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マンションビルの購入という比喩でリタイアメントと投資を説明。
マンションビルの購入という比喩でリタイアメントと投資を説明。

1 03 2023 / Round the Table Magazine

マンションビルの購入という比喩でリタイアメントと投資を説明。

リタイアメントの投資ポートフォリオはマンション経営のようなものとクライアントに説明する。

対象のトピックス

リタイアを控えたお客さまから最も多く聞かれるのが「リタイア後、どのように財産を管理すべきか分からない」というご意見です。テクニカルな情報やその背後にある思考プロセスを言葉で説明することはできますが、それだけではお客さまの理解を得ることはできません。ストーリーや例え話でコンセプトを説明する方がはるかに有効です。私は長年、分かりやすい例え話を見つけるのに苦労していましたが以前使っていたオフィスの向かいにマンションが建設されたときにひらめきました。

ビル建設をポートフォリオの構築に例える

退職後資金のポートフォリオを構築することは、マンション建設と似ています。キャリアを積んで1フロアずつビルを建設します。毎年お金をため、投資総額を増やせば複数のフロアと住戸を持つ大きなマンション・ビルを建てることができます。退職後はビルの建設を中止し、テナントを満室にすることにフォーカスします。焦点は「成長すること」から「収入を得ること」へと微妙に変化し、家賃の受け取りがスタートします。

マンション管理

当社では、厳選された数名の管理者が建物の管理と家賃の徴収を行います。しかし実際のビル経営とは異なり管理者は四半期ごとにテナントの財務状況を確認し、家賃が滞りなく支払われるように留意します。管理者が不安を感じた場合は速やかにテナントを退去させ、より条件の良いテナントと入れ替える場合もあります。

運用コストの保証

長期的に見れば建物や土地の価値は上がると確信しています。しかし、大規模修繕やリノベーションのための資金が必要になることも事実です。そこで私達はプランニングに「保険レイヤー」を組み込んでいます。投資のレイヤーには一般的に金利保証が含まれ、建物やテナントの状態にかかわらず大きな出費が発生したときに、常に現金を確保できるようになっています。

通常3年から5年分の収入や賃貸料をカバーするのに十分な資金を保険で確保したいと思います。この資金を使わないことを望みますが、2008年に起きたリーマンショックのような出来事が再び起こるかもしれません。そのような危機でも建物に抵当権を設定したり、一部を安値で売らざるを得なくなるような状況は絶対に避けたいのです。このような保険レイヤーを設けることで建物を維持し資金計画を長期間にわたって維持することができます。

マンションの売却

少し話がそれますが投資ポートフォリオには建物にはない利点があります。それはマンションとは違い、個別に売却できることです。金融資産であればマンションを階層化し、時期を選んで部分的に売却するようなことは珍しいことではありませんし、特に問題でもありません。しかし建物や住戸の価値が上がり、インフレで出費が増えた場合、晩年を乗り切るためにこの追加資金が必要になることがあります。確かに収入源となる部屋数は減りますが、適切に計画すれば、必要に応じて建物の一部を売却することで余裕が生まれ、死ぬ前にすべてを売却しなければならないというリスクを回避することができます。

もちろん住戸を売却せざるを得ない状況を回避することが理想です。しかしスタート時に建物の規模が十分でなかった場合、最後まで支払い能力を損なわないために、必要なプロセスと見ることもできます。

お客さまにとっても退職後のポートフォリオを考えるときに、この例えを念頭に置くことは心理的に大きな強みになります。投資ポートフォリオも不動産価格も上下することは分かっています。では、なぜビルのオーナーは不動産価値の上昇や下落をあまり気にしないのでしょうか。一方、多くの投資家は資産価格の下落を大変心配します。

この例えがお役に立てば幸いです。ぜひ、お客さまに試してみてください。

Bryson Milleyは、カナダBritish Columbia州Vancouverの21年間MDRT会員です。コンタクト先:bmilley@rgfwealth.com

記載されている見解は筆者個人のものであり、必ずしもRGF Integrated Wealth Management社の見解と一致しません。