By Antoinette Tuscano
AI自動文字起こしツールによって金融アドバイザーの生産性と商談のプロセスが激変するかもしれません。これらのツールはより包括的でメジャーなものへと進化を遂げつつあり、今はまだほんの始まりに過ぎないのかもしれません。
AI自動文字起こしツールの使い方
AI自動文字起こしツールの使用により、顧客との面談の記録、CRMへの添付、面談後にアシスタントが担当するタスクの振り分け、顧客への面談要約メールのドラフト作成、次回面談のアジェンダの作成ができます。
4年間MDRT会員のAndy Makalは、Plaud Noteを使用してからは1時間かかっていた作業が数分で終わるようになったと言います。Plaudで顧客との面談を録音すると内容がPDF形式でCRMに保存されます。MakalはさらにChatGPTで面談のサマリーのテンプレートを作成し、自分用と顧客用のタスクリストを生成しています。
Plaud Noteはアプリを介してスマートフォンと接続するAIボイス・レコーダーです。100以上の言語に対応し、MagSafe対応ケースを装着したスマートフォンに取り付けて音声通話の記録も可能です。ただし、機密性のある会議を録音する際はPlaudがAIモデルのトレーニングにその会議情報を使用する許可を与えないようにすることが重要です。
その他のツール
AIによる文字起こしにはFathomやFirefliesなど複数のツールが存在し、Zoom、Google Meet、Teamsの会議の文字起こしや要約ができます。
Jump、Filenote.ai、Zocksは金融アドバイザーに特化したツールです。アドバイザーが使用する可能性のある特定の技術スタックをより効率的に統合し、データ・セキュリティとコンプライアンス管理の強化も実現します。Filenote.aiにはパラプランナーへのリクエスト・フォームの送信やクライアントのマインドマップ作成機能も含まれます。
注意すべき点
8年間MDRT会員のElke Rubach, LL.M., CLUはOtter.aiを使用して面談を記録しています。ただし「使用に際してクライアントの許可を得る必要があります。そして録音を開始する際には面談の日付と参加者の名前を明示することが重要です」と指摘します。
AI自動文字起こしツールは時間節約と精度向上に役立ちますが、皆さんがオフィスで使用している技術やCRMとの相性やデータ・プライバシーを考慮する必要があります。CRMとの統合など高度な機能を提供するAI自動文字起こしツールには一般的に月額料金が発生します。
AIには誤りが生じる可能性があるため常に正確性をチェックすることが不可欠です。アドバイザーはクライアントに送付する内容に責任を負います。クライアントにメールを送付する前に面談のサマリーを見直して個別に調整して誤りを訂正し、AIではなくあなたが書いたように見える工夫が必要です。お客さまは人間味に価値を置きます。担当アドバイザーに大事にしてもらっていると感じられるように、送付物の内容に配慮があることが重要です。「大切にされている」とお客さまに感じてもらう能力はAIやテクノロジーにはありま
時代に乗り遅れないために : 若年層のお客さまと繋がる3つのポイント
By Troy Harrison
自分より10歳以上若いお客さまとはコミュニケーション・ギャップが生じる可能性があります。
X世代(Pew Research Centerによると1965〜80年生まれ)の末期からミレニアル世代(1981〜96年生まれ)の初期にかけて、文化的かつ技術的な大変革が起こりました。これらの変化によってミレニアル世代のお客さまが求め期待するものが大きな影響を受けました。続くZ世代(1997〜2012年生まれ)ではこの傾向はさらに強まっています。ここで言う「若いお客さま」とは主にミレニアル世代とZ世代を指します。
とはいえ同年代としかビジネスできないわけではありません。ミレニアル世代とZ世代は経験豊かなアドバイザーを頼る傾向にあります。しかし彼らのスタイルにマッチングさせて効果的な方法でコミュニケーションを取る必要があります。
若いお客さまとのビジネスの際のスタイル・マッチングについて3つのポイントを紹介します。
- 若いお客さまは信頼関係構築の常識を覆します。これまでのお客さまとの関係構築はシンプルでした。オフィスを訪問したら写真や大学卒業証書などクライアントの個人的な生活に関する手がかりを探し、彼らの関心事を見つけて会話の糸口にできました。しかし現在は個人的な話題から会話を始めるのは不誠実な印象を与えることがあります。若いお客さまはビジネス優先です。
若い見込客のアポイントメントを増やすには、彼らの財務目標の達成もしくはビジネスや家族を金銭的に保護する方法を伝えることが効果的です。ビジネスに焦点を当てた質問で単刀直入に要点を伝え、皆さんが手助けできることを示してください。彼らのニーズや不安に対応できれば、その後ランチや飲み会、ゴルフ、個人的な会話にも応じてくれるでしょう。これは非常に大きな変化ですが、成功するためには必ず取り組まなければなりません。 - 若いお客さまはコミュニケーションの多様性を求めています。そのためにテキスト・メッセージを習得してください。240文字以内で説得力があり文法的に正しい (これがとても重要です)メッセージを送るスキルを身に付けましょう。
ChatGPTのようなアプリを使用すれば長い文から要点だけを抽出し説得力を持たせることができます。AIプロンプトを適切に作成し必要に応じて編集する能力が必要です。ただし無料のAIツールを使用する際は、個人情報を入力しないように注意してください。情報が漏洩する危険性があります。
テキスト・メッセージは万能の解決策ではありません。若いお客さまは多様なプラットフォームを好むため、あるお客さまに効果的な方法が、別のお客さまにも通用するわけではありません。彼らは適応能力を重視し、なおかつ経験と専門知識を兼ね備えた人物を評価します。 - 若いお客さまはソーシャル・メディアに精通しています。皆さんも精通してください。クライアントはまずオンラインであなたを検索します。ソーシャル・メディアは彼らの主要なツールの一つです。LinkedInで検索した後でやっと電話してみようと考えます。LinkedInで信頼できるという印象を与えられなければ、電話(あるいはメールやテキスト)は来ません。LinkedInをプロフェッショナルなツールとして使いこなせないと真剣に取り合ってもらえません。
ただしLinkedInだけでは不十分です。見込客があなたを検索する他の方法にも注意が必要です。そもそも自分の会社のGoogleレビューの評価を知っていますか。若い見込客はおそらくそれを見るはずです。低評価の場合は説明を用意しておく必要があります。
「若いお客さま」のルールには例外があります。年配のお客さまの多くは若いお客さまの習慣を学び真似ています。つまり年齢を見て型にはめることはできません。お客さまのニーズには柔軟で賢く適応力のある対応が求められます。お客さまの年齢は問いません。
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