に消えていた状態から、毎月 3,000ドルも節約できるようになったわけです。
最初はあまり大きな契約をお預かりできる状況ではなくとも、何十年もすると長期投資が功を奏して百万ドル規模の顧客になる可能性があり、貯蓄計画の拡大や定期保険から終身保険への切り替えなどが期待できます。
とは言え、それは良識のあるお客さまの場合です。いつもうまくいくとは限りません。鉱山労働者が年金や資金管理の助けを求めてくると、Perkinsはプランニングの一環として最初は無償のサービスを提供します。それでも消費を管理したくない方はそのプランの実行すら拒みます。年金だけ何とかしてほしいと言うのです。「今日が良ければいいんだ。明日のことは気にしない」と言い放ち、高級車から毎朝のコーヒーに至るまで大盤振る舞いを続ける人もいます。
Perkinsは「プランを実行していただけないならばお助けできません」と毅然とした姿勢で臨みます。
「プロとして粘り強く」対応するためにお客さまの言葉を使って切り返すこともあります。例えば「ご家族を大切にしているとおっしゃいましたよね。アドバイザーの提案はご家族を守るためのプランです」。これで気付いてくださる方もいますが、響かない方もいて時間がかかります。ある方は膨大な負債を抱えてPerkinsの助けを求めましたが、解決策を拒否しました。やっとアドバイスに従って2年が経過したころ、銀行には30,000ドルの預金が積みあがっていました。その後もPerkinsのアドバイスに従い、今ではさらに50,000ドルの貯蓄に成功しました。
一方、鉱山労働者たちが直面するリスクにはどのように対処しているのでしょう。
調べる
鉱内で岩が落下しないよう保護するスクリーンを設置するなど新しい法律による安全対策のおかげで、仕事は以前より格段に安全になりました(Perkinsの古くからの友人は8年前に大きな岩が首を直撃し、命を落としました)。しかしそうした進歩を知らない保険会社も少なくありません。だからこそお客さまの雇用状況によって生命保険や重大疾病保険の医務査定を受ける際のレターを用意し、お客さまを支援することで差別化を図っています。
レターでは採掘作業の詳細を説明し、採掘方法の違いを示し、年間約60トンの金産出量を誇る鉱山における安全対策について説明します。
「鉱業ではワイリー・コヨーテのようにいつも爆破が起きていると誤解している保険会社が多いようです。採掘作業は思いのほか安全なのだと理解していただくことが重要です」と言います。
鉱山労働者は多額の収入はありますが、貯蓄は好きではありません。
なお、鉱山労働者は就労不能保険に加入できないのですが、地質学者、エンジニア、プランナーであれば加入できます。
もちろん鉱山にはさまざまなリスク(洪水、火災、崩落など)があり、恐怖を克服できず辞めてしまう人や、重労働に耐えられなくなり早期退職を余儀なくされる人がいるため、アドバイザーは転職の支援もしています。
例えば、鉱山労働の初心者はトレーナーに昇進し、次にシフトリーダー、そして安全管理責任者に昇進できる可能性があります。また実際の採掘作業ではなく、車両の運転のように労力の少ない仕事に従事することもできます。
鉱山労働者の年金やストック・オプションの変更などPerkinsが知らないことがあるときは、いつでも友人や兄、父親に尋ねられます。祖父も伯父も以前は鉱山労働者でした。
「ほとんどの鉱山労働者は自分の仕事に誇りをもっていて、仕事の内容を話すことを楽しんでいます」
若い方にはPerkinsの鉱山での経験を共有し、親しみを持ってもらえるように努めます。一方、ほんの数年の経験は役に立たないと思っている年配の鉱夫たちには、自身の経験に触れないことにしています。
「鉱山労働者の家庭で育ったので、高齢者は父のように鉱山で40年働いた人でもない限り本物の鉱山労働者じゃないと思っていることを知っています」