約10年前に私はBobとCarolynとビジネスをすることになりました。当初このご夫婦はファクト・ファインディングで情報を共有することに非常に消極的でした。彼らの心配は資金を失うことでした。また現在よりも良いリターンを求めていました。いくつかの少額の個人年金に加入していて、私は半年ごとに丁寧なフォローアップを行い、年金に追加投資する意向があるか確認しました。彼らには当初「今は大丈夫です」とガチャンと電話を切られることもありました。
私のアドバイスを全て受け入れてくれたわけではありませんが、粘り強くアプローチすることで段階的な変更を促し、次世代のために準備を整えるだけでなくお子さまたちとの二世代計画を始める足がかりをいただきました。
私は彼らの資産を整理しバインダーに書類をまとめて保管するという大きな貢献をしました。ついにBobから「資産の整理とアップデートをもう一度手伝ってほしい」と依頼され、進捗状況を継続的に報告できるようになりました。私と面談を重ねるほどに打ち解け、年金保険の追加を継続しました。
最終的に年金にかなりの金額を投資し10年間で50万ドルから75万ドルに増えました。しかし80代半ばとなり健康問題が浮上しましたが、ふたりとも長期介護保険の加入に消極的でした。約3年前に「長期介護保険に加入するつもりがないならせめてこの資金の一部をお子さまたちに贈与することを考えてみてはいかがですか」と提案しました。その後ふたりは4人の成人したお子さまたちに資金の一部の贈与を開始しました。
贈与を始めてから約2年後にBobは介護施設に入所しなければならなくなりました。子どもたちは年金から年間約 6万ドルを受け取っており、そのおかげでそれぞれ負債から抜け出し、経済的な困難や問題を乗り切れていました。ご両親には柔軟に対応したかったので年金保険に慢性疾患と介護施設の特約を付け、長期介護が必要になった場合に備えました。現在、年間6万ドルの給付金は介護施設費用に充てられています。
BobとCarolynが年金に追加投資を始めたとき、子どもたちも含めたグループ会議を行いました。重要な決定だったので成人した子どもたちにも同席してもらいたかったのです。私たちがやろうとしていることの価値を理解してもらい、お子さまたちの誤解を解きたかったのです。ご両親のケアに取り組む私の本気が伝わったと思います。
お子さまたちからは大変感謝され、二世代計画について私と話を進めてくれるようになりました。そのうちの1人はクライアントとして担当しています。もうひとりのお子さまも債務を返済した暁にはクライアントになりたいと希望してくれています。さらに私は三世代目にも影響を与えています。BobとCarolynにはお孫さんがひとりいます。まだ小さい頃にその子のために保険に加入し、今その少女は医学部を目指しています。おそらく彼女も良いクライアントになってくれるだろうと期待しています。
この経験から重要な真実を再確認しました。一貫性のある思いやりに満ちた粘り強さは重要な経済的成果と深い信頼をもたらすのです。BobとCarolynは資産を築くだけでなく、それを分かち合うことによって子どもや孫の成長を後押しできました。その姿を見て私は「プランニングの真のインパクトは数字を超越したところにある」と学びました。たとえクライアントがはじめは協力的でなくても、正しい行動をとることによって世代を超えた関係を築けました。この経験によって私の仕事の真価はご家族の未来に続く道を照らし、自信と安心感を与えることだと痛感しました。